IT 資産管理のベスト プラクティス

現状からはじめる

ITIL (IT インフラストラクチャ ライブラリ) は、IT サービスの提供をサポートするために設計され、広く受け入れられている一連のベスト プラクティスです。ITIL の 4 つの原則の 1 つは、現在の状態を起点とすることです。この原則に基づいて、すでに持っているサービス、方法論、人材、ツールを分析し、それをもとに現在の状況を把握し、どのように改善を始めればよいかを特定します。新しい ITAM ツールを試してみる場合は特に、ソリューションをゼロから構築したいという誘惑に駆られがちですが、まずは、すでにある人材とシステムを尊重し、何をそのまま使い、何を変更し、何を新たに構築するかを決める必要があります。

迅速に成果を出すには、トップダウンのアプローチをとる

インフラストラクチャやマイクロサービスの詳細に目を向けるのはやめましょう。ビジネスにとって最も目に見える重要な資産とサービスに焦点を当てましょう。たとえば、大手小売チェーンで使用されている何百台ものネットワーク化された POS デバイスを管理していると想像してみてください。これらのデバイスの故障が広範囲に及ぶと、ビジネス全体が停止することになります。次の質問を検討して、迅速に成果を出しましょう。

1. 追跡および管理する必要がある重要な IT デバイスの種類は何か?
2. それらについて何を把握する必要があるか?
3. どのタイプのソフトウェア ライセンスを追跡しているか?
4. 従業員や請負業者をオンボーディングするとき、何を追跡する必要があるか?

上記を文書化すれば、経営陣に ITAM への投資の価値を理解してもらいやすくなります。そうすれば、熱い賛同を得て前進できるでしょう。

ソフトウェア ツールをニーズに合わせて調整し、必要に応じて拡張する

ITAM ツールに投資する際、全員に必要な機能がある一方で、最も成熟した ITSM チームだけに必要な、高度な機能もあります。あなたの目標は、現在の状態から成長に合わせて規模を拡大していく適応的なアプローチを取ることです。理想的には、コンテキストの切り替えが少なく、資産情報と業務やサポートのワークフローを並べて管理できるツールを持つことです。最も良いのは、資産リポジトリと CMDB (構成管理データベース) を組み合わせたツールです。これらのプロセスを連携して管理する方法の詳細については、資産と構成管理に関するこちらの入門ガイドをご覧ください。

コミュニケーションをとり、成功を称賛する

成功を称賛すると、好循環が生まれます。コミュニケーションをとり、称賛することによって ITAM の採用が増え、称賛すべき成功がさらに増えます。プロセスの途中で何度も成功を称賛するチームは、すべてが終わってからまとめて称賛するチームよりも、ビジネスとの接点がはるかに多くあります。ユーザー ベースと接するたびに、資産管理の価値をさらに伝え、プロセスについての理解を深めることができます。プロセスの途中でチームや個人が参加する方法を提供しましょう。サポート チームと運用チームは資産を迅速に見つけるためのトレーニングを受けることができ、ビジネス チームは何が追跡されているのか、そしてその理由を把握できます。これらの各トレーニングを称賛し、参加しているチームに賛辞を与えましょう。そうすれば、さらに理解を深めようとするチームが続出します。

資産管理を始められるようにする

資産管理は、より適切な意思決定を行い、プロセスの効率を高め、ビジネス コストを節約するのに役立ちます。資産管理をどのように構成し、どのツールを使用するかを決めるためには、しばしば助けが必要です。Jira Service Management は、サポート チームと運用チームの現在の働き方の構造化と統合を支援します。IT 資産管理を始める方法の詳細については、アトラシアンの資産と構成管理ハンドブックをご覧ください。