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ベロシティの高いチーム向けの ITSM

最初の連絡での解決が重要な理由

何でもオンデマンドの現代では、顧客は IT プロバイダからの迅速で即座な支援を求める傾向があります。サービス提供のスピードは顧客満足度と密接に関連しているため、顧客の課題がどのくらい迅速に解決されているか把握しておくと有用です。ここで、最初の連絡での解決 (または FCR) の出番になります。

最初の連絡での解決とは?

最初の連絡での解決とは、顧客が IT チームに初めて連絡した時に顧客のニーズを完全に満たす能力です。最初の連絡での解決率を測定することで、IT チームはどのくらい迅速に顧客を支援しているかをより深く理解することができます。

FCR のメリットと課題

FCR は、チームとプロセスの有効性を追跡するのに役立つ数多くの主要な IT 指標の 1 つです。さらに重要なのは、顧客は問題の迅速な解決を望んでいるため、FCR はカスタマー エクスペリエンスに集中し続けるうえで非常に有効な方法だということです。

実際、コールセンター企業 SQM Group は、FCR が 1% 改善すると、顧客満足度も 1% 改善すると報告しています。また、顧客が同じ問題で再び電話をかける必要が生じるたびに、顧客満足度が平均で 15% 下がることもわかっています。

ただし、FCR は測定指標の 1 つのすぎないことを覚えておく必要があります。顧客満足度や IT の有効性を示す包括的な指標ではありません。1 次対応にかかる時間と実際の顧客満足度 (CSAT) スコアなどその他の測定基準と組み合わせて使用し、傾向を追跡したり、改善できる領域を特定します。

以下に最初の連絡での解決を評価するためのヒントとコツを示します。これらは、チームにとって本当に効果的で有用な指標であることを確認するために役立ちます。

最初の連絡での解決を評価するためのベスト プラクティス

評価する内容を定義して、一貫性を維持する

上位のサポート階層にエスカレーションしても、最初の連絡と言えますか? 別の連絡方法で顧客から再連絡を受けた場合、2 回目の連絡と言えますか? 顧客が間違った部署に連絡した場合はどうなりますか?

これらの点を定義付けする必要があります。重要な点は、何を FCR と見なすのか、見なさないのかを明確に定義して、一貫性を保つことです。また、簡単に測定できるようにシンプルにしておくことをお勧めします。例外を多く作れば作るほど、プロセス、トレーニング、レポート作成がわかりにくくなり複雑になります。

また、最初の連絡での解決に加えて高品質のサービスを引き続き顧客に提供できるよう、FCR と並行して全体的な顧客満足度を追跡することをお勧めします。たとえば、たとえ最初のコンタクト ポイントで問題を解決できないことになっても、10 分間保留したままにするよりも、迅速に電話をかけ直した方がはるかに良いでしょう。顧客満足度を追跡することで、FCR 評価が実際にどれくらい正確であるかを把握することができます。

顧客が解決済みと同意したときのみ課題を解決済みとマークする

残念ながら、サービス デスク エージェントは、通話時間およびクローズ率の厳しい目標を達成するために、時期尚早であるにもかかわらずチケットをクローズする圧力を感じることがあります。その結果、顧客の問題が実際に解決される前に解決済みとしてマークされる場合があります。

当然と思われるかもしれませんが、顧客が同意するまでチケットは解決済みにならないと覚えておくことが重要です。顧客の確認なしで問題を解決済みとして処理することは、不満を持つ顧客を生み出し、サポート チケットを再び開くことになり、FCR に直接影響を与えます。

チケット再開率を追跡して、より優れた FCR 精度を実現

FCR の測定結果が正しいか確認する良い方法は、チケット再オープン率も追跡することです。FCR 目標をうまく達成していても、同じ顧客からの新しいチケットや再オープンリクエストが多数ある場合、最初の連絡で課題を完全に解決していない可能性があります。

チケットの再オープン率は、FCR のチェックとバランスの組み込みシステムのようなものです。実際、チケットの再オープン率を伴わない FCR 測定には、十分な疑念を持ってアプローチしたほうがよいでしょう。

チケットの再オープンや折り返しの電話の適度な測定ウィンドウを設定することも忘れないでください。FCR 率に解決済みの問題として追加する前に、最初の連絡から少なくとも 24 ~ 48 時間のウィンドウを開けておくことをお勧めします。

顧客の問い合わせの全容を見る

迅速な問題解決を実現する 1 つの方法は、セルフサービス ツールを提供することです。たとえば、パスワードのリセットなどの簡単なリクエストは、顧客が最初から最後まで自分で解決できるため、エージェントとやり取りすることは一切ありません。ただし、そうではない場合もあるため、顧客はセルフサービス方式を試した後、フルサービスのチャネルを通じてサポートに問い合わせをすることがあります。

セルフヘルプ後のコールは、サポートチームにとっては初回コールかもしれませんが、実際は顧客からの 2 回目のサポートリクエストであることがあります。

サポート部門への顧客の最初の連絡のうち、実際にはどのくらいが 2 回目のやり取りであるのかを理解することが重要です。2 回目のやり取りである場合、顧客はセルフヘルプ ツールを使用して自分のニーズを効果的に解決できなかったため、さらなる支援が必要になります。

カスタマー ジャーニー全体のパフォーマンスを追跡できず、セルフヘルプ顧客がフルサービスのサポート リクエストに変わる地点と頻度を特定できない場合、FCR 率は人為的に歪んでいる可能性があります。さらに、サービスにかかるコストを劇的に削減できるセルフサービスの主な改善点を探す機会を逃していることになります。

FCR を向上させるためにナレッジ ベースを重視する

ナレッジ ベースを構築し、チームが知識や経験を結集して文書化し、共有するよう促進することで、繰り返し発生する問題の解決が飛躍的に簡単になり、その結果、節約したエージェントの時間をより複雑な問題の解決や文書化に向けることができます。簡単に参照できるナレッジ ベースがあれば、IT チームは問題をより迅速に (そしてうまくいけば、初回の連絡で) 解決できます。

実際、HDI によると、ナレッジ センターを活用したサポートを行っている組織は通常、活用していない組織よりも、初回の連絡および第 1 レベルでの解決率が 15% も高くなることが多いと判明しています。ナレッジ ベースの実装に悩むことはありません。

矛盾したパフォーマンス目標の設定を避ける

FCR や解決までの時間などの両方を測定することに問題はありませんが、サービス デスク エージェントに紛らわしい信号を送らないように、両方に目標を設定していないことを確認してください。

たとえば、85% の FCR を達成しようとしていて、エージェントは 5 分以内に問題を解決またはエスカレーションすることも期待される場合、エージェントは設定された 2 つの目標の 1 つを選択する必要があります。エージェントが優先事項を理解し、ビジネス目標をサポートするという共通の目標を達成するために協力していることを確認してください。

最も重要な点は、FCR を自社の主な目標とするべきではないことです。主な目標は、エスカレーションまたは顧客に電話をかけ直す必要があるにしても、可能な限り最良の方法で問題を解決することです。

概要

最初の連絡での解決は、チームの効率性を追跡するための優れた指標ですが、額面どおり受け取ることは避けるべきです。FCR およびチケット再開率や顧客満足度など FCR に加えて追跡できるその他の指標をどのように評価しているかを考えて、改善すべき領域を特定するのに役立つ、より正確な評価結果を得ます。

最初の連絡での解決に対する包括的なアプローチによって、チームは全体像を把握し、チームの健全性とパフォーマンスの状況を伝えるその他の重要な指標を追跡できます。従業員と顧客のためのアクセス可能で動的なナレッジ ベースを構築する機能、および効率的なワークフローをカスタマイズする機能によって、FCR 率を一変させることができます。Jira Service Management でこれらの革新的な機能をご確認ください。

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