Opsgenie のアラート機能とオンコール機能が、Jira Service Management と Compass で利用できるようになりました。当社の自動移行ツールを使用して、2027 年 4 月 5 日までに既存の Opsgenie のデータと構成を移行してください。詳細を見る
SRE とは原則と実践の解説

SRE (サイト信頼性エンジニアリング) は、リリース時に開発チームや運用チームが直面する一般的な課題の軽減に役立ちます。
SRE は、アプリケーションをアップデートを重ねるたびに安定した状態に保つことで、信頼性、説明責任、イノベーションを向上させます。
測定、対応、ナレッジ、改善は、SRE 作業を機能させる 4 つの主要な要素です。
効果的な SRE は経営陣レベルから始まりますが、強固なチーム構造と、信頼性に対する共同責任にも依存しています。
JSM は、インシデント対応の簡素化と SRE の効果的な導入に役立ちます。
ソフトウェアの開発とリリースには多くの要素が関わっており、複数のチーム全体でローンチを調整することは容易ではありません。SRE (サイト信頼性エンジニアリング) のような取り組みは摩擦を軽減し、チームによる ITSM の効率化を可能にします。
SRE は現代のソフトウェア開発において重要な役割を果たしており、障害や信頼性の課題を最小限に抑えながら、ローンチまでの時間短縮に役立ちます。SRE の中核原則や柱、および SRE が組織にどのような影響を与えるかについて詳しくご確認ください。
SRE (サイト信頼性エンジニアリング) とは
SRE は、信頼性と拡張性に優れたシステムを構築および維持するために、ソフトウェア エンジニアリングの手法を運用作業へ適用するエンジニアリング分野です。SRE は、自動化、測定可能な信頼性目標、継続的な運用改善を通じて、システム パフォーマンスの向上に重点を置いています。
Google の SRE の初期リーダーの一人である Ben Treynor は、サイト信頼性エンジニアリングを "かつて運用と呼ばれていた業務をソフトウェア エンジニアに任せたときに生まれるもの" と表現しています。
歴史的に、開発チームは新機能を迅速に提供することに注力する一方で、運用チームはシステムの安定性を重視していました。こうした緊張関係は、リリース判断やリスク許容度を巡る摩擦をしばしば生み出していました。
SRE は、信頼性目標を定義し、測定可能なしきい値を用いて変更を安全にリリースできるタイミングを判断することで、より体系的なアプローチを導入しました。専任の信頼性エンジニアは、継続的なイノベーションを実現しながら、システムがパフォーマンス要件を満たすよう支援します。
Google の SRE である Andrew Widdowson が述べているように、その作業は "緊迫したピット クルーの一員であること" に似ており、本番稼働を維持したまま継続的にシステムを改善していきます。
SRE と従来型 IT 運用、および DevOps の比較
従来型の IT 運用では、新しいリリースによる課題およびそれらによって生じるリスクを最小限に抑えることが主な焦点となります。チームは IT の専門分野ごとに編成され、たとえばネットワーク エンジニアがネットワークを担当するといった体制になっています。このモデルは信頼性を最大化するうえでは効果的ですが、ボトルネックや遅延を生み出す可能性があります。
DevOps は、従来型 IT 運用チームが直面する課題に対する最先端の解決策として生まれました。従来型の IT 運用とは異なり、DevOps は自動化を通じた俊敏性と効率性に重点を置いています。DevOps チームは部門横断型でもあり、それによってより高い柔軟性を実現しています。
SRE は、開発チームと運用チームをつなぐことを目的とした最新のイノベーションです。SRE は、可観測性、自動化、アプリケーション監視を通じて、開発チームと運用チーム間のコラボレーションを効率化します。SRE チームは、信頼性を確保するために、アプリケーションのパフォーマンスを SLA (サービス レベル アグリーメント)、SLI (サービス レベル指標)、または SLO (サービス レベル目標) に照らして測定します。SRE チームのメンバーはコードの課題を特定して修正することもできるため、コーディングは SRE チームにとって重要なスキルです。
主要な焦点 | チーム構造 | 強み | 制限事項 | |
従来型 IT 運用 | リリース時の安定性確保とリスク低減 | 機能別に編成された専門チーム | 強力な制御と高い信頼性 | サイロ化、ボトルネック、デリバリーの遅延を引き起こす可能性がある |
DevOps | 自動化による俊敏性、スピード、効率性 | 開発チームと運用チーム間の部門横断型のコラボレーション | より迅速なデリバリー、より高い柔軟性、より強固なコラボレーション | 信頼性に関する取り組みはチームごとに異なる場合がある |
SRE | エンジニアリング、自動化、可観測性による信頼性 | 開発と運用の橋渡しを行うエンジニア | より高い信頼性、測定可能なサービス パフォーマンス、より迅速なインシデント対応 | 技術的成熟度、明確なメトリック、コーディングの専門知識が必要である |
SRE の仕組み
DevOps を効率化し、ソフトウェアの信頼性確保に役立つ SRE の中核的な柱がいくつか存在します。SRE の主要な要素を詳しく理解することで、組織へ SRE を効果的に導入できるようになります。
測定: 信頼性の定義と追跡
測定は SRE における意思決定の基盤であり、SRE チームがローンチごとに信頼性を最大化するために活用する重要なデータを提供します。主要なメトリックには次のものがあります。
SLI (サービス レベル指標): 待機時間、可用性、スループット、エラー率などの SLI は、システムの信頼性を測定するための主要なメトリックです。
SLO (サービス レベル目標): SLO により、チームはユーザー エクスペリエンスに基づいた現実的な信頼性目標を設定できるようになり、リリース時のソフトウェアの信頼性を確保するために、パフォーマンス目標と運用上の制約とのバランスを取ることにも役立ちます。
SLA (サービス レベル アグリーメント): SLA は外部向けの信頼性に関する保証であり、通常は SLO ほど厳格ではありません。SLO は、潜在的なパフォーマンス課題に対する警告システムとして機能し、顧客への説明責任を果たしながら最適な CX デザインを提供するため、SLA よりも厳格です。
エラー予算: エラー予算は、一定期間内に許容されるダウンタイムを指します。チームは、開発のペース調整にエラー予算を活用します。エラー予算を使い切ると、開発速度は低下します。予算に余裕がある場合は、開発を加速し、より多くのリスクを取ることができます。
対応: インシデントと運用負荷の管理
対応は、SRE チームがリアルタイムで信頼性の課題を管理するための体系的な方法です。チームは、定義されたプロセスと標準化されたフレームワークを使用して、以下のようにインシデント管理を効率化します。
インシデント対応の実践: チームは、タイムリーかつ一貫性のあるインシデント対応を実現するために、明確なプロセス、役割、エスカレーション経路を整備します。JSM (Jira Service Management) を使用すると、チームは課題を容易に管理し、エスカレーションを行い、ベスト プラクティスや手順を 1 か所で共有できます。
重大度レベルと優先順位付け: チームは標準化された重大度フレームワークを使用して、影響を迅速に評価し、特定の課題がどれほど緊急であるかを判断します。これにより、チームは重大度に基づいてインシデントの優先順位を決定できます。
オンコール エンジニアリング: 持続可能なオンコール ローテーションは、システム応答性と開発者の生産性およびウェルビーイングのバランスを取り、燃え尽き症候群を軽減しながら、より良い成果の実現に役立ちます。
ナレッジ: インシデントを構造的な改善につなげる
インシデント対応が完了した後、ナレッジは、チームが再発する障害を防ぎ、システムの回復力を向上させるための仕組みとなります。
責任追及を行わない事後分析: チームが個人のミスではなく課題の体系的な原因に注目することで、より効果的な問題解決につながり、チームの心理的安全性にも寄与します。
事後分析のテンプレートと実践: 構造化されたインシデント レビューを活用することで、より適切なドキュメント作成が可能になり、実行可能なフォローアップを促進できます。JSM の事後分析テンプレートは、このプロセスを効率化します。
信頼性に関するナレッジ共有: 1 か所にまとめられたページやドキュメントにより、チームはナレッジ ベースを構築し、サービスや組織全体にナレッジを拡張できます。
改善: 大規模なエンジニアリングの信頼性
改善は、成熟した SRE プラクティスによってもたらされる長期的な成果です。これらは、ビジネスの成長に合わせて拡張可能であり、長期的な信頼性を確保するための変更です。
トイルの削減: 反復的な運用ワークフローを特定して排除することで、チームはより価値の高いエンジニアリング業務に集中するための時間を確保でき、貴重なリソースの浪費を防げます。
自動化と標準化: 自動化は、運用ワークフローを効率化し、人的エラーのリスクを軽減することで、システムの一貫性、回復力、運用効率を向上させます。
キャパシティ プランニングとパフォーマンス最適化: システムの設計に予防的なアプローチを取り入れることで、一般的な課題を防止し、持続可能な成長をサポートするとともに、成長に合わせてシステムを容易に拡張できるようになります。
SRE を効果的に実行する方法
SRE は、適切に活用することで効果的なツールとなります。適切な手順とベスト プラクティスに従うことで、SRE を効果的に導入しやすくなります。
信頼性を共同責任にする
信頼性を共同責任にすることは、SRE の中核原則の 1 つです。開発チームと運用チームがリリース結果に対する責任を共同で負うことで、チームは目の前の問題に対する解決策を見つけるために、より生産的に協力しやすくなります。
エラー予算のようなツールは、優先順位の整合性を取り、コラボレーションを促進するうえで重要な役割を果たします。SLO、SLI、SLA は、システム パフォーマンスを客観的に測定するためのシンプルな方法であり、チームに確かな判断基盤を提供します。
適切なチーム構成を選択する
SRE チームは集約型または組み込み型として構成でき、どちらのモデルにも利点があります。
組み込み型の SRE チームは製品チーム内で作業を行うため、製品への理解を深めやすく、迅速な対応が可能になります。集約型の SRE チームは、組織全体にわたって活動する独立したチームです。
複合型チームは、集約型 SRE チームと組み込み型 SRE チームの効果的な折衷案であり、組み込み型 SRE チームの俊敏性と集約型チームの一貫性を兼ね備えています。複合型エンジニアリングの役割は、開発を加速し、信頼性の課題を軽減することで、より信頼性の高いシステムの提供に貢献することです。
信頼性に対する経営陣の支持を得る
信頼性を長期的な優先事項とし、それを戦略的意思決定プロセスへ組み込むことは、単に SRE チームを作るほど簡単なことではありません。効果的で長期的な SRE は、経営陣から始まります。
経営陣が信頼性向上に責任を持って取り組むことで、SRE チームは信頼性確保に必要なリソースを利用できるようになります。経営陣の支持は、迅速なリリースよりも信頼性を優先する文化的変化を後押しし、それによって SRE を組織の活動すべてに浸透させることにつながります。
SRE を導入するタイミング
SRE の導入を検討している場合、組織で移行準備ができていることを示す兆候がいくつかあります。
大量のリソースが手動の反復タスクに費やされ、燃え尽き症候群を引き起こしている
お客様がパフォーマンスやダウンタイムについて頻繁に不満を抱いている、または SLA に違反している
デプロイに時間がかかり、デプロイによって問題が生じることがよくある
SRE の実装は信頼性を向上させる効果的な方法ですが、考慮すべき課題がいくつかあります。
変化に対する文化的な抵抗
採用やトレーニングの難しさ
過剰なトイルの管理
SRE を段階的に実装することで、これらの課題の一部を克服できます。重要度の低いパイロット プロジェクトから始めて、慣れてきたら自動化、エラー予算、継続的改善を実装していきます。
SRE プラクティスの構築を開始
SRE は、信頼性を向上させ、開発チームと運用チーム間のコラボレーションを効率化する最も影響の大きい方法の 1 つです。SLO、SLI、SLA を使用してシステム パフォーマンスを測定することで、インシデントを最小限に抑え、カスタマー エクスペリエンスを向上させることができ、開発者はイノベーションに集中できるようになります。
SRE の導入準備ができている場合は、小さなプロジェクトから始めて、チームを構築し、SRE プラクティスの改良と継続的な改善に焦点を当ててください。
SRE チームの構築についてさらに詳しく知りたい場合は、SRE に関するより詳細なガイドをご確認ください。また、インシデント管理を効率化し、チーム間のコラボレーションを推進するには、JSM をご確認ください。
推奨
チュートリアル
Opsgenie を使用したオンコール スケジュールの設定
このチュートリアルでは、オンコール スケジュールの設定、オーバーライド ルールの適用、オンコール通知の設定などの方法を学習します。すべて Opsgenie 内で行います。
インシデント コミュニ ケーションのテンプレートと例
インシデントに対応する場合、コミュニケーション テンプレートが極めて有用です。Atlassian のチームが使用しているテンプレートと、一般的なインシデントに関するさまざまな例をご確認ください。