アジャイルエピック: 定義、例、テンプレート

多数の小さなストーリーに分割できる、まとまった作業がエピックです。 

 

Max Rehkopf Max Rehkopf
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アジャイルエピックとは、顧客やエンドユーザーのニーズ/リクエストに基づいて特定のタスク (通称 "ストーリー" または "ユーザーストーリー") に細分化できるまとまった作業を指します。

エピックは作業を整理したり階層を作成したりするのに便利な方法です。作業をリリース可能な単位に分割することで、大規模プロジェクトを実行しやすくすると同時に、コンスタントに顧客に価値をリリースし続けることを目指します。チームはエピックを使って作業を分割しつつ、大きな目標に向かって作業を継続できます。

エピックのように大きな仕事をまとめながらアジリティを維持するのは "小さな" 仕事ではありません。エピックを健全なアジャイルプログラムと関連付ける方法を習得することは、組織の規模にかかわらず不可欠なスキルです。

アジャイルなエピック、ストーリー、テーマ | アトラシアンアジャイルコーチ

アジャイルエピックについて

エピックとは大規模な作業の本体で、多数の小単位のストーリー (Jira での別称は "課題") に細分化できます。通常、複数のプロジェクトに取り組む複数のチームを含み、複数のボードで追跡することも可能です。

エピックは一連のスプリントにわたりほとんど常に提供されます。開発担当者や顧客が提供するフィードバックを通じてチームが取得するエピックの関連情報が増えるたびに、ユーザーストーリーが適宜追加または削除されます。こうした、"柔軟なスコープ"、"顧客フィードバックの反映"、"チームの期間"といった要素は、アジャイルエピックでの鍵となります。

アジャイルエピックの例

たとえば、私たちが 2050 年に娯楽用の宇宙旅行組織で働いているとしましょう。1 年のシャトル打ち上げ回数は 12 回前後であるため、各打ち上げは年に 1 度の大規模活動ではありませんが、それでも通常業務とはかけ離れており、完了までに多数の労力が必要です。この規模はエピックにうってつけです。

上記の "2050 年 3 月宇宙旅行シャトル打ち上げ" のエピックの例には、通常の作業項目に加え、顧客による宇宙旅行チケットの購入からロケットの打ち上げまで、シャトル打ち上げの主な要素の改善を目的とするストーリーが含まれます。このように、このエピックには複数のチームが幅広いストーリーに取り組み貢献します。

2050 年 3 月の打ち上げ分のチケット購入をサポートするソフトウェアチームは、次のようにエピックを構築することが考えられます。

エピック: 2050 年 3 月シャトル打ち上げ
ストーリー: 2050 年 3 月の打ち上げ日を含めるように期間を更新。 ストーリー: リクエストされた打ち上げリストの読み込み時間を 0.45 秒未満に短縮 ストーリー: ファーストクラスの予約確認ページで土星旅行サマーセールを宣伝。

推進チームは同じ時期に、以下のストーリーでこのエピックに貢献することが考えられます。

エピック: 2050 年 3 月シャトル打ち上げ
ストーリー: 打ち上げ時に燃料タンクの PSI を 250 PPM 超に維持 ストーリー: 総燃料消費を 1% 減少。 ストーリー: ゲイリーの後任推進エンジニアを雇用。#garygate2050

完全なアジャイルプログラムにおけるエピックを理解する

エピックは成功に必要なすべての要素を開発チームに提供します。実務的にはエピックは最上位の作業階層ですが、他のアジャイル構造との関連性を理解すると開発作業に日々取り組むうえで次の重要な考慮点が明らかになります。

  • 製品ロードマップは、製品やソリューションが徐々に進化していくのに合わせて講じる措置を計画するものです。
  • テーマとは、組織が掲げる目標であり、エピックとイニシアチブはこれをもとに作成されます。
  • 製品ロードマップは、タイムラインに沿って書かれた一連のイニシアチブで表されます。
  • イニシアチブを複数のエピックに分けると、チームの日常業務 (小さなストーリー) と全体的なビジネス目標との関連性を維持するのに役立ちます。

エピックを次々に完了することで、特定のイニシアチブがスムーズに進行するようになります。これにより、製品は組織のテーマだけでなく市場や顧客のニーズにも配慮して開発され、進化し続けるようになります。

上の例におけるテーマ、ロードマップ、イニシアチブは、それぞれ宇宙シャトルの打ち上げ増加、四半期あたり 3 回から 4 回への打ち上げ増加のための道筋、コスト削減とチケット売上の増加であり、各エピックはイニシアチブにまとまります。

ユーザーストーリーの例 | アトラシアンアジャイルコーチ

アジャイルエピックを作成する

新しいエピックを作成する際は、チームがすでに保有しているほかの計画や整理ツールを考慮します。手始めに、チームの四半期目標や OKR に関するエピックの作成をお勧めします。エピックを作成する際は、次の点を考慮します。

  • レポーティング — マネージャーとエグゼクティブの監視が必要なプロジェクトのエピックを作成します。
  • ストーリーテリング — 現在の機能や製品の状態に到達するまでの経緯を伝える手段として、エピックとエピックを構成するストーリーを使用します。
  • カルチャー — 組織のやり方に応じてエピックのサイズと分割単位を決めます。
  • 時間 — 大半の開発チームは、時間でなく見積もりの枠組みを基準としますが、エピックが必ず数週間で完了するようにすることは有効な度胸試しとなります。それ以上でもそれ以下でもなく、数週間で終わるようにします。

Jira でエピックが機能する仕組み

アジャイルエピックを細分する

エピックを扱いやすいストーリーに細分することは、プロジェクトの理解と勢いの維持に役立つ一方、初心者にとっては困難なタスクである可能性があります。エピックからストーリーを作成する万能な方法はありませんが、以下をはじめとして検討に値する方法は多数あります。

  • ユーザーロール (ペルソナ) — 各ユーザーのペルソナに応じて、"新規訪問者向けクイックログイン"、"リピーター向けクイックログイン" など、独自のストーリーを作成します。
  • 体系的ステップ — プロセスを細分して、各ステップのストーリーを作成します。
  • カルチャー — チームのやり方を基準にストーリーの枠組み (短期のタスクか 1 週間かかるプロジェクトかなど) を決めます。
  • 時間 — 別の既存の取り決めがない場合、1 スプリント以下で完了できるストーリーを考案します。

長いストーリーとエピックを区別する普遍的な定義はありませんが、通常は、完了までに "数時間" や "数日" でなく、"数週間" (またはそれ以上) かかる作業スコープはエピックとみなされ、より小規模のストーリーに細分されます。

アジャイルエピックを測定する

バーンダウンチャートを使ってエピックを視覚化すると、チームのモチベーションを維持し、組織上層部に情報を伝えることができます。エピックのバーンダウンチャートを効果的に使用することで、組織のアジリティがいかんなく発揮されます。

エピックのバーンダウンチャートには、スプリントまたはエピックで実行される実際および見積作業量が表示されます。バーンダウンチャートの横軸 (x) は時間を、縦軸 (y) はストーリーや課題を表します。

アジャイルバーンダウンチャート | アトラシアンアジャイルコーチ

バーンダウンチャートを使って、未完了の合計作業量を追跡し、スプリントの目標を達成する可能性を予測します。イテレーションを通じて未完了の作業量を追跡することで、進捗を管理して、適切な対応を図ることができます。

バーンダウンチャートを監視すると、チームの進捗状況と障害となる箇所が明確になります。こうしたデータポイントが一目瞭然となるため、誰もが認識を共有し、製品の進展と完了予想をめぐり活発に議論が交わされるようになるうえ、当然の結果として信頼も築かれます。

Jira Software でバーンダウンチャートを構成する方法

アジャイルエピックを理解する

エピックはアジャイルプログラムに絶対に必要な基盤というわけではありませんが、大半のアジャイルチームにとって作業を実践に移しやすくする手段となります。健全なアジャイルプログラムのどこにエピックを当てはめるかが明確になると、作業状況が浮き彫りになります。また、ストーリーに細分することで勢いがつきます。