スプリントレビューはふりかえりではありません。デザイナー、開発者、プロダクト所有者など、チーム全体の努力を示す場所です。アトラシアンでは、スプリントレビューはカジュアルなものにとどめています。チームメンバーが机の周りに集まって簡単なデモを見たり、イテレーションのために行った作業の説明をしたりします。質問をし、新しい機能を試し、フィードバックを伝える場なのです。共有することはアジャイルチーム構築における重要な局面です。
まず、チームにおける「完了」の定義がこのアジャイルセレモニーにおいて重要な理由を確認しましょう。
ステップ 1: 「完了」を定義する
Jira のレギュラー ユーザーとして、タスクを「コード レビュー」から「完了」に移行させるほど満足感の高いことはありません。移動したアジャイル カードはチームとして完了した作業を示します。これで完了です!

ゴールのテープを切り、作業を完了するには優れた計画、「完了」の明確な定義、集中して実行することが必要です。これらのほとんどはスプリント計画中に起こりますが、スプリント レビューとスプリントを成功させるには、チームは計画以上のことを実施する必要があります。作業のデリバリー方法に関する明確な文化を作り上げ、「完了」の意味を定義する必要があるのです。
デリバリーの文化
効率的なチームは明確なプロセスと開発の文化をすべての作業項目に適用します。これらの質問を使用してプロセスを評価し、チームとして最適に作用しているかを確認します。
- ストーリーは、実装前にプロダクト所有者、デザイナー、エンジニアリング チームによって適切に定義されているか。
-
全員がチームのエンジニアリングの価値と文化を理解し、それに沿って行動しているか。
-
コード レビュー、自動テスト、継続的インテグレーションに関する明確な定義と要件があり、サステナブルなアジャイル開発が推奨されているか。
-
チームがストーリーを完了したあと、多くのバグが発見されたか。つまり「完了」は本当に「完了」を意味するか。
品質と完了に関するチームの文化は、すべてのユーザー ストーリー、エンジニアリング、作業項目、バグよりも重視されるべきです。この文化はチームがソフトウェアにどのようにアプローチしデリバリーするかを反映しています。
作業項目ごとの「完了」を定義する
明確な「完了」の定義があると、チームは各作業項目の最終目標にフォーカスできます。プロダクト所有者がチームのバックログに作業を追加し、承認基準を定義することは、プロセスにおける重要な局面です。ユーザー ストーリーが完了となるのはどういうことでしょうか。Atlassian では、Jira チームは承認基準と、残りのユーザー ストーリーに沿ったテスト メモを追跡します。そうすることで、すべての課題における成功の定義をチーム全体が明確に理解できます。それでは、承認基準とテスト メモとは何でしょうか。
- 承認基準: ストーリーが満足に実装されたと確認するため、プロダクト所有者が使用する指標。
-
テスト メモ: 開発エンジニアがより優れた機能コードと自動化テストを書けるように品質サポート チームが提供する、短く集中的なガイダンス。
実装中にしっかりと定義された課題があると、皆が成功します。Jira を使用すると、フィールドの追加が簡単です。管理者は課題上の「管理者」ボタンを押すだけで追加できます。
ステップ 2: チームをお祝いする
Atlassian のコア バリューの 1 つは、「チームとして動く」です。スプリント レビューはイテレーション中にチームやメンバーが達成したことをお祝いする良い機会です。Atlassian では通常、オフィスの全員が週末に向けてゆったりとした気持ちになる金曜の午後に開催しています。スプリント レビューはふりかえりと同じではないため、イテレーション後およびふりかえりの前にスプリント レビューを開催してください。外部の参加者の参加も歓迎ですが、ミーティングは通常プロダクト所有者、開発チーム全員、スクラム マスターで構成されます。ベスト プラクティスとして、ミーティングの各イテレーションに 30 分から 1 時間かけることをお勧めします。
スプリント レビューはチームの健全性と道徳性を守るため、Atlassian ではお気に入りのイベントです。スプリント レビューではチーム ビルディングが重要です。レビューは敵対的なものでも、試験でもありません。チーム全体がコラボレーションするイベントで、メンバーは作業のデモを行ったり、フィールドの質問をしたり、フィードバックを得たりできます。
スプリント レビューがチームにおいてポジティブなアクティビティとならない場合、以下が考えられます。
- チームが多くの作業を引き受けすぎて、イテレーション中に完了できない
-
チームが既存の技術的負債に苦労している
-
コード ベースに新たなバグが発生しないよう機能が継続的に開発されていない
-
チームの開発プラクティスが予想されていたとおり進んでいない
-
プロダクト所有者がイテレーション内の優先順位を変更し、要件の変更によって開発チームが脇に追いやられている
注: 難しいイテレーションは、あらゆるチームで発生するものです。チームのふりかえりで時間をかけて、なぜイテレーションが変更されたのかを理解し、次のスプリントで課題を解決するための計画を作成しましょう。
ステップ 3: 場所を超えて通じ合う
分散したチームを持つ企業は、グローバルなアジャイル セレモニーの拡張に関する課題を抱えています。スプリントレ ビューも同様です。Jira チームは、シドニー、グダニスク、サイゴン、サンフランシスコなど、世界中にメンバーがいます。分散しているものの、スプリント レビューはチーム文化の重要な一部です。チーム メンバーは非公式の動画を作成し、チーム全員が視聴できるように、それを Confluence ページ上で共有しています。
これらの非公式動画のおかげで、時差にかかわらず、チーム全員が開発の進捗に関する最新情報を得られます。開発者自身が機能デモを視聴することによって、チームは以下の 2 つの点において強化されます。
-
製品の理解: チーム全体が意図、論理的根拠、機能の実装について知ることができます。製品全体へのチームの理解が深まります。
-
チーム ビルディング: 動画によって、チーム全体でより個人的なつながりが構築されます。製品のあらゆる側面を背後で支えているメンバーの存在を、全員が知ることができます。このプラクティスによって築かれた架け橋によって、メンバー間の関係は強化され、それぞれの場所が離れていようとも包括的なグループとなります。
最後のアドバイス
スプリント レビューを始めたばかりのチームは、ふりかえりにスプリント レビューの要素を取り入れたいと強い誘惑にかられるかもしれません。スプリント レビューは、スプリントのふりかえりとは別のセレモニーです。作業の成果を楽しみましょう。達成事項を自由にお祝いしましょう。効果的なスプリント レビューは、チームの士気やモチベーションを向上させます。このお祝いというアイデアは Atlassian の Jira チームにとっても非常に重要です。そのため、Atlassian は「よく祝え」という言葉をビジョン ステートメントにも含めています。