スクラムマスターとは?

スクラムマスターとは何か、チームが軌道を外れないようにスクラムマスターは何をなすべきかについて学ぶ

Max Rehkopf Max Rehkopf
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2018 年 7 月 11 日更新: この記事の当初の公開日は 2018 年 7 月 5 日でした。

Sjoerd NijandIan Buchanan に深く感謝の意を表します。

公式スクラムガイドでは次のように述べられています。「スクラムマスターはスクラムチームのサーバントリーダーである。[...] スクラムガイドで定義されたスクラムの促進と支援に責任を持つ。スクラムマスターは、スクラムの理論、プラクティス、ルール、価値基準を全員に理解してもらえるように支援することで、その責任を果たす」

同僚とともにスクラムボードのカードを移動させるスクラムマスター

最近 Twitter が実施したアンケートでは、92% の回答者が、"型どおりの"スクラムではなく、カスタマイズされたスクラムのようなものを実践していると答えました。これには驚きを覚えました。これがスクラムマスターにとって何を意味するのか、チームがスクラムを理解するためのコーチングや支援をするのは誰の役割なのでしょうか? 進化し続ける、"型どおりではない"アジャイルの世界で適合できる場所はあるのでしょうか?

これらは、私たちがアジャイルの名もなきヒーローであるスクラムマスターの役割と責務について深く考えたときに抱いた疑問です。

スクラムマスターとは?

スクラムマスターは、スプリントと呼ばれる時間枠を設けられたイテレーションに焦点を当てた軽量のアジャイルフレームワークであるスクラムの進行役です。進行役であるスクラムマスターはチームの他のメンバーのコーチとして機能します。スクラムガイドでは「サーバントリーダー」と表現しています。優れたスクラムマスターは、スクラムの基礎と価値に忠実に努めますが、柔軟性を維持し、チームのワークフローを改善する機会には常にオープンです。

同僚とともにスクラムボードのカードを移動させるスクラムマスター

スクラムマスターの責務

理想的なアジャイルの世界では、チームは独自のプロセスとツールを管理します。しかし、アジャイルに移行する多くのチームは、通常、プロセスの所有者としてスクラムマスターに依存しています。責務と権限をチーム全体に浸透させるには時間がかかります。この変革のコンテキストにおける役割は、スクラムのセレモニーのスケジュール設定のような簡単なものから、他のスクラムチームメンバーと同様に深く関与するものまであります。スクラムガイドには、スクラムマスターと他のスクラムの役割とのかかわり方が記載されていますが、責務のすべてが挙げられているわけではありません。実際、以下に挙げたすべてを実行するスクラムマスターもいれば、一部のみ実行する人もいます。また、すべてがスクラムで定義されていない場合もあります。

  1. スタンドアップ - 必要に応じて毎日のスタンドアップ (またはデイリースクラム) を実施します。
  2. イテレーション/スプリント計画のミーティング – チームをオーバーコミットやスコープクリープから保護します。見積もりとサブタスクの作成を支援します。
  3. スプリントレビュー – ミーティングに参加し、フィードバックを収集します。
  4. ふりかえり – 改善できる領域と今後のスプリントのためのアクションアイテムを書き留めます。
  5. ボードの管理スクラムボードの管理者となります。カードが最新のものであり、Jira Software などのスクラムツールがうまく機能していることを確認します。
  6. 1 対 1 のミーティング – 必要に応じて、チームメンバーや関係者と個別にミーティングを行います。プロセスとワークスタイルに関するチームの意見の相違を解決します。スクラム実践者の多くは個別のコミュニケーションはスタンドアップ中に行われるべきだと考えているため、1 対 1 のミーティングに反対していますが、一部のチーム、特に新しいチームでは、特定のチームメンバーとの 1 対 1 の定期的なやり取りを好む傾向があります。スクラムマスターの中には、このような個別の対話がチーム開発やお互いを知るために重要であると考える人もいます。
  7. 内部コンサルティング – スクラムマスターは、スクラムチームとの連携がうまくいくように、チームメンバーや社内の関係者にコンサルティングを行うための準備しておく必要があります。
  8. レポートバーンダウンチャートとその他のポートフォリオ計画ツールを定期的に分析して、何がどのようなタイミングで構築されるのかを把握します。
  9. ブロッカー – スクラムマスターは、外部のブロッカーを排除し、プロセスやワークフローの改善を通じて内部の障害を管理することにより、チームをサポートします。
  10. ハードワーク – スクラムチームに活気がないとすれば、スクラムマスターの問題です。もしかすると、壊れたコンピューターの修理、机の移動、サーモスタットの調整が必要かもしれません。スクラムマスターは、チームを支援するためにあらゆることを率先して行う必要があり、チームが本当に必要としているのであれば、コーヒーやスナックを運ぶことさえ厭ってはいけません。
Jira を動かす 2 つの役割

スクラムマスターは必要か?

スクラムトレーナーからは、スクラムチームにはスクラムマスターが必要だと教えられます。マスターがいないと、不十分なスクラム (「似て非なるスクラム」と言われるもの) を実行することになります。

スクラムを始める際には、機能しているスクラムを見る役割にいた人がいると大いに役立ちます。さらに、スクラムの成功例を数多く見たことがある人がいるとさらによいでしょう。そのような理由から、スクラムマスターは、フルタイムの従業員としてではなく、コンサルタントとして雇われることがほとんどです。

ただし、すべてが同じスクラムチームというのは存在しません。多くの経験豊富なチームが上述の責務をユニットとして処理し、誇りを持って楽しみながらプロセスを共同管理しています。スクラムマスターの役割はチーム内で交代で担当し、チームメンバーが順番にスタンドアップやふりかえりの進行役を務めます。

また、同じ人間が毎日同じ役割を担うのが正しいというするチームもあります。

残念なことに、スクラムマスターの役割を誤解してしまうと、既存のマネージャーがスクラムマスターを自分の役割と見なすことがよくあります。これがなぜ問題になるのかについて理解するために、スクラムマスターと、組織にあるスクラム以外の役割とを比較し、これらの権限を区別しなければならない理由を見ていきましょう。

スクラムマスターとプロダクトマネージャー

アジャイルプロジェクト管理の概要」でも述べたように、プロダクトマネージャーによる開発チームへの関与は多ければ多いほどよいとされます。関与する場合は、顧客のニーズ、つまりその製品であることの「理由」を擁護するプロダクト所有者と足並みを揃える必要があります。その関与とタスク (チームの「進め方」) の境があいまいになると、問題が生じます。良かれと思ってやったことであっても、あいまいに関与してしまうと、欠陥や引き継ぎのほか、未知の問題が見えなくなってしまうことがよくあります。スコープやプロセスを入れ替えたりすれば、スコープ、スケジュール、品質をロックさせてしまう傾向があります。そうなると、失敗となるのは目に見えています。

スクラムマスターとプロダクト所有者が、スクラムチームの 2 つの異なるニーズに対応するのは、このような理由からであり、これらのニーズは、従来のソフトウェア管理と組み合わされることがよくあります。また、小規模なチームでは、別の役割があることによるオーバーヘッドを避けがちですが、障害が発生した場合や、変更が生じた場合は、プロセス管理と製品の方向性を明確に分ける必要があります。

スクラムマスターとプロジェクトマネージャー

非技術系 (または非アジャイル) のスクラムマスターに当たるのが、プロジェクトマネージャーです。これらの役割はともに、作業を遂行する「方法」に焦点を合わせ、プロセスと進行を通じてワークフローの問題を解決します。これらの役割は両方必要なのでしょうか? おそらくその必要性はないでしょう。

従来のプロジェクトマネージャーとスクラムマスターはともに、チームの作業のサポートを担当しますが、そのアプローチは大きく異なります。プロジェクトマネージャーは、時間枠とマイルストーンを設定、追跡し、進捗状況を報告し、チームのコミュニケーションを調整します。しかし、より伝統的な管理の役割においては、制御する立場からこうした責務を遂行します。

スクラムマスターは、チームの目標達成のためのプロセスを強化、合理化するサポートを行います。理想的には管理者としてではなく、チームメンバーまたは協力者として行います。優れたスクラムチームは自己組織化されているため、トップダウン式の管理にはうまく対応できません。

これらは、スクラムチーム管理における構成のあり方の一例にすぎません。これらの役割をすべて持つ組織もあれば、役割を 1 つしか持たない、またはまったく持たない組織もあります。

スクラムマスターと大規模な組織

スクラムマスターの雇用を検討する際には、何にも増して考慮しなければならないことが 1 つあります。それは、組織がスクラムにコミットし、プロセスに投資している場合にのみスクラムマスターを雇用するという点です。上述の役割はすべて、さまざまな方法で開発チームを管理できますが、スクラムマスターはスクラムに 100% の賛同がある場合にのみ効果を発揮します。

プロセスを管理する各チームを支援するスクラムマスターがいれば、組織全体で、大きな成果を上げることができます。チームメイトとマネージャーは顧客に定期的に価値を提供すること (スクラムの主な目標) に加えて、自分のベストを尽くすことに集中できます。プロダクトマネージャーは戦略に集中でき、開発者は優れたコードを記述でき、営業担当者は契約成立を高らかに伝えます。そのような場面を想像してみてください。これこそが、効果的に機能するスクラムの姿です。

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