トピック一覧

顧客インタビューの共有は製品デザインプロセスの一部

あなたは顧客と話し大量のメモを取りました。さて次にすることは何でしょうか?

作成者:Sherif Mansour

Sherif Mansour は 20 年以上にわたってソフトウェア開発に携わっています。現在は、Atlassianの特別プロダクト マネージャーを務めています。Atlassian に長年在職して Confluence を担当し、すべての Atlassian のクラウド製品全体の問題を解決して、社内で新製品インキュベーターの設立に努めています。また、Stride、Team Calendars、Confluence Questions など、Atlassian の新製品を開発する上で重要な役割を果たしました。今日では、Atlassian の最新製品である Team Central の製品戦略を牽引しています。Sherif はシンプルな製品を作るのは難しいと考えていて、シンプルな略歴を書くことについても同様だと思っています。

無料のプロダクト ディスカバリー テンプレートを入手する

アイデアから実現まで、チームの足並みを揃えましょう。アイデアに優先順位を付け、カスタム ロードマップを作成し、すべてのステージにわたって完全な可視性を確保します。

最近では、プロダクト マネージャーは、手元にある分析ツールを使用すれば顧客フィードバックの定量的側面を非常に簡単に把握できます。その結果、製品デザイン プロセスの一部として実施する「顧客インタビュー」という定性的調査とのバランスをとることの重要性を忘れがちです。

私たちは皆、問題を解決するためにソフトウェア開発に携わっています。チームが拡大するにつれ、最大の課題は技術的なものではなくなってきます (いとも簡単に障害を克服しているようにさえ感じられます)。最大の課題は、顧客についての共通の理解を構築することです。

それができれば、すべてがうまくいきます。ロードマップの調整と優先順位付けに対する理解が得られます。構築したすべての機能が的を射たものになります。潜在的なカスタマー サポートの問題を、カスタマーが気づく前に修正できます。

評価者とのやりとりにより、評価者のニーズを先見的に理解し、評価者が抱える問題に深く共感できます。あなたの Web サイトは情報が豊富でわかりやすいものになります。簡単に言えば、よりシンプルで素晴らしい製品をデザインし、開発できるのです。

共通の理解を構築するさまざまな方法について説明してきました。(まだお読みでない場合は、まずその説明をお読みください。待っていますのでどうぞご覧ください。読み終わりましたか? では続けましょう)。次に製品要件ドキュメントの作成を開始する前に、この共通の理解を構築するために実践できるほかの手法について考えてみましょう。

アトラシアンで使用している手法の 1 つが顧客インタビューです。

顧客インタビューは、製品デザイン プロセスの啓発的な部分となる場合があります。私はこれまで、インタビュー中にこれらの「ひらめき」を感じた瞬間が何回かありました。特にあなたがチームのほかのメンバー (エンジニアリング、マーケティング、デザインなど) とインタビューを実施しており、彼らが同じ結論に到達した場合は非常に励みになります。

ロジスティクス、方法、テクニックなど、インタビューの実施方法については膨大なリソースがありますので、ここでは繰り返しません。対照的に、これらのインタビューの内容を幅広いチームに伝え、それに基づいて行動を起こすためのリソースはほとんど見つかりませんでした。

顧客インタビューのストーリーを取り上げて、問題を機会に結び付け、最終的に行動を起こすのに役立つような方法で伝えるにはどうすればよいでしょうか。

顧客インタビューピラミッド: インタビューにおけるコミュニケーションのフレームワーク

過去数年間にわたり、私たちはアトラシアンでこの作業に役立つシンプルなフレームワーク、「顧客インタビューピラミッド」を形成してきました。次のような形です:

Customer Interview Pyramid | Atlassian agile coach

アイデアはシンプルです。このピラミッドと各フェーズの意図について説明します。例を使ってこれを実行してみましょう。

現在が 2002 年であると想像してください。世界にはまだ Twitter も Facebook もありませんでした。(ため息)「いいね!」ボタンは存在しませんでした。「ツイート」(さえずり) という言葉は、子供が鳥の鳴きマネをした様子を表すぐらいにしか使用しませんでした。あなたは次の大きなこと...ソーシャルネットワークに取り組んでいます。

観察結果を書き込みたい気持ちを抑える

ラップトップでメモした箇条書きのリストを「コピーアンドペースト」し、それをチームに共有するだけで顧客インタビューを終わらせることは非常に魅力的です。それで無事終了したつもりになっていませんか?これは間違いです。誰もそのようなリストを読みたいとは思っておらず、顧客の問題や機会に対する共通の理解には全く貢献しません。では、これを回避するにはどうすればよいでしょうか。簡単なヒントを示します。

  • インタビュー時のメモをそのままチームと共有しない

  • メモを分析し、観察結果について考察し、それらをパターンに分類する時間を取る。

  • 時間をかけ、問題報告書が機能リクエストではなく、顧客の意図を説明していることを確認する。特定したパターンを振り返り、ユーザーは何をしようとしているか考える。それこそが、解決する必要のある問題です。

  • 問題と機会を結びつける - この問題を解決するにはどうすればよいか?

  • 最後に、時間をかけてチーム内でプロセスを確立し、あなたが得た情報をどのようにして共有するか決める。

顧客インタビューピラミッドをチームに実装する

このフレームワークの実装は多くの方法で行うことができます。簡単に始める方法は、このプロセスのテンプレートとなるシンプルなドキュメントを作成することです。Atlassian のプロダクト マネジメント チーム内で、このプロセスに従うのに役立つページ テンプレートを Confluence (当社のチーム コラボレーション プラットフォーム) でシンプルに作成しました。すべての知識を 1 か所に集めるため、1 つの Confluence スペースにすべての顧客インタビューをグループ化します。

顧客インタビュースペースのホームページは次のようになります。

過去のインタビューや人気のトピックのリストを簡単に見つけ、プロダクトマネージャーがこれらの対象をカバーするすべてのインタビューを参照できるよう、専用の検索をセットアップしました。

顧客インタビューテンプレートの内容

当社の顧客インタビュー テンプレートは次のようにシンプルな構造です。

背景

  • インタビューを実施した経緯。話をした相手。彼らの役割についての背景や、製品の使用方法など。ここでの目標は、あなたが話をする相手に関する事情を提供すること

会社について

  • このセクションでの目標は、読者に対し、あなたが話をする相手に関する事情をより多く提供すること。相手の会社の事業内容は何か?

見つかった問題

  • 当社では通常、インタビューで見つかったすべての問題を一覧できる目次を作成する

各問題について:

  • 一行の問題報告書を正確に作成する。ユーザーによる機能リクエストではなく、ユーザーの意図を明確に述べる

  • それが問題であると結論に導いた考察内容。 これらの見解の内容を提供するのに役立つスクリーンショット、録音または実際の例を含める

  • その問題を解決するために必要なものを提供する。チームのバックログの管理に使用している Jira Software あるいはその他のツール内における、関連エピック、タスクまたは機能リクエスト、へのリンクを記載する。ここでの大きなメリットは、次回 Jira Software タスクを開くとすぐにインタビュー内容からコンテキストを得られ、この共通の理解の構築に役立てることができるという点である

インタビュー記事の大半は、多くの短い「観察 → 問題 → 機会」という記述で構成されているはずです。このフレームワークは、経験したことを明確に説明し、インタビューを行って、その内容を実行可能な行動に変えるのに非常に役立つことがわかりました。

単に問題を観察するだけではなく、時間をかけて問題を製品の機会に結び付けるつもりであれば、顧客インタビューはすべてのプロダクトマネージャーにとって最も価値あるリソースの 1 つになります。インタビューのフィードバックをアクションにつなげるために、一貫性のある分かりやすい媒体を用いて、これらの洞察をチーム内で共有しましょう。

トピック一覧

顧客インタビューの共有は製品デザインプロセスの一部

あなたは顧客と話し大量のメモを取りました。さて次にすることは何でしょうか?

作成者:Sherif Mansour

Sherif Mansour は 20 年以上にわたってソフトウェア開発に携わっています。現在は、Atlassianの特別プロダクト マネージャーを務めています。Atlassian に長年在職して Confluence を担当し、すべての Atlassian のクラウド製品全体の問題を解決して、社内で新製品インキュベーターの設立に努めています。また、Stride、Team Calendars、Confluence Questions など、Atlassian の新製品を開発する上で重要な役割を果たしました。今日では、Atlassian の最新製品である Team Central の製品戦略を牽引しています。Sherif はシンプルな製品を作るのは難しいと考えていて、シンプルな略歴を書くことについても同様だと思っています。

無料のプロダクト ディスカバリー テンプレートを入手する

アイデアから実現まで、チームの足並みを揃えましょう。アイデアに優先順位を付け、カスタム ロードマップを作成し、すべてのステージにわたって完全な可視性を確保します。

最近では、プロダクト マネージャーは、手元にある分析ツールを使用すれば顧客フィードバックの定量的側面を非常に簡単に把握できます。その結果、製品デザイン プロセスの一部として実施する「顧客インタビュー」という定性的調査とのバランスをとることの重要性を忘れがちです。

私たちは皆、問題を解決するためにソフトウェア開発に携わっています。チームが拡大するにつれ、最大の課題は技術的なものではなくなってきます (いとも簡単に障害を克服しているようにさえ感じられます)。最大の課題は、顧客についての共通の理解を構築することです。

それができれば、すべてがうまくいきます。ロードマップの調整と優先順位付けに対する理解が得られます。構築したすべての機能が的を射たものになります。潜在的なカスタマー サポートの問題を、カスタマーが気づく前に修正できます。

評価者とのやりとりにより、評価者のニーズを先見的に理解し、評価者が抱える問題に深く共感できます。あなたの Web サイトは情報が豊富でわかりやすいものになります。簡単に言えば、よりシンプルで素晴らしい製品をデザインし、開発できるのです。

共通の理解を構築するさまざまな方法について説明してきました。(まだお読みでない場合は、まずその説明をお読みください。待っていますのでどうぞご覧ください。読み終わりましたか? では続けましょう)。次に製品要件ドキュメントの作成を開始する前に、この共通の理解を構築するために実践できるほかの手法について考えてみましょう。

アトラシアンで使用している手法の 1 つが顧客インタビューです。

顧客インタビューは、製品デザイン プロセスの啓発的な部分となる場合があります。私はこれまで、インタビュー中にこれらの「ひらめき」を感じた瞬間が何回かありました。特にあなたがチームのほかのメンバー (エンジニアリング、マーケティング、デザインなど) とインタビューを実施しており、彼らが同じ結論に到達した場合は非常に励みになります。

ロジスティクス、方法、テクニックなど、インタビューの実施方法については膨大なリソースがありますので、ここでは繰り返しません。対照的に、これらのインタビューの内容を幅広いチームに伝え、それに基づいて行動を起こすためのリソースはほとんど見つかりませんでした。

顧客インタビューのストーリーを取り上げて、問題を機会に結び付け、最終的に行動を起こすのに役立つような方法で伝えるにはどうすればよいでしょうか。

顧客インタビューピラミッド: インタビューにおけるコミュニケーションのフレームワーク

過去数年間にわたり、私たちはアトラシアンでこの作業に役立つシンプルなフレームワーク、「顧客インタビューピラミッド」を形成してきました。次のような形です:

Customer Interview Pyramid | Atlassian agile coach

アイデアはシンプルです。このピラミッドと各フェーズの意図について説明します。例を使ってこれを実行してみましょう。

現在が 2002 年であると想像してください。世界にはまだ Twitter も Facebook もありませんでした。(ため息)「いいね!」ボタンは存在しませんでした。「ツイート」(さえずり) という言葉は、子供が鳥の鳴きマネをした様子を表すぐらいにしか使用しませんでした。あなたは次の大きなこと...ソーシャルネットワークに取り組んでいます。

観察結果を書き込みたい気持ちを抑える

ラップトップでメモした箇条書きのリストを「コピーアンドペースト」し、それをチームに共有するだけで顧客インタビューを終わらせることは非常に魅力的です。それで無事終了したつもりになっていませんか?これは間違いです。誰もそのようなリストを読みたいとは思っておらず、顧客の問題や機会に対する共通の理解には全く貢献しません。では、これを回避するにはどうすればよいでしょうか。簡単なヒントを示します。

  • インタビュー時のメモをそのままチームと共有しない

  • メモを分析し、観察結果について考察し、それらをパターンに分類する時間を取る。

  • 時間をかけ、問題報告書が機能リクエストではなく、顧客の意図を説明していることを確認する。特定したパターンを振り返り、ユーザーは何をしようとしているか考える。それこそが、解決する必要のある問題です。

  • 問題と機会を結びつける - この問題を解決するにはどうすればよいか?

  • 最後に、時間をかけてチーム内でプロセスを確立し、あなたが得た情報をどのようにして共有するか決める。

顧客インタビューピラミッドをチームに実装する

このフレームワークの実装は多くの方法で行うことができます。簡単に始める方法は、このプロセスのテンプレートとなるシンプルなドキュメントを作成することです。Atlassian のプロダクト マネジメント チーム内で、このプロセスに従うのに役立つページ テンプレートを Confluence (当社のチーム コラボレーション プラットフォーム) でシンプルに作成しました。すべての知識を 1 か所に集めるため、1 つの Confluence スペースにすべての顧客インタビューをグループ化します。

顧客インタビュースペースのホームページは次のようになります。

過去のインタビューや人気のトピックのリストを簡単に見つけ、プロダクトマネージャーがこれらの対象をカバーするすべてのインタビューを参照できるよう、専用の検索をセットアップしました。

顧客インタビューテンプレートの内容

当社の顧客インタビュー テンプレートは次のようにシンプルな構造です。

背景

  • インタビューを実施した経緯。話をした相手。彼らの役割についての背景や、製品の使用方法など。ここでの目標は、あなたが話をする相手に関する事情を提供すること

会社について

  • このセクションでの目標は、読者に対し、あなたが話をする相手に関する事情をより多く提供すること。相手の会社の事業内容は何か?

見つかった問題

  • 当社では通常、インタビューで見つかったすべての問題を一覧できる目次を作成する

各問題について:

  • 一行の問題報告書を正確に作成する。ユーザーによる機能リクエストではなく、ユーザーの意図を明確に述べる

  • それが問題であると結論に導いた考察内容。 これらの見解の内容を提供するのに役立つスクリーンショット、録音または実際の例を含める

  • その問題を解決するために必要なものを提供する。チームのバックログの管理に使用している Jira Software あるいはその他のツール内における、関連エピック、タスクまたは機能リクエスト、へのリンクを記載する。ここでの大きなメリットは、次回 Jira Software タスクを開くとすぐにインタビュー内容からコンテキストを得られ、この共通の理解の構築に役立てることができるという点である

インタビュー記事の大半は、多くの短い「観察 → 問題 → 機会」という記述で構成されているはずです。このフレームワークは、経験したことを明確に説明し、インタビューを行って、その内容を実行可能な行動に変えるのに非常に役立つことがわかりました。

単に問題を観察するだけではなく、時間をかけて問題を製品の機会に結び付けるつもりであれば、顧客インタビューはすべてのプロダクトマネージャーにとって最も価値あるリソースの 1 つになります。インタビューのフィードバックをアクションにつなげるために、一貫性のある分かりやすい媒体を用いて、これらの洞察をチーム内で共有しましょう。

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