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プロジェクトのスコープ管理で多くの時間を節約する方法

時間、リソース、コストなど

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プロジェクトのスコープとは、タスク、時間、リソースなど、プロジェクトを完了するのに必要なあらゆるものです。したがって、プロジェクトのスコープ管理とは、期限を守って予算内でプロジェクトを完了できるように、これらすべてを監視して調整するプロセスです。

複雑なワークフロー


玉子を買うために食料品店に立ち寄る必要があります。

日配品売場に向かう途中で、シリアルを切らしていることを思い出します。そこで、箱を手に取ります。2 箱にします。その後、香り付きキャンドルが並んだ特設コーナーに目が留まります。これも 1 つ買いましょうか。それから、ペーパー タオルが必要であることに気付きます。

この時点で、両手いっぱいの商品を顎で押さえ込み、なんとかバランスを取る格好になってしまいました。どんなに頑張ってまとめようとしても、あちこちに転げ落ちてしまいます。

恥ずかしい思いをしながら、店頭までショッピング カートを取りに行きます。その後、玉子を求めて日配品売場に戻る途中で、さらにいくつかの商品をカートに入れます (一瞬、玉子のことを忘れていましたよね?)。

気付くと、食料品店に 5 分立ち寄るつもりが 1 時間の長い買い物になっていました。5 ドルのはずが、100 ドル近く支払うことになりました。そして、正直なところ、キャンドルはまったく不要でした。

このようなことを作業プロジェクトの場合に当てはめると、これは「スコープからの逸脱」と呼ばれます。これこそ、なぜプロジェクトのスコープを定義して管理することが事前にリストを作成するに値するかの証拠です。

ペーパー タオルや香り付きキャンドルは最初の買い物リストに含まれていなかったので、つい買ってしまうことを避けられたかもしれません。プロジェクトのスコープ管理では、あなたもそのようにできます。

プロジェクトのスコープ管理が重要である理由

買い物に行って予想外に購入してしまったり、プロジェクトが当初の要件よりも大幅に膨らんだりした経験がある方もあるでしょう。PMI (プロジェクト マネジメント協会) によると、プロジェクトの 52% が実にひどいスコープからの逸脱を経験しています。

チーム メンバー、時間、予算は無限ではありません。また、プロジェクトの要件が増え続けると、リソースが不足することになります。

プロジェクトのスコープ管理を効果的に行うと、当初の計画にできるだけ沿って進行してリソースをより効果的に管理できるため、次のような利点が得られます。

1. 現実的なタイムライン

10,600 を超えるプロジェクトに関する PwC のある調査によると、プロジェクトを 100% 成功させることができたのは、2.5% の企業のみでした。残りの企業は当初の予算や締め切り (または両方) を守れませんでした。

プロジェクトのスコープを管理することで、あなたとそのチームは当初の終了日を守れます。プロジェクトを完了するために何が必要かを正確に把握していれば、実際に守れる現実的な締め切りを設定するのがはるかに簡単になります。

食料品の買い物についてもう一度考えてみてください。(玉子以外にも) 購入する商品がたくさんあるとわかっていれば、5 分で済ませられるとは考えず、もっと時間を確保して、最初からショッピング カートを手にしたでしょう。今、その失われた時間を補うために、あなたの 1 日の残りの時間を調整する必要があります。

2. 正確な予算

プロジェクトの要件と成果物が絶えず変化して進化し続けている場合、そのプロジェクトにかかる費用を理解するのは困難です。

スコープを定義することで、最初に妥当な予算を設定できます。その後、チームの進捗に応じてスコープをモニタリングすることで、その数字を守れます。

3. 効率的なプロジェクト

このような経験はどなたにもあるでしょう。チームやクライアントから新しい機能、調整、追加のリクエストが届き続けるため、プロジェクトへの対応に終わりが見えません。スコープは拡大し続けて、プロジェクトはいつまでも長引きます。

頼まれたことを引き受けることは気分がいいですが、プロジェクト チームは、最初の計画からどれだけ遠ざかったかに気付かずにリクエストに応え続けてしまいがちです。

プロジェクト スコープを定義して管理することで、チームは要件を雪だるま式に増やし続けるのではなく、元の要件に従ってプロジェクトを効率的に達成できます。

簡単に言うと、スコープ (および作成するプロジェクト スコープ ステートメント) は、プロジェクトの試金石の役割を果たします。プロジェクト マネージャーとチームは適宜ここに立ち戻り、プロジェクト関連の意思決定の指針として使用できます。

プロジェクト スコープを定義するステップ

未来は予測できないため、プロジェクトのスコープの定義は難しく思えます。プロジェクトで生じるすべての物事を、初日に知ることなどできるでしょうか?

基本的なプロジェクト スコープ ステートメントを作成するためのステップを、順を追って見ていきましょう。

あなたはマーケティング代理店で働いており、すべての新規クライアントの情報を収集するために、あなたとそのチームはテンプレート化されたアンケートを作成しようとしているとします。この場合、スコープを定義する方法は次のとおりです。

1. プロジェクトの目標を定義する

すべてのプロジェクトには目標があります。それが、最初に目標を定義する理由です。

ここでの最終目的は、チームの全員が同じ情報を共有することだとは考えないでください。目標の定義 (つまり、このプロジェクトで何を達成するのか) は、重要なコンテキストを示すものです。

このプロジェクトの例では、目標は新規クライアントからの情報収集を合理化する、新規クライアント向けアンケートを作成して、必要なクライアント情報すべてが最初から揃っているようにすることです。

最初に目標を定めておくと、プロジェクトの主要な目標を常に気にかけて、その目標を念頭に置いて意思決定できるため、それ以降のステップを容易に進められるようになります。

2. プロジェクトの成果物を定義する

次は、プロジェクトの成果を決定します。作成する具体的な物は何ですか? この場合は、新規クライアントに契約の締結後に自動的に送られるオンライン アンケートと、詳細情報を参照するためのランディング ページです。

成果物を特定することで、スコープからの逸脱が密かに始まったときに見つけられます。

クライアントがファイル資料を送信できるオンライン ポータルがあったらいいとあなたのチームと話し始めたら、オンライン ポータルはこのプロジェクトの成果物ではないと思い出せます。オンライン ポータルの作成には、このプロジェクトが完結して適切に作成するための専用のリソースと脳の容量が空いてから、改めて取り組んだほうがよいでしょう。

3. プロジェクトのタスクとアクティビティを定義する

何をなぜ作成するのかは分かりました。次は、どのようにそれを達成するのかを話し合いましょう。

このステップでは、成果物を個別のタスクとアクティビティに分割します。その成果物を生成するために必要なステップは何ですか? これを作業分解構造図と呼びます。

新規クライアント用のアンケートを作成するには、次の手順を実行する必要があります。

  • アンケートの内容を決定して、草案を作成する
  • アンケートをオンライン フォームに入力する
  • クライアントがアクセスしてアンケートについて参照できるランディング ページを作成する
  • アンケートを配信する自動メールを設定する

プロジェクトを個別の実行可能なステップにより細かく分割するほど、元の計画には含まれていなかった、場当たり的なリクエストやタスクを特定しやすくなります。

さらに、このアプローチを使用すれば、巨大で複雑なプロジェクトが、はるかに対処しやすいものに感じられるようになります。

4. プロジェクトの除外事項を定義する

スコープを管理する際には、何をしないのかを理解することは何をするのかを理解することと同じくらい重要です。考えてみてください。買い物リストに「香り付きのキャンドルを買わないこと!」と書いておけば、あのいい香りの瓶に引き寄せられる可能性ははるかに低くなっていたでしょう。なぜならあなたは、キャンドルのことになると自分がどうなるか分かっているからです。

直感に反するように思えますが、このプロジェクトの中で完了しないタスクと成果物を挙げます。このアンケート プロジェクトでは、次のことには取り組まないことを書き出します。

  • クライアントがリソースとファイルを送信できるオンライン ポータル
  • 複数ステップでオンボーディングするための一連のメール
  • クライアントのタイプに合わせてカスタマイズされたアンケート

攻撃は最大の防御という言葉を聞いたことがあるでしょう。それがこのステップの本質です。無計画に追加されて目標から逸脱する原因となりそうなスコープ外の物事に、「注意!」の標識を付けるようなものです。

5. プロジェクトの制約を定義する

このプロジェクトはおとぎの国で実行しているのではありません。対処が必要な現実世界のプロジェクトの制約 (予算、タイムライン、リソース) があります。このステップでは、それらを定義します。

クライアント向けアンケートの制約には、次のようなものがあります。

  • 2020 年 11 月 25 日までに公開する必要がある
  • プロジェクトの合計予算は 5,300 ドル以下である
  • Web 開発チームは 10 月末までランディング ページの作成に取り掛かれない

できる限り現実的になる必要があるため、このプロセスには必ずチーム メンバーに参加してもらってください。メンバーから、対処が必要な他の制約についての意見を得られます。

プロジェクト スコープ ステートメントと例

必要なことを書き出して、あなたとそのチームが参照できるプロジェクト スコープ ステートメントにそのすべてを組み入れる準備ができました。ステートメントは、全員がアクセスできる安全な場所に保管してください (Confluence のような、コラボレーティブなナレッジ共有ワークスペースが最適です)。

大変な作業のほとんどは終わりました、あとは情報を整理するだけです。プロジェクト スコープ ステートメントの冒頭には、次のようなプロジェクトの根本となる要素を記載します。

  • 名前
  • 説明
  • 締め切り
  • マネージャー

サンプル プロジェクトのプロジェクト スコープ ステートメントは、最終的に次のようになります。

プロジェクト スコープ ステートメント

プロジェクト名:

新規クライアント向けアンケート

説明:

署名済みの契約を確保した後で、すべての新規クライアントに自動的に送られるアンケート

締め切り:

2020 年 11 月 25 日

マネージャー:

イザベル

目標:

新規クライアントからの情報収集を合理化して、必要なクライアント情報すべてが最初から揃っているようにするための新規クライアント向けアンケートを作成する

成果物:

新規クライアントに自動的に送られるオンライン アンケート

タスク: (スコープ内項目)

  • アンケートの内容を決定して、草案を作成する
  • アンケートをオンライン フォームに入力する
  • クライアントがアクセスしてアンケートについて参照できるランディング ページを作成する
  • アンケートを配信する自動メールを設定する

スコープ外項目:

  • クライアントがリソースとファイルを送信できるオンライン ポータル
  • 複数ステップでオンボーディングするための一連のメール
  • クライアントのタイプに合わせてカスタマイズされたアンケート

制約:

  • 2020 年 11 月 25 日までに公開する必要がある
  • プロジェクトの合計予算は 5,300 ドル以下である
  • Web 開発チームは 10 月末までランディング ページの作成に取り掛かれない

もっと簡単にするために、プロジェクト計画テンプレートには、プロジェクト スコープ専用のセクションに加えて、プロジェクトを円滑に実施するのに役立つ各種セクション (マイルストーンや参考資料) が用意されています。

目標に集中するためのプロジェクト スコープ ステートメントの使用

食料品店での買い物でも職場でのタスクでも、プロジェクトが最初に想定した内容を超えて膨らむことはよくご存じでしょう。プロジェクト スコープを定義することで、あなたとそのチームがそのようにならないように監視できます。

最後に、スコープの定義と管理に関する簡単なヒントをあといくつか紹介します。

  • できる限り具体的にする: 曖昧にしておくと、スコープに含まれる内容とそうでないものがわかり辛くなります。
  • チームと話し合う: 自分 1 人で行う必要はありません。チームを関与させることで、プロジェクト スコープが現実に即したものとなり、抜けや予期せぬ障害を発見するための別の視点が得られます。キャパシティ計画テンプレートを使用して、チーム メンバーの空き状況を把握して仕事量が多くなりすぎないようにします。
  • 逆から考える: 締め切りまたは予算ありきでそれに合ったスコープを定義しがちです。最も成功するプロジェクトでは、まず目標と成果物を定義してから、それに基づいてタイムラインと予算を決めます。
  • 以前のプロジェクトから学ぶ: 歴史は最高の教師です。過去のプロジェクトにおける問題と成功から多くを学べます。最も多くの知見を収集するために、すべてのプロジェクトについて必ず振り返りを行います。

これらのヒントと前述のステップをガイドとして使用すれば、行う必要があることにのみ集中して、プロジェクトの成功をより効率的に達成できます。心配しなくても、シリアルとペーパー タオルなら次回に手に入れられます。

スコープからの逸脱を防ぐには、チームの全員がスコープに含まれているもの (と含まれていないもの) を確認できる必要があります。プロジェクト スコープ ステートメントを Confluence 内に保管して、全員がすぐに参照できるようにしてください。

以下も参照してください

キャパシティ計画テンプレート

見積もりや優先度決定からあて推量を排除します。

プロジェクト計画テンプレート

次のプロジェクトに向けたマイルストーンの定義、スコープ、計画を設定します。

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Project execution