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Jira Software の Advanced Roadmaps ガイド

Advanced Roadmaps とは?

Jira Software 用の Advanced Roadmaps を利用すると、複数のチームやプロジェクト全体で作業を戦略的に計画して追跡できます。これは大規模環境のチームをサポートするために設計されており、ユーザーは現在と将来のイニシアチブの健全性を確認するための信頼できる唯一の情報源を利用して、キャパシティに基づいて計画を作成したり、依存関係を追跡したり、競合する優先事項を管理したり、代替シナリオを検討したりできます。

Advanced Roadmaps では Jira Software のボード、プロジェクト、フィルターを使用して、カスタマイズ可能なインターフェイスでデータを視覚化します。サンドボックス環境として機能するため、計画や実験を行ってから Jira Software の元データを更新できます。1 回のクリックで、プランの重要なパスを確立し、さまざまな他のオプションを調べ、Jira Software インターフェイスを更新できます。

このガイドでは、最初のプランの作成方法やシームレスな計画エクスペリエンスのベスト プラクティスなど、Advanced Roadmaps の主要な概念について説明します。

Advanced Roadmaps は、Jira Software PremiumJira Software Enterprise で利用できます。


Advanced Roadmaps のプランとは

プランは、組織の目標を示してチームがマイルストーンと主要な成果を達成するための道筋を伝達する、信頼できる共有の情報源です。Advanced Roadmaps では、プランは複数のプロジェクトにわたって作業している複数のチームのロードマップを組み合わせて、それらを組織全体のイニシアチブに繋げます。

プランを使用するメリットは、プランが全体像を確立していることや、チームの作業が他のチームの作業とどのように関連するかを示していることです。プランは各チームが広範な組織の目標にどのように貢献しているかを視覚化します。

Advanced Roadmaps のプランとは

Advanced Roadmaps を始める最も簡単な方法は、サンプル プランを作成することです。これにより、ダミー データを使用して計画が生成されるので、完全な計画がどのようなものかをすぐに把握し、リスクのない方法でその機能を調べられます。

Advanced Roadmaps のプランとは

チームのプロセスをサポートする独自の計画を構築すれば、その構造を拡張することは簡単です。Advanced Roadmaps で作成された計画は、数回クリックするだけで複製できます。コピーには、オリジナルと同じ課題や設定が含まれています。これにより、類似のユースケースのサポートから組織全体のアジャイル計画のベスト プラクティスの標準化まで、複数のアプリで既存の計画を再利用できます。

スクリーンショット: 重複プランのオプション。

Advanced Roadmaps の課題ソースとは

課題ソースは、プランを作成するために Jira Software で使用するデータを決定します。課題ソースは完了すべき作業と解決しようとしている問題を示します。最初にプラン作成時に課題ソースを選択して、いつでも調整できます。

Advanced Roadmaps の課題ソース

Advanced Roadmaps には、次の 3 つのタイプの課題ソースがあります。

  • ボード (スクラムまたはカンバン) — チームの作業量と作業の進捗を追跡するチームに関連する課題。ボードはスクラムまたはカンバンに分類できます。スクラム ボードはスプリントまたはイテレーションで作業を計画するチームに適しており、カンバン ボードは継続的な作業フローを行うチームに適しています。
  • プロジェクト — 製品や機能など、特定の目的または成果物によって定義される課題。
  • フィルター — Jira Software のクエリ、いわゆる JQL (Jira クエリ言語) によって定義される課題。

Advanced Roadmaps のプランをより詳細に設定するには、プラン設定の詳細をご確認ください。


Advanced Roadmaps の階層とは

Advanced Roadmaps は Jira Software と同じ課題階層を使っていますが、カスタマイズしてエピック レベルを超える大きな目標に合わせて拡張することができます。たとえば、複数のチームにまたがる複数のプロジェクトや共同の取り組みを含むプログラムを表すイニシアチブ階層レベルを作成できます。エピック レベルより上にあるイニシアチブは、エピックのコンテナーとして使用できます。

  • エピック — 複数の作業を集めたもので、ストーリー、タスク、バグに分割できます。プランでは、エピックとは重要なマイルストーンや成果物を表します。エピックに含まれる作業は、複数のチーム全体に割り当てられます。
  • ストーリー、タスク、またはバグ — ストーリーとタスクは、完了する必要がある作業を表す課題です。バグは、作業の進捗または機能を妨げる問題です。これらの課題タイプは、特定のチームに割り当てられます。
  • サブタスク — ストーリー、タスク、またはバグの完了に必要となる詳細な個々の作業です。Advanced Roadmaps では、サブタスクにチームを割り当てられません (親課題に割り当てられたチームが継承されます)。
Advanced Roadmaps の階層

Advanced Roadmaps におけるチームとは

チームは、プランの課題ソースに関連付けられるため、プラン内で直接作業を管理できます。チームでは、チームに基づいて作業をグループ化してフィルタリングし、キャパシティに応じて作業の割り当てを管理できます。

チームの調整は、通常、作業の構造に応じて、プロジェクト マネージャーまたはプログラム マネージャーが主導します。目標の優先順位付けと不可欠な道筋を決定することによって、マネージャーは部門横断型のプランの推進者と意思決定者となります。チーム リーダーとドメイン リーダーは、キャパシティを管理して関連するチームに作業を割り当て、プランに貢献します。

Advanced Roadmaps のチーム

Advanced Roadmaps のキャパシティとは

キャパシティは、特定の期間にチームが実行する作業単位を示します。特定の期間内にチームが作業を完了できるかどうかを予測するのに利用でき、重要な決断を下す際のリスクの評価に非常に役立ちます。

キャパシティは、チーム リーダーやドメイン リーダーによってプランに追加されます。リーダーはチームの可用性、リソースの割り当て、他のプロジェクトの優先順位を定期的に評価しています。

キャパシティの測定は、スクラム チームとカンバン チームで異なります。どちらのタイプのチームも時間 (日数または時間) でキャパシティを測定できますが、スクラム チームはストーリー ポイント (必要な労力の相対的な見積もり) も利用できます。その理由は、スクラム チームが区切られた期間のイテレーション (スプリント) 内で作業して、カンバン チームは継続的な作業フローを通して進行するためです。

Advanced Roadmaps のキャパシティ計画は、スクラム チームとカンバン チームの両方でご利用いただけます。ただし、スプリント計画は、課題ソースとしてスクラム ボードを利用するチーム専用です。スプリント計画の機能を利用すると、各スプリント、プロジェクト リリース日、またはチームのキャパシティに基づいたマイルストーンに対して作業を割り当てられます。また、スプリントが過密になっている場合 (割り当て済みの作業がチームのキャパシティを超える場合) も表示されます。

スクリーンショット: Advanced Roadmaps のキャパシティ。

Advanced Roadmaps における依存関係とは

依存関係は、不測の事態やブロッカーなど、プラン内にある課題間の関連性を示します。プロジェクト マネージャーやプログラム マネージャーがロードマップの重要な経路を決定する際に、依存関係を視覚化して把握することは不可欠です。依存関係が完全にマッピングされると、チームは適応して代替経路を計画できます。

依存関係には、依存元と依存先があります。依存関係により、課題が他の課題をブロックまたはブロックされたタイミング、および優先すべき課題が分かり、確実に作業が進行するようにします。プランのビュー設定で、依存関係をバッジまたは線として表示できます。

スクリーンショット: Advanced Roadmaps の依存関係

また、[依存関係レポート] タブで依存関係を表示して、プラン内の課題間の関連性を視覚化することができます。

スクリーンショット: 依存関係レポート

Advanced Roadmaps のシナリオとは

Advanced Roadmaps は Jira Software データのサンドボックス環境として機能するため、シナリオを使用してマイルストーンまたはプロジェクトの完了までの代替経路を探索できます。さまざまなシナリオを使用して計画することで、最小限の影響で計画できるようにします。最善のケースを考慮しながら最悪のケースのための計画も用意して、他のあらゆるケースに対しても準備を整えられます。

Advanced Roadmaps のシナリオ

Advanced Roadmaps の保存済みビューとは

保存済みビューでは、さまざまな対象者に合わせてプランを調整できます。これは特に、大規模な部門横断型のプロジェクトに役立ちます。そのようなプロジェクトでは、関係者によって関心やニーズが異なります。フィルターとビュー設定により、プランのさまざまな側面を強調するカスタム ビューを作成し、保存していつでも簡単にアクセスできます。たとえば、特定の課題レベルや 1 つのチームの作業のみを表示するビューを作成できます。

スクリーンショット: Advanced Roadmaps の基本的な保存済みビュー

Advanced Roadmaps の共有オプションとは

プランは共有されるために作られています。最新の進捗状況を伝え、プロジェクトやチームが目標に向かってどのように進んでいるかをすべての関係者に知らせましょう。どのプランのビューも、直接リンクとして共有したり、Confluence ページに埋め込んだりしてライブ ビューを表示したり、CSV ファイルまたは PNG 画像としてエクスポートして静的ビューを表示したりできます。

Advanced Roadmaps の共有オプション

Advanced Roadmaps におけるリリースとは

リリースはプラン内のマイルストーンで、作業を完了する必要がある時点を示します。作業の構造に応じて、リリースでは出荷可能な大量の作業、顧客へのリリース、またはプログラム インクリメントを表示できます。

プラン内のプロジェクトに関連する今後のリリースは、Advanced Roadmaps の [リリース] タブに自動的に表示されます。特定のリリース (とその課題) をプランから除外するには、プランの作成時に除外ルールを追加します。

Advanced Roadmaps のリリース

Advanced Roadmaps では、単一プロジェクトとプロジェクト横断型の 2 種類のリリースを使用します。単一プロジェクト リリースは 1 つのプロジェクトに関連付けられていて、プロジェクト間のリリースは複数のプロジェクトの日付を揃えます。どちらのリリース タイプも [リリース] タブで作成および編集できますが、プロジェクト横断型リリースは Advanced Roadmaps でのみ使用され、Jira の課題に保存できません。

スクリーンショット: Advanced Roadmaps のリリース