Jira ボードの導入
Jira ボードとは
アジャイルがプロジェクト管理とソフトウェア開発への反復的なアプローチだとしたら、アジャイル ボードはチームがその作業を計画、視覚化、管理するのに役立つツールです。Jira では、選択した課題がボードの列に表示されます。各列は、チームが作業を完了するまでのワークフローのステップを表します。Jira の各プロジェクトには既定でボードが付属しており、まだ開始されていない作業、進行中の作業、完了した作業をすべて含む共通ビューをチームに提供します。
ボードは、サイドバーのナビゲーションの [ボード] の下にあります。
ボードと Jira プロジェクトの違い
Jira プロジェクトは、特定の目標を達成するために完了する必要のあるすべての課題をまとめています。一方、Jira ボードは、作成から完了に至るまでの課題を管理するために使用されるツールです。
ボードはチームのユニークな作業の仕方に応じてさまざまな方法で使用できる柔軟なツールです。次に例を示します。
スクラムを実践しているチームは、ボードを使って、チームがスプリント、つまり一定期間内に完了させることを約束した優先課題を表示します。優先課題以外の課題は、バックログにあります。
カンバンを実践しているチームは、ボードをすべての課題の作業管理ツールとして使用します。各課題は、作成から完了までボードの列を移動します。
大規模なプロジェクトや複数のワークストリームを持つチームは、複数のボードやプロジェクト横断型なボードを使用して、さまざまなタイプの作業をより簡単に追跡および管理できます。
Jira で利用できるボードのタイプ
Jira は、チームがアジャイル方法論の実践と作業の追跡を簡単に始められるようにする独自の機能を備えた 2 つのボードを提供しています。これらのボードは事前設定されており、Jira テンプレートですぐに使えます。
スクラム ボード — このボードは、スプリント (チームが一定量の作業を完了するために作業する一定の期間) で作業するチームに最適です。
カンバン ボード — このボードは、作業の流れを管理することを主な目的とするチームに最適です。
これらのボードは似ていますが、スクラム ボードとカンバン ボードはプラクティスや主要な機能セットが異なります。
スクラム
理念
経験を通して学び、成功した点と失敗した点を振り返り、改善する
期間
定期的な、決まった長さのスプリント (2 週間など)
機能の選択
インサイト — インサイトを活用してスプリント計画を最適化し、毎日のスタンドアップをより有意義なものにし、デリバリーのベロシティを向上させることができます。
バックログ – バックログには、プロジェクトでチームが行う可能性があるすべての作業項目が格納されています。
スプリント – スプリントとは、スクラム チームが一定量の作業を完了させる際の、短く区切られた期間を指します。スプリントを作成し、その目標を定義し、チームがスプリント中に完了する予定のすべての課題をバックログから追加します。
カンバン
理念
ビジュアルを使ってキャパシティをよりよく理解し、進行中の作業を改善する
期間
継続的なフロー
機能の選択
列 — 各列はワークフローを構成するステップを表します。チーム独自のワークフローを反映するように列を構成します。
進行中の作業 (WIP) の制限 — 各時点で 1 列に配置できるカードの最大数を制限できます。これにより、チームはデリバリー パイプラインのボトルネックや非効率性を簡単に特定できます。
複数ボードとプロジェクト横断型ボードとは
注意: 複数ボードとプロジェクト横断型ボードは、企業管理対象プロジェクトでのみ利用できます。
複数ボード
Jira では、単一の企業管理対象プロジェクト内で複数のボードを作成できます。各ボードには、特定の基準を満たす課題のみが表示されます。複数のボードを使用する理由はさまざまですが、一般的なユース ケースがいくつかあります。
- 単一のプロジェクト内にさまざまなワークストリームがある。それらのワークストリームごとに複数のボードを用意することで、チームが自分の作業を追跡し管理しやすくなります。
- 複数のチームが単一のプロジェクトに取り組んでいる。 各チームには独自のワークフローがあり 、異なるボード構成が必要な場合があります。複数のボードを持つことで、どのように作業するかを各チームが自主的に決められます。
- さまざまな関係者が関与する時間のかかるプロセス。長いワークフローのさまざまな部分に対応するボードを作成できるので、プロセスのさまざまな段階を管理しやすくなります。
プロジェクト横断ボード
Jira では、複数のプロジェクトから課題を引き出すプロジェクト横断型ボードを作成できます。プロジェクト横断型ボードを使用する理由はさまざまですが、一般的なユース ケースがいくつかあります。
- エグゼクティブ リーダーの要約ビュー。組織には複数のチームやプロジェクトがある場合があります。プロジェクト横断ボードを作成して、すべてのチームとプロジェクトに概要や優先順位付けを提供し、タスクを追跡できるようにします。
- チームが複数のプロジェクトをサポートして作業している。たとえば、開発チームが複数のプロジェクトに影響を及ぼすソフトウェアをデプロイしている場合です。プロジェクト横断型ボードがあれば、開発チームはすべての作業を追跡し管理しやすくなります。
- セキュリティ上の理由。次のシナリオを考えてみましょう。Jira を使ってクライアントの作業をすべて管理しているコンサルティング チームが、透明性を高めるためにクライアントに Jira アクセスを提供したいと考えています。チームは単一のプロジェクトでクライアントのすべての作業を管理することもできますが、各クライアントに特定の権限を付与したプロジェクト横断型ボードを作成すれば、情報セキュリティを確保できます。
Jira ボードのスイムレーンとは
スイムレーンは、カンバン ボードやスクラム ボードのアクティブなスプリントの課題を水平方向に分類します。スイムレーンを使用すると、ワークストリームやユーザー、アプリケーション範囲などの異なるカテゴリのタスクを整理して表示できます。