ユーザーと権限
ユーザーとグループとは
Jira では、ユーザーとは Jira インスタンスにログインできる個人で、Jira ライセンスにカウントされます。グループとは、同じグローバル権限を共有するユーザーの集まりです。グループを使用すると、組織内の複数のユーザーが同じ権限や制限を必要とする場合に、ユーザーの集まりを簡単かつ便利に管理できます。
Jira を初めてインストールすると、jira-administrators と jira-software-users という 2 つのグループが自動的に作成されます。追加のグループは、Jira 管理者が作成できます。
jira-administrators
通常、Jira システム管理者であるユーザーが含まれています。既定では、このグループは次のとおりです。
- 「管理者」スペース ロールのメンバーである。
- Jira 管理者および Jira システム管理者のグローバル権限を持っている。
jira-users
通常、システム内のすべての Jira ユーザーが含まれています。既定では、このグループは次のとおりです。
- 「ユーザー」 スペース ロールのメンバーである。
- 「Jira ユーザー」および「一括変更」グローバル権限を持っている。
権限と権限スキームとは
権限は、ユーザーが Jira 内で表示および実行できる内容を制御する設定です。たとえば、一部の権限は、ユーザーが新しいスペースを作成できるかどうか、ユーザーが作業項目に関する特定の種類のコメントを参照できるかどうかを決定します。
権限スキームとは、スペースごとにグループ、スペース ロール、ユーザーに付与されるさまざまな権限の組み合わせです。アクセス権に関して、組織内の複数のスペースが同じニーズを持っている例は数多くあります。たとえば、指定されたスペース チームにだけ作業項目を割り当て、作業を行うことを許可するといった場合です。
どのスペースにも権限スキームがあります。1 つの権限スキームを複数のスペースに関連づけることができます。権限スキームはスペースからスペースへとコピーされるので、スペースごとに個別に権限を設定する必要がありません。
権限の種類
Jira アプリケーションには、グローバル権限、スペース権限、作業項目権限の 3 種類の権限があります。
- グローバル権限はシステム全体に適用され、ユーザーのグループに付与されます。
- スペース権限は権限スキーム内に作成し、その権限スキームを特定のスペースに割り当てます。
- 作業項目権限は権限スキーム内に作成し、その権限スキームを特定のスペースに割り当てます。
グローバル権限
グローバル権限とは、ユーザーがシステム全体で何をできるかを決定します。たとえば、ユーザーがアプリケーション内で他のユーザーを表示できるかどうかです。これらは個々のスペースではなく、アプリケーション全体に適用されます。グローバル権限はユーザーのグループに付与され、Jira システム管理者権限を持つユーザーまたは Jira 管理者アクセス権を持つグループのユーザーが設定できます。
グローバル権限の例としては、次のものがあります。
Jira システム管理者 (Server のみ)
すべての Jira 管理機能を実行する権限。
Jira 管理者
ほとんどの Jira 管理機能を実行する権限。
Jira ユーザー
Jira にログインする権限。
ユーザー参照
Jira のすべてのユーザー名とグループ名の一覧を表示する権限。ポップアップ画面でユーザーやグループを選択するために使用されます。「ユーザー ピッカー」メニューおよびポップアップで、ユーザー名のオート コンプリートが有効になります。
一括変更の実行
複数の作業項目を一度に変更します。操作の例:
- 一括編集
- 一括移動
- ワークフローの一括トランジション
- 一括削除
注意:Jira システム管理者権限を持っているユーザーは Jira ですべての管理機能を実行できますが、Jira 管理者権限を持っているユーザーはアプリケーション環境やネットワークに影響を及ぼす可能性のある機能を実行できません。
スペース権限
スペース権限とは、ユーザーがスペースで実行できることを指します。スペース権限はまず権限スキーム内に作成し、その権限スキームを特定のスペースに割り当てます。
注意: スペース管理者はスペースの権限スキームをカスタマイズできません。これらの権限は、Jira システム管理者権限を持つユーザー、または管理者アクセス権を持つグループのユーザーが設定できます。
スペース権限の例:
スペースの管理
Jira のスペースを管理する権限。これには、スペース ロール メンバーシップ、スペース コンポーネント、スペース バージョン、および一部のスペースの詳細 (「スペース名」、「URL」、「スペース リード」、「スペース説明」) 編集機能が含まれます。
スペースの参照
スペースを参照したり、作業項目ナビゲーターを使用したり、個々の作業項目を表示したりする権限。他の多くの権限がこの権限に依存しています。たとえば、「作業項目での作業」権限は、「スペースの参照」権限も持っているユーザーのみ有効です。
スプリントの管理
ボードのすべてのスペースで次のスプリント関連アクションを実行する権限。
ワークフローの表示
作業項目を表示しているときに、スペースの「読み取り専用」ワークフローを表示する権限。
作業項目に関する権限
作業項目権限とは、スペースの権限の範囲内でユーザーが作業項目に対してできることを指します。作業項目の権限をまとめて、セキュリティ スキームを作成します。これらの権限は、Jira システム管理者権限を持つユーザー、管理者アクセス権を持つグループのユーザー、またはスペース管理者が設定できます。
作業項目権限の例:
作業項目の割り当て
作業項目をユーザーに割り当てる権限。作業項目の割り当てドロップダウンでのユーザーのオートコンプリートも可能です。
割り当て可能なユーザー
作業項目を割り当てられる権限。(これには作業項目を割り当てる権限は含まれていない点にご注意ください。前述の作業項目の割り当て権限を参照)。
作業項目をクローズ
作業項目をクローズする権限。
作業項目を作成
スペース内で作業項目を作成する権限。
作業項目を削除
作業項目を削除する権限。
作業項目を編集
作業項目を編集する権限 ([期限] フィールドを除く。作業項目のスケジュール作成権限を参照)。
作業項目をリンク
作業項目同士をリンクする権限。
スペース ロールとは
スペース ロールは、ユーザーやグループを特定の機能やスペースに関連付けるための柔軟な仕組みです。グループと似ていますが、主な相違点は、グループのメンバーシップがグローバルで適用されることに対して、スペース ロールのメンバーシップはスペース固有であることです。また、グループ メンバーシップは Jira 管理者のみが変更できますが、スペース ロール メンバーシップは、スペース管理者が変更できます。スペース ロールは、Jira 管理者が組織のニーズに応じて作成、編集、削除できます。
ユーザーにスペース ロールを割り当て、これらのロールを権限スキームで使用することで、ユーザーに権限を割り当てます。これらのスキームはその後、複数のスペースで権限管理に利用されます。
1 つのロールを複数のユーザーに割り当てることができますが、同様に、1 人のユーザーに複数のロールを割り当てることもできます。
次のユース ケースを考えてみましょう。皆さんの組織では、ソフトウェア開発に関する作業項目をクローズする前に品質保証担当者がテストすることを義務付けています。
- 品質保証という名前のスペース ロールを作成します。
- ソフトウェア開発という名前の権限スキームを作成し、品質保証スペース ロールに「作業項目のクローズ」権限を割り当てます。つまり、QA チームの誰かが作業項目を検査し、デプロイの準備が整っていると判断する必要があります。
- ソフトウェア開発権限スキームを、すべてのソフトウェア開発スペースに関連付けます。
- 各ソフトウェア開発スペースについて、適切な品質保証担当者を品質保証スペース ロールに追加します。
Jira には、管理者、開発者、ユーザーという 3 つの既定のスペース ロールがあります。
管理者
これらのユーザーは、Jira アプリケーションの特定のスペースを管理します。新しいユーザーやグループを追加したり、コンポーネントやバージョンを管理したりすることができます。スペース管理者とは、そのスペースの「スペース管理」権限を持つユーザーです。しかし、「Jira 管理者」グローバル権限を持つ必要はありません。
開発者
これらのユーザーは、特定のスペースの作業項目に取り組みます。作業項目の担当者になることができ、それらの作業項目を編集したり、作業を記録したりすることができます。
ユーザー
これらのユーザーは、特定のスペースで作業項目を作成します。自分が提起した作業項目を閲覧したりコメントしたりすることができます。