
スタッフ
4 ~ 8 人

準備時間
15 分

所要時間
90 分

難易度
高
プレイの実施
マッピングするカスタマージャーニーの過程にあるタッチポイントの数に応じて、ジャーニーをいくつかのステージに分けてもいいでしょう。ペアで各ステージに取り組みます。
準備
マップのスコープを定義する (15 分)
理想的には、カスタマー ジャーニー マッピングでは 1 人のペルソナ、1 つのシナリオで、1 つの目標を設定したエクスペリエンスに焦点を絞ります。そうしないと、ジャーニー マップが一般的になりすぎて、新しいインサイトを得たり、疑問を抱いたりする機会を逃す恐れがあります。
スコープについて合意に達したら、招待リストを再確認して、顧客が製品やサービスを使用するときのエクスペリエンスを熟知している担当者を集めてください。
ステップ 1
準備する (5 分)
グループの全員がユーザーのペルソナとジャーニーを推進する目標について理解していることが非常に重要です。ターゲットとなるペルソナおよびセッションで扱うジャーニーのスコープについて、グループで決定または再確認します。
例: 「今回は Alana のペルソナに焦点を当てます。Alana の役割はプロジェクトマネージャーで、目標は彼女のチームが知識を共有するための拡張可能な方法を見つけて、メールで説明する時間を減らすことです。Alana が [TRY (トライアル)] ボタンをクリックしたところから、購入を決めるところまで、この目的に照らして Confluence をどう評価するかをマッピングします。
ステップ 2
カスタマーのバックストーリーを組み立てる (10 分)
グループで付箋紙を使って、ターゲットとなるペルソナがこのジャーニーをたどる理由を挙げてもらいます。大まかな目標に始まり、課題、求めているフィーチャーやサービスなど、幅広い回答が得られるはずです。類似するアイデアをまとめて、付箋紙を整理し、そこからストーリーを描きます。
このセクションのコールアウトに示されているサンプルをご覧ください。このバックストーリーは課題から始まります。Alana さんがなによりも Confluence のような製品を必要としている理由です。
- 例:「彼女のチームの知識はサイロ化されている」
基本的には、次に、要件のリストを挙げます。Alana が根本的な課題を解決するために製品に求めるものは何でしょうか? このリストはグループがカスタマージャーニーをマッピングするときに参照する概念的な買い物リストのようなものです。
- 例: 「体系化する」
次に成果、つまり Alana が製品を使って達成したい目標を挙げます。
- 例: 「不要なメールや問い合わせによってチームの気を散らすことなく、作業に集中できるようにする」
最後は、Alana と彼女のチームの最大の目標です。
- 例: 「チームの効率を高める」
ここまでに作成したバックストーリー全般について意見を発表してもらい、顧客の主な目標を明確にして、完成させます。この手順を行うことで、ジャーニーマッピングを伝えるための共通認識を確立して、チームが (各自の視点ではなく) ペルソナの視点でマッピングを作成できる可能性が高まります。
- 例: 「Alana と彼女のチームは、チームメンバー間および関係者に業務について説明する時間がかかりすぎることに悩んでいます。手持ちの仕事にもっと集中できるように、知識を共有して整理することで、チーム以外の人がその知識を入手しやすくする方法を求めています。」

サンプル
Confluence チームが作成したバックストーリーをご紹介します。
ステップ 3
カスタマーの思考や感情をマッピングする (30 分)
ターゲットとなるペルソナ、バックストーリー、目標が決まったら、その立場に立って考えてみましょう。ペルソナが最初に行うことを付箋紙に書いて、どのように進めていくのかを参加者に説明します。グループ全員に付箋紙とマーカーを配り、付箋紙 1 枚につきアクションを 1 つ書いて、ジャーニーに各アクションを割り当てていきます。
質問や意思決定が含まれることもあります。回答や選択肢に応じてジャーニーが分岐する場合、分岐ごとに参加者 1 人にマッピングを割り当てます。
ヒント
アクション、質問、意思決定などの要素ごとに付箋紙を色分けすると、マップ全体を見るときに各要素を識別しやすくなります。
カスタマージャーニーにやり取りのチャネルが複数含まれている場合があり、グループでその内容を把握しておくことが重要な場合があります。ジャーニーのアクションごとに、使われるチャネルについて質問し、付箋紙にイニシャルで記入します。コンテキストによりますが、チャネルにはウェブサイト、電話、メール、郵便、対面、ソーシャルメディアなどが含まれます。
マッピングエリアを視覚的に「オンステージ」(カスタマーエクスペリエンスについて) と「バックステージ」(バックグラウンドで動作するシステムとプロセスについて) のように分割するのも有効です。
ジャーニーマッピングでは充実した自由な議論が可能ですが、無用な詳細にまで掘り下げることは避けてください。ここでは、その場限りのソリューションを考えるのではなく、ジャーニーを調べ、エクスペリエンスを改善する機会を探ることが目的です。批評家ではなくコメンテーターとして取り組んでください。ここでの目的は、社内のシステムやプロセスについて状況を説明することではありません。ペルソナの観点で状況を明らかにすることが目的です。忘れないでください。

不適切なパターン
マップに多数の分岐やループがある。
スコープが広すぎる可能性があります。顧客が初めて経験するときのマッピングではなく、特定のタスクに焦点を当てた、特定のジャーニーをマッピングしてください。
ステップ 4
課題をマッピングする (10 分)
「では、どこが悪いのか見せてください。」マップを見直して、付箋紙に課題をメモします。ジャーニーの対応するタッチポイントの下に付箋紙を貼ります。どこに不満を感じているのでしょうか。エラーか、ボトルネックか、想定どおりに動作しない機能か。
付加価値として、各課題の影響について話し合います。取るに足りない問題なのか、何らかの工夫や回避策が求められる課題なのか。最悪、ペルソナがジャーニーから離脱してしまうような課題なのか。
ステップ 5
感情の折れ線グラフを作成する (15 分)
(省略可能ですが、やる価値はあります) ジャーニーマップの下の領域を使ってペルソナの感情をグラフ化し、タッチポイントごとにペルソナの気持ちがどのように変化するかを確認できるようにします。次のような変化を見つけてください。
- 感情が上下している領域 – 感情の波が激しいことはきわめてよくありますが、だからといってペルソナがうんざりしていないとは限りません。
- 急降下– これは期待した内容との大きなギャップ、不満を示します。
- 谷 – 感情を全体的に改善できる余地があることを示しています。
- 肯定的な感情のピーク – ペルソナをもっと喜ばせることができるエクスペリエンスを設計できますか。ペルソナを喜ばせて自社の製品やサービスを他の人に勧めてもらうことはできますか。
注意点として、課題が必ずしもすぐに顧客の感情を悪化させるとは限りません。ジャーニーの早い段階での課題が、後になって否定的な感情を生み出していないかを検討してください。
ヒント
このセッションに顧客を参加させてジャーニー マップを検証して疑義を挙げてもらうことで、このセッションの成果についてさらに確信を深められます。
ステップ 6
概要を分析する (15 分)
グループごとに、ジャーニーマップから一歩退いて、エクスペリエンスの傾向やパターンについて話し合います。
- 最大の混乱/不満が生じているエリアはどこですか?
- 期待に応えられなかったジャーニーはどこですか?
- そのユーザータイプについて新たに浮上した、満たされていないニーズはありますか?
- プロセスが不必要に複雑化または重複しているエリアはありませんか?あまり役に立たないメールが大量に送信されていませんか?
次に、エクスペリエンスを改善する余地があるエリアについて話し合います。例: プロセスを 7 ステップから 3 ステップまで減らせるエリアはありませんか? 確認メールは本当に必要ですか?、など。

サンプル
弊社の Engaging First Impressions チームが作成した、ユーザーオンボーディングのジャーニーマップをご紹介します。
成果の確認
チームでヘルスモニターセッションをすべて通しで、またはチェックポイントを実施して、改善しているかどうかを確認してみましょう。
その他のパターン
将来の状態をマッピングする
現在のエクスペリエンスをマッピングする代わりに、まだ実現していないエクスペリエンスをマッピングします。既存の課題を単に改善するものをマッピングするか、すばらしいエクスペリエンスが確実に予想されるものを設計します。
フォローアップ
マッピングセッションの後、グループがとったメモと写真、Confluence ページのアーティファクトを集めます。分析の内容や考え出した推奨事項の詳細も含めます。顧客による製品の評価、採用、使用に最も影響する課題は何ですか?どのような機会があり、どのチームがその機会について知っておくべきですか?
常に見える状態にする
一番よい方法は、チームの近くにある壁にジャーニーを掲示しておくことです。それができない場合は、Illustrator、Gliffy などのツールを使用してジャーニーマップをピクセル形式の画像ファイルに取り込みます。その際、作成したジャーニーマップに順序や構造を加えてみましょう。
現実的な内容にする
可能であれば、顧客と一緒にジャーニーマップを検証します。検証してみると、マップ全体が無効で最初からやり直す必要があることがわかるかもしれません (ジャーニーを提供してから判明するよりも、今気づいたほうがましです)。大規模なイニシアチブでは通常、複数のジャーニーマップを作成して複数のペルソナのニーズを把握し、マップごとに反復することがよくあります。
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