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IT プロジェクトのキックオフ


発想を得た。会社からのコミットも得られた。ここからは、このキックオフのテクニックを利用して、成功に向けて IT プロジェクトを始動させましょう。

このプレイの目的

マイルストーン、スコープ、目的に向けてチームの足並みを揃えます。

成功に向けて IT プロジェクトの手はずを整えます。

ヘルス モニター共通認識 の改善に取り組んでいる場合は、このプレイを実行すると役立つでしょう。

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なぜこれが必要なのか

順調なとき、プロジェクトは十分にオイルを挿した機械のように動きます。なにもかもうまくいかないときは、タイムズスクエアの交通渋滞のように感じられます。最終目標についてチームが合意に至っておらず、別のチームの作業が終わらないのでプロジェクトは停滞。誰かに意思決定を丸投げしたくなるほどです。

プロジェクトのキックオフミーティングの開催は面倒に思えるかもしれませんが、実行するメリットは多いものです。ただし、適切に実施されれば、という条件があります。マネージャーがただ箇条書きのスライドをめくり、チームが眠っていないふりをするだけであれば、全員の時間が無駄になります。チームの全員に発言してもらう必要があります。

しかしここで問題となるのは、「適切に」プロジェクトを開始する方法はプロジェクトによって異なるという点です。そのため、IT プロジェクトキックオフは、柔軟性が高く拡張可能なプレイとなっています。最小限のアクティビティに留めることも、チームのニーズに応じてさまざまなアクティビティを組み合わせることもできます。

誰に参加してもらうべきか

プロジェクトチーム全員を集めます。後から多くの人に情報を周知するよりも、1 か所に全員が集まるほうが簡単です。

ユーザーのチーム
スタッフ

チーム全員

鉛筆のアイコン
準備時間

15 分

時計
所要時間

60 ~ 90 分

難易度: 中
難易度

プレイの実施

下記のアクティビティのすべてを 1 回のミーティングで済まそうとしないでください (そうしないと、以降のミーティングは招待を断る人が出るかもしれません)。下記のガイドと自身の判断に従って、以下の IT チーム向け推奨プレイの「短縮」バージョンを 3 つか 4 つ選択します。

準備物

ホワイトボード

マーカー

付箋紙

タイマー

ゴム製のニワトリのおもちゃ

準備

議題を作成する (15 分)

以下のキックオフ アクティビティに目を通し、プロジェクトに最適なものを選びます。サポートが必要な場合は、プロジェクトのタイプに基づく次の推奨案をご覧ください。

コンプライアンス – 規制当局や行政機関によって課された規則、法律、方針、ガバナンス標準に準拠するための改革の実行に関するプロジェクトの場合。

キックオフのコアアクティビティ

  • 依存関係のマッピング
  • チームとしての優先順位
  • 関係者のコミュニケーション計画

ビジネス変革 – ビジネスモデルを新しくすることを目指すプロジェクトの場合。これらは、ネットワークアーキテクチャ、ハードウェア、ソフトウェア、IT サービス管理業務、情報の保管方法などを含む場合があります。

キックオフのコアアクティビティ

  • エレベーターピッチ
  • チームとしての優先順位
  • 依存関係のマッピング
  • DACI: 意思決定フレームワーク

インキュベーション – 新しいビジネス機能を生み出すことを目標とした実験の初期段階に関わるプロジェクトの場合。

キックオフのコアアクティビティ

  • エンゲージするためのルール
  • エレベーターピッチ
  • マイルストーンマッピング

これらのプロジェクトカテゴリーのいずれも当てはまらない場合、とりあえず出発点を選択してください (実際のところ、プロジェクトキックオフを計画しただけでも、すでに一歩リードしています。たいていのチームは、実際に痛みが出て無視できない状態になるまで、こうしたアクティビティを実行しようとしません。)

ステータスチェック
ヒント

プロジェクトのキックオフは、スコープの検討段階から実行段階へ移行する場面で行われます。皆が同じ認識でミーティングに参加できるように、キックオフの前に IT プロジェクト ポスターを完成させておくようにしてください。

ステップ 1

準備する (5 分)

グループにあいさつをして、時間を割いて参加してくれたことについて感謝を述べます。選択したアジェンダについて説明します。各アクティビティの詳しい説明に時間をかけないようにしてください。

初めて集まったグループである場合、それぞれ名前やプロジェクトでの役割のほか、各自についての面白い事実を尋ねて回りましょう (例: コーヒー、紅茶、ソーダのうちどれが好きですか? これまでで一番面白いと思ったバンパーステッカーはどのようなものですか?あなたにとってのスーパーヒーローの名前は? 自伝を書くとしたらその題名は? お金の心配がいらないとしたら、休暇にどこに行きたいですか? 動物になるとしたら何になりたいですか? またその理由は?)。

この会議では多くのことを取り上げる必要があるため、自己紹介は 30 秒以内とします。

ステップ 2

キックオフアクティビティに取りかかる (40 ~ 60 分)

キャパシティ計画 (10 分)

全員に、いつもの 1 週間で行うすべての活動を書き出してもらいます (さまざまなプロジェクトに関する作業を行う、バグを修正する、インシデントに対応する、管理タスクを行う、繰り返し会議を行う、コーヒーを買いに行く、廊下で不意におしゃべりをする、個別面談をするなど)。各カテゴリーに費やす時間を推定します。

チーム全体のキャパシティを表にまとめます。各人を同じ役割ごとにグループ化し、それぞれの役割、名前、このプロジェクトに 1 週間あたり何時間かけているかを記録します。役割ごとに時間数を合計します。

チームとしての優先順位 (15 分)

グループ全体でブレインストーミングを行い、プロジェクトの目標を達成するために遂行する必要のあるタスクをすべて挙げます。タスクごとに別々のインデックスカードを使ってタスクを書き出します。各インデックスカードの裏面には、ほかのタスクとの関係の有無と具体的内容を書いておきます。依存関係の特定は特に重要です。「依存する相手」、「支える相手」などを特定します。

準備ができたら、優先順位を決めます。タスクが書かれたカードをすべてテーブルに置くか壁に貼り、並べ替えながら順番を決めます。タスクが15個を超える場合、作業のカテゴリーごとにグループ分けし、各カテゴリー内で優先順位付けします。

タスクが「中止可能」なラインより上か下かを判断するときは、検討事項を定義します。条件に合意できたら、ランク付けしたタスクに対して線を引きます。

依存関係に注意します。10 個ものタスクが依存するタスクの優先度が低く設定されないよう調整します。

エンゲージするためのルール (15 分)

チーム全体で順守したいルールや規範について、グループでブレインストーミングしてもらいます。それぞれをポストイットに書き出していきます。

1 つずつアイデアを出し合い、自分の案が書かれたポストイットを壁の空きスペースに貼っていきます。類似するアイデアをグループにまとめます。

大筋で合意している部分と、合意に向けて議論する必要がある部分を明確にします。整理できたら、それらのルールを今後どのように実施すべきかを話し合い、取るべき行動を書き出します。

役割と責任 (20 分)

チーム内でどのような役割があるかを定義し、同じ役割を担う人ごとにグループ分けして座ってもらいます。

各グループに自らの主要な責務を 3 個から 5 個、他の役割の主要な責務を 1、2 個書いてもらいます。

行の見出しを各役割とし、列の見出しを「私が私の仕事だと思うこと」および「他者が私の仕事だと思うこと」とする表を作り、各自やチームが挙げたそれぞれの責務を入れていきます。各自が挙げた責務とチームが挙げた責務との差について話し合い、担当者がいない責務をすべて書き留めます。

依存関係のマッピング (15 分)

システム、チーム、他のプロジェクトのうち、プロジェクトによって影響を受けるものをブレインストーミングで挙げていきます。それぞれについて、責任を負う所有者を割り当て、依存関係のタイプと説明を書いていきます。

プロジェクトで不具合が生じそうなものすべてを書き出していきます。思いつくものすべてを書き出したら、影響が低いもの、リスクがなさそうなものを排除します。残ったものについて、潜在的な影響度を「高」、「中」、「低」とランク付けし、それぞれに所有者を割り当てます。所有者は、リスク緩和計画の草案作成と緩和計画の所有者の特定に対して責任を負います。

ここで、プロジェクトの期間全体にわたって、これらの依存関係とリスクのすべてについてどう先手を打っていくかを考えます。グループで、先にブレインストーミングで挙げたリスクや依存関係の利害関係者をすべてリストアップします。各利害関係者に関して、連絡を取り合う頻度を決めます (毎週、毎月、四半期ごと、随時)。

マイルストーンマッピング (10 分)

ホワイトボードまたは模造紙に水平の線を引きます。左端に「今日」と記し、右端は何も書かないでおきます。このプロジェクトに関してすでにグループで合意されているマイルストーンを記入していきます。

マイルストーンとは、お客様に価値を提供する時点を意味します。出荷に関する作業は繰り返し整理して、頻繁にフィードバックをもらうことを推奨します。

エレベーター ピッチ (10 分)

目下のプロジェクトに関する下記の声明を全員に作成してもらいます。1 人ずつ異なるバージョンを 2、3 個作ります。作る数が多いほど、良いものになっていきます。

[ニーズ/要求] を必要とする [ターゲット顧客のタイプ] にとって、[ソリューション] は、[主なメリット] をもたらす [成果物のタイプ] となります。

自分が作った中で最高のピッチをグループに披露するよう全員に促します。全員で話し合って「最善」のバージョンを編み出します。話し合いは 5 分間に制限します。後でいつでも非同期的に手直しできます。

DACI (10 分)

プロジェクトに関する決定のデフォルトの推進者 (D)、承認者 (A)、貢献者 (C)、報告先 (I) を誰にするか、全員に挙げてもらいます。

D = Driver (推進者)。関係者を集め、必要な情報をすべて照らし合わせ、合意された期日までに意思決定を完了させる人です。意思決定の内容によっては、プロジェクトのフルタイム所有者がこの役割を務める場合があります。

A = Approver (承認者)。意思決定を下す人です。1 人で担当します。

C = Contributor (貢献者)。意思決定に影響する知識や専門知識を持つ人です。意見は述べますが、投票権はありません。

I = Informed (報告先)。最終決定について知らされる人です。

見解が一致した役割を 1 ページに記録していき、該当する利害関係者すべてに回覧します。

関係者のコミュニケーション (15 分)

チーム内外のすべての「利害関係者」をブレインストーミングで書き出していきます。利害関係者の各グループ (すなわち、ターゲットオーディエンス) について、プロジェクトとの関係を定義します。たとえば、意思決定権を持つ関係者、スパーリングのパートナー、専門的な貢献者、障害を排除する担当者などを定義します。チーム自体も忘れずに含めてください。

各関係者との最も効果的なコミュニケーション方法を決定します。共有する情報の内容と情報共有に使うツールについて考えます。たとえば、直属のチームとは、細かい更新情報の共有や相互の意見交換に特化したチャットルームを通じてコミュニケーションを取るのが適切かもしれません。

下記の行を設けて表を作成します。

  • 毎日 1 回
  • 週 1 回
  • 2 週間に 1 回
  • 月額
  • 四半期に 1 回
  • 年 1 回
  • 随時

頻度ごとに連絡先、使用チャネル、連絡内容、詳細や具体的データへのリンクを書き出します。

最初の 2 ステップの後、時間が足りない場合、このステップはミーティング後に所有者が行っても構いません。

コンテンツ検索
サンプル

典型的なチーム キャパシティ表の例はこちらです。

ステップ 3

まとめと次のステップ (10 分)

60 ~ 90 分にしては盛りだくさんに感じたのではないでしょうか。これまで行ったアクティビティを振り返り、保留になっているアクションをすべてまとめます。

解散する前に 5 分ほど時間をとって、チームがプロジェクトの目標を達成できそうかどうかを皆に尋ねます。自信がある場合はサムズアップ (親指を立てるしぐさ)、質問がある場合は黄色、懸念がある場合は赤色で同時に投票してもらいます。

投票結果を開示して、評価について簡単に話し合います。赤色または黄色の投票の理由をモニタリングするためのアクションまたは確認プロセスについて合意します。

成果の確認

チームでヘルスモニターセッションをすべて通しで、またはチェックポイントを実施して、改善しているかどうかを確認してみましょう。

その他のパターン

どのプレイを選択するかはあなた次第であり、9 つのプレイをどう組み合わせても構いません。プロジェクトの早期にこうした話し合いをするだけで、ほとんどのプロジェクトで 10 歩は先んじることができます。

ここで紹介したプレイのほとんどは、別個のセッションとして実施できるスタンドアロンのプレイでもあります。チームにもっと時間が必要だと感じる場合、プロジェクトキックオフとして 1 つか 2 つのプレイのみを実施し、プレイ手順全体はアジェンダの詳細手順として参照するようにします。

フォローアップ

チームやプロジェクトの状況を確認するため、毎月ヘルスモニターを実施することを推奨します。

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