スタッフ
4 ~ 8 人
所要時間
60 分
難易度
中
プレイの実施
プロジェクトに技術変更管理計画が含まれる場合は、必ず全員にレビュー機会を与えてからこのセッションを始めましょう。
ステップ 1
問題についての説明の作成 (5 分)
グループを迎えたら、以下のとおりこのセッションの目標を説明します
- 変更管理のコミュニケーションに含める重要点について確認する
- 今後のコミュニケーションチャネルを特定する
- 変更に必要なアクティビティすべての順番を決める
- 各チームメンバーの役割と責任を明らかにする
ステップ 2
これまでの経緯とは? (10 分)
変更に関する目標と目的の概要を説明するように、変更依頼者に依頼します。特に変更の動機と承認者、理由について具体的に話してもらいます。
概要説明と簡単な質疑応答が済んだら、変更しなかった場合に何が起きるかについて 2 ~ 5 分間で個別にブレインストーミングを行うようグループに指示します。次に、グループで考えを発表し、次のステップで参照できるように記録します。
ステップ 3
基本的指針を決める (10 分)
この場にいるのは、このような文脈ではじめて協力する新しいチームである可能性があります。厚手の用紙か Confluence のページを用意して、チームの基本的指針のアイデアを順番に発表していきます。たとえば「グループやお客様に、頻繁かつ早めに連絡を行う」、「意見の相違があっても、チーム ミーティングで決めたことは皆でサポートする」などのアイデアが考えられます。
グループで一定の基本的指針を決めたら、その指針をチーム ミーティング中に確認できる場所に記録します。
ステップ 4
お客様に伝えるメッセージを用意する (10 分)
社内外のお客様も含めて、変更の影響を受ける人全員に変更の理由を知らせる必要があります。ホワイトボードや共有文書に以下の質問を書いておいて、グループで協力して答えます。これらの重要点は、お客様とのあらゆるコミュニケーションの基盤となります。
- 変更の範囲
- 変更の時期
- 変更の対象者とその具体的状況
- この変更が対象者とチームに与える影響
これらの質問に答えながらブレインストーミングを進めるうち、お客様から寄せられると思われる質問をほかにも思いつくでしょう。これはすばらしいことです。思いついた質問 (とその答え) も記録しておきましょう。
ステップ 5
コミュニケーションチャネルに優先順位を付ける (10 分)
グループでブレーンストーミングを進めながら、この変更の影響を受けるお客様とのコミュニケーションに使えるチャネルをすべて特定します。Slack チャネル、一斉配信メール、社内や部門内での話し合い、Web サイトの FAQ、フォーカス グループなども含めます。
コミュニケーションチャネルごとに、次のポイントに沿って重要度を判断します。
- 連絡するお客様の数 (多数、一部、少数)
- 連絡にかかる手間の大きさ (大、中、小)
うまくいけば、ちょっとした手間で大勢のお客様と連絡できるコミュニケーション チャネルを特定できます。その一方で例外も存在します。特に、一部のお客様が変更の成否のカギを握っている場合など、ごく少数のお客様に多大な手間をかけて優先的に連絡を取るべき場合もあります。
ヒント
影響の大きい変更では、メッセージを拡散してポジティブな反応を促進できるように、組織全体の要となる複数のチーム内で率先して動くチャンピオンのネットワークを形成することをお考えください。
ステップ 6
変更管理プロセスの順番を決める (20 分)
コミュニケーション チャネルの優先順位が決まって伝えるべきメッセージが分かったところで、すべての対応を実行するタイミングを考える必要があります。たいていの変更には期日があります。マイルストーンの日程を決める方法には、期日から逆算して対応する方法、またはアジャイル型のアプローチ方法を採ってチームが変更の各ステップを完了する手間の程度を見積もって決定する方法などがあり、いずれで対応してもかまいません。
すでに日程が決まっている関連事項 (社内イベント、祝日、ベンダーの期日) があれば、手始めにすべて記録します。
次に日付、責任者、「大勢のお客様に伝える」カテゴリーのおおまかなメッセージ文を選びます (できれば楽なチャネルを優先)。これらのメッセージを 2 回送信する計画を立てます。1 回目は変更予定のお知らせとして、2 回目は変更の最中または直後のお知らせとして送信します。
一斉連絡をする日付が決定したら、その前に連絡相手やトレーニングが必要な対象者を決めます。たとえば、少人数でも発言力の強い批判者には、計画を覆してしまう力があります。このような人物をあらかじめ特定して、フォーカス グループに入れたりプロセスのごく初期にフィードバックを依頼したりしておくと、反対意見を建設的な提案に変えることができます。
最後にアクティビティの順番をレビューして、フィードバック ループが組み込まれていることとフィードバックを反映する時間が確保されていることを確認します。マイルストーンを忘れずに設定して、ゴールまでの道のりで小さな目標をいくつか達成できるようにします。👍
ステップ 7
役割、責任分担、進め方について確認する (15 分)
以上で変更管理計画は 8 割方完了していますが、このまま続けていきましょう。最後の 20% は、十分に練った計画を完璧に仕上げるための作業です。
作成したばかりのタイムラインのアクティビティを、一つひとつレビューします。アクティビティごとに、推進者 (インプットを集めてスケジュールどおりに進行させる責任者)、貢献者 (該当する分野の専門家)、承認者 (アクティビティの完了と品質を判断する最終責任者) を割り当てます。
大勢のお客様に送信するコミュニケーションでは、コア プロジェクト チームから 1 - 2 名、外部チームからも 1 - 2 名の貢献者を設定することが推奨されます。これで多様な視点が加わり、あらゆる基盤を確実に取り込めます。
フィードバックループの役割と責任も忘れずに割り当てます。アトラシアンの IT チームでは、プライベートの Slack チャネルを使って毎回、連絡後に届くフィードバックをレビュー、整理しています。これで全員が、誰が何に対応しているかを確実に把握でき、すべての対応が一貫したものとなります。また世界中に展開している企業では、24 時間態勢でフィードバック対応のハンドオフができます。
ヒント
変更管理プロセスでは、直属の上司の異なるメンバーを集めた部門横断型チームが結成されます。必ず事前に各人の上司と話し合っておきましょう。多大な時間を割いてもらわなくてはならない可能性があります。
成果の確認
チームでヘルスモニターセッションをすべて通しで、またはチェックポイントを実施して、改善しているかどうかを確認してみましょう。
フォローアップ
- Confluence のロードマップ プランナー マクロを使用して、一連のアクティビティを変更管理ロードマップに構成します。この方法を使うと、分かりやすいスイムレーンで主な日付、責任者、マイルストーンを視覚的に表現できます。
- 多くのお客様からの変更に関するよくある質問に答えられるように、FAQ を用意します。
- 変更に承認、レビュー、ポリシーの更新が必要な場合は、セキュリティとコンプライアンスを担当するチームに今すぐ連絡してください。
- 成功イメージを明確にすると、関係者間のすり合わせに役立ちます。まず、目標、シグナル、指標プレイで、成功イメージを具体化します。それから、目標と主な成果 (OKR) プレイで、優先順位と成功の測定基準を関係者に伝える文書を作成します。
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