アトラシアンの DevOps ツールを使用して、Motability Operations のデプロイ数が週 1 回程度から週 2000 回になった経緯

課題: Motability Operations は、英国居住者がバリアフリーな交通手段をリースできるようサポートするために、より迅速でアジャイルな開発プロセスを必要としていました。

解決策: エンジニアリング部門は、Jira Service Management アセットを採用し、Jira、Confluence、Bitbucket の使用を拡大することで、継続的デプロイ サイクルを実装しました。

影響: アトラシアン ツールにより、Motability Operations はワークロードの 90% を継続的デプロイに移行して開発者の自律性を高め、月に 16 日分のエンジニアリング作業を解放しました。

アクセシビリティのリーダー企業が、従来のセクターに最先端の開発プラクティスを導入

Motability Operations は、Motability Scheme を通じて英国の 77 万世帯をモビリティ ソリューションにつなぎ、人々が政府の給付金でバリアフリー車両をリースできるようにしています。英国最大の車両運送事業者である MO は、5,000 のディーラーから販売されるすべての新車の 10% を購入しています。毎日、2,000 人以上の顧客が保険とメンテナンスが含まれる車両をオンラインでリースしています。また、技術チームやビジネス チームの 1,500 人以上の従業員がアトラシアンのクラウド ツールを使用してこれらのサービスを構築、強化しています。

Motability Operations は 2008 年からアトラシアンを利用しており、Jira と Confluence は DevOps プロセスの重要な基盤として機能していました。しかし、アジャイルおよびエンジニアリング プラクティス マネージャーの Lloyd Jones は、チームがツールセットからさらに多くの価値を引き出せると確信していました。

当時 MO が使用していたデプロイ プロセスは柔軟性が低く、分断されており、週に 1 回から月に 1 回までしかコードをリリースできませんでした。アジャイルで継続的デプロイ サイクルを実現するために、Lloyd と MO の DevEx チームは、Jira、Confluence、Bitbucket の使用を増やすと同時に、プロセスの文書化に Jira Service Management アセットを採用することにしました。

移行は慎重を期しました。Motability Operations の製品は、個人情報、財務データ、および大量の貴重な取引を毎日処理しています。幸いなことに、新しいプロセスはアトラシアン ユーザーにふさわしい結果をもたらしました。彼らはフィードバックに基づいてプラットフォームを継続的に改善して、ユーザーのニーズによりよく応えられるようになりました。

アトラシアンのクラウド ツールの使用を拡大して以来、Motability Operations は本番ワークロードの 90% を継続的デプロイ サイクルでリリースしており、1 週間で 2,000 件を超えるデプロイという新記録を樹立しています。手動によるコード承認をなくすことで、毎月 16 日分のエンジニアリング作業を解放しました。

数字として表れる指標以外にも、この移行により、Motability Operations の DevOps プロセスが、コラボレーション、コミュニケーション、そして何よりもセキュリティと品質を重視するという同社の文化に沿ったものになりました。

開発プロセスを進化させて、ユーザーのモビリティ ニーズによりよく応える

英国の人口が増えるにつれて、Motability Operations はより多くの人々にサービスを提供し続ける必要があるでしょう。また、同社では、人々の移動を支援するための新しく革新的な方法も模索しています。たとえば現在、ユーザーが燃料費を節約し、環境への影響を減らせるよう支援するために、電気自動車の所有に対する障壁を取り除こうと取り組んでいます。

MO が将来に目を向けている中、Lloyd のチームはエンジニアリング部門の作業方法をよりアジャイルで自律的なものに移行できないかと考えていました。彼らは、チームが 10 年近く大きく変わっていない厳格な従来のデプロイ サイクルや手動プロセスに制約されるのではなく、簡単に実験し、顧客からのフィードバックに基づいて常にリリースできるようにしたいと望んでいました。

Motability Operations のパイプライン上にある開発、本番前環境、本番環境の各領域の間には何のつながりもありませんでした。「基本的に、新しいコードを 1 つにまとめ、たくさんの Jira チケットに記録し、エビデンス提供のために適切な Confluence ページにリンクしていました」と Lloyd 氏は言います。

デプロイのたびに、エンジニアが時間を割き、注意を向ける必要がありました。「このプロセスでは、開発者がコードをコミットし、別の場所でログインしてデプロイを開始する必要がありました」と Lloyd は言います。「たとえわずかワンクリックで承認できるとしても、それは才能のある人材が問題を解決し、製品を改善するという本来の仕事をしていないということです」

何年もの間、このデプロイ プロセスは 3 か月に 1 回しか行われていませんでした。エンジニアリング チームは、デプロイを毎週または隔週サイクルにスピードアップするために懸命に取り組んできましたが、もっとスピードを上げたいと考えていました。ワークフローに課された構造が苛立たしく制限的だっただけでなく、すべてのコードを一度にまとめてリリースするという認知的負荷も、他のタスクから精神的資源を奪っていました。

従来の方法で「うまくいかなかった」とき、継続的デプロイが生産性と保護の向上への道を開きました。

「自律性を保ち、自分に合ったペースで進みたいというチームからの明確な希望が見え始めました」と Lloyd は言います。「規定のサイクルと手動のプロセスではうまくいきませんでした」

経営陣は新しいアプローチに興味を持っていましたが、当然のことながら慎重に構え、徹底してリスクを最小限に抑えたいと考えていました。Lloyd は、継続的デプロイ方が実際には Motability Operations の文化と目標に沿ったものであると確信していたので、正面から賛同を得るという挑戦に出ました。

「私は長い時間をかけて、継続的デプロイがいかにリスクが低く、透明性が高く、安全な作業方法であるかを関係者や技術リーダーに示しました」と彼は語ります。「実際には、大量のバッチではなく、一度に数行のコードだけをリリースする方が好ましいのです」

順調なプロセスをさらに改善: アトラシアンのクラウド ツールによる最適化と拡張

「私が入社したときにはすでに、エンジニアリング チームでは Jira を使用していました」と Lloyd は言います。「Jira は私たちのチームの作業と運用の中心でした」目標を達成するために、Lloyd のチームは定評のある Jira および Bitbucket 製品とともにアトラシアンの新しいツールである Jira Service Management を採用して、アセットの使用をさらに最適化することを選びました。

これらのツールは Confluence によって補完されています。MO は現在、Confluence を承認ではなく主にチームおよび技術ドキュメンテーションのために使用しています。

Jira、アセット、統合を組み合わせて、高速、安全、柔軟なワークフローを実現する

Lloyd と彼のチームは、Jira、Bitbucket、そして Jenkins や Snyk などその他の開発ツールとの緊密な統合を活用して、より速く、よりアジャイルな開発サイクルを構築しました。

現在、各チームは独自のテスト主導型開発サイクルに従っています。チームは Bitbucket にコードをコミットし、少なくとも 2 人の従業員が一緒にレビューして承認します。Bitbucket の Jenkins との統合により、コードは手作業なしで継続的にデプロイされます。この時点で、Jira のユーザー ストーリーも Deployment にリンクされ、テスト結果が課題に添付されます。

コードが下位環境にデプロイされると、Jenkins はリリースを追跡するための Jira チケットを自動的に作成します。この統合により、開発チームは、これまで手作業で行っていた管理作業をなくし、すべてのデプロイ サイクルにおけるエンドツーエンドのドキュメンテーションを自動化できるようになりました。「Jira、Bitbucket、Jenkins が統合されたことで、パイプラインのすべての段階を確実に通過しつつも、人手を介さずにコードをコミットからデプロイまで進めることができます」と Lloyd は説明します。

Lloyd は、彼のチームは特に Jira の開発パネルと、それにより実現するリアルタイムのパイプラインの可視性を気に入っていると述べています。「作業中、開発者はサイドパネルを見ればビルドとデプロイのステータスを確認できます。次に何が起こるか、何か見落としがないかをすぐに確認できるのです」

デプロイ時、Jira のドキュメンテーション チケットは Jira Service Management に移され、そこで Motability Operations がアセットを使用して完全で一元化された記録システムを構築します。「アセットは本質的に、当社のサービスとそのコンポーネントにとって非常に使いやすい参照資料になりました」と Lloyd は述べています。この強化されたドキュメンテーションは、Motability のセキュリティを重視する企業文化にとって極めて重要です。

このワークフローは基本的な公式ですが、Lloyd は、アトラシアンのクラウド プラットフォームによってチームが好みに合わせて柔軟に調整できる点を高く評価しています。「私たちは、チームにできるだけ自律的に働いてほしいと望んでいます。そのため、Jira が柔軟性に優れ、チームが必要に応じて柔軟にプロセスやスピードの向上に活用できる点を評価しています」と彼は言います。

文化とプロセスを連携させる

より現代的なプロセスを導入し、Motability Operations のアトラシアン プラットフォームを拡張したことにより、リーダーたちは、自律的でペースの速い開発文化の影響を実感しています。「少人数のユーザーやディーラーを対象として、ゆっくりと物事を展開し、証明することで、この新しい手法の価値を示すことができました。Jira の可視性の高いツールのおかげで、段階的な変更が可能になり、作業がずっと簡単になりました」と Lloyd は言います。

特に、Jira を継続的デプロイに活用することで、チームはセキュリティにさらに注意を払うことができるようになりました。「チームのあるアナリストは、Jira セキュリティ ダッシュボードをとても気に入っていて、フル活用するようになりました。この変化により、彼女と対等な立場で関わることができるようになりました」と Lloyd は言います。

月 2 回から週 2,000 回のデプロイへ激増

Motability Operations は、より現代的な手法を取り入れ、Atlassian Cloud の使用を拡大して以来、生産チームのワークロードの 90% 以上で継続的デプロイを実施しています。自動コード アップグレードを導入した際には、1 週間で 2,000 回以上というデプロイの記録を打ち立てました。

「アトラシアンのツール スタックがなければ、これらの自動アップグレードを開始することすらできなかったでしょう。これらのデプロイはすべて自己文書化され、Jira、Bitbucket、および JSM アセットで追跡されています」と Lloyd は言います。

エンジニアの月間労働日数を 16 日削減

エンジニアが手作業で Jira チケットを更新したり、テスト結果をアップロードしたり、リリース ドキュメントを作成したりする必要はなくなりました。隔週のデプロイごとに 16 チームすべてで半日分の作業が削減されたので、Motability Operations では毎月 16 日分の作業に相当する時間を節約できたことになります。

大きなビジョンを持ち、より効率的に作業し、アイデアをより早く実現する

この新しい働き方により、変革が技術チームから組織全体へと急速に広がっています。「コラボレーションは常に私たちの文化の一部でした。アトラシアンのおかげで、人々がペースを落とさずに、コラボレーションを加速させている点を好ましく感じています」と Lloyd は続けます。

チームはアイデアをより多く試せるだけでなく、アイデアをより早く実現できるようになりました。たとえば、Motability Operations のあるプロダクトマネージャーは、規模に応じて車両価格を設定するための、より効率的な新しいエンジンを提案しました。「最初のコードは 1 日で書かれ、本番環境に移行してから 1 週間以内に完了しました。従来の方法なら、アイデア出しと優先順位付けだけで数週間かかっていたでしょう」と Lloyd は言います。

アトラシアンのクラウド ツールで Motability Operations とユーザーのモビリティに明るい未来を

今後、Lloyd のチームと Motability Operations のリーダーシップは、さらに多くの部門をアトラシアン エコシステムに取り込むことに意欲を燃やしています。「マーケティングなど他のチームも Jira を使いたがっています。マーケティング部門は、技術チームとの連携を通じて、他の選択肢では得られないレベルの制御と可視性が Jira によって得られることを知ったのです」と Lloyd は説明します。

Motability Operations はまた、戦略的目標と顧客からのフィードバックをより効率的に日常業務に統合するために、Jira Product Discovery をアトラシアン スイートに追加しています。優先順位の整理やロードマップを目的に Jira Align も使い始める予定です。

さらに、こうした内部的な最適化は、外部にも影響を及ぼし始めています。現在、Lloyd と Motability Operations のチームは、顧客からのフィードバックをほぼリアルタイムで組織のプラットフォーム改善に生かすことができるようになりました。

機敏性、スピード、セキュリティは、Motability Operations のようなミッション主導型の組織にとって特に重要です。開発チームが高品質のコードをより迅速かつスムーズに提供できれば、英国全土で移動に不自由を抱える人々が必要な交通手段をより早く利用できるようになります。