プライバシー バイ デザインによるインテリジェントなエクスペリエンスでチームを強化

2020 年 10 月に導入された、機械学習を活用したインテリジェントなエクスペリエンスを Cloud 製品で活用できることを嬉しく思います。
この数年、アトラシアンでは共通のクラウド インフラストラクチャを提供するアトラシアンのプラットフォームを構築して、複数の製品全体で強力な接続と、より速くより予測可能で、より安全なコラボレーションを実現してきました。アトラシアンのプラットフォームによって、アトラシアンの Cloud 製品を使用する 15 万人を超える顧客からユーザー パターンを集計して、どのように仕事が行われてチームが大規模にやり取りするかを理解できます。
インテリジェントなエクスペリエンスは、コラボレーションを容易にすることでチームワークを加速させるように設計されています。アトラシアンがどのようにプライバシーを核としたソリューションを設計したのか、そのすべてをご紹介します。
インテリジェントなエクスペリエンスはコラボレーションを容易にすることで、チームワークを加速させるように設計されています。アトラシアンがどのようにプライバシーを核としたソリューションを設計したのか、そのすべてをご紹介します。
インテリジェントな検索
- もっとも関連性の高いコンテンツを表示できる、パーソナライズされた検索結果
- 求めている情報の予想に基づいた、インスタント検索結果
- 一緒に働く人々や作業しているプロジェクト/スペースに検索範囲を絞り込める、インテリジェントなフィルター制御
予測的コラボレーション
- 背景にある関連性が最も高いユーザーをコラボレーション ループに参加させるように提案できる、インテリジェントなユーザー メンション
- ドキュメントで身近な共同作業者を提案できる、予測的なページ制限
- コード変更をレビューする適切な人物を提案できる、予測的なプル リクエスト レビュー機能
ワークフローの加速化
- 課題に取り組むための背景にある関連性が最も高いユーザーを提案できる、予測的な課題割り当て
- ラベル、コンポーネント、修正バージョンなどの一般的な課題フィールドに対する適切なフィールド値を提案できる、インテリジェントな課題分類とトリアージ
- 類似した課題をグループ化してワークフローの一括操作をサポートできる、インテリジェントな課題クラスタリング
機械学習とはどのようなもので、どのような仕組みですか?
インテリジェントなエクスペリエンスにおける機械学習ツールは、モデルによって強化されています。モデルはコンピューターのアルゴリズムによって、エクスペリエンスを通じて機能を自動で改善します。仕組みは次のようになります。
学習
各モデルはソース データ上で「学習」されて、一般的なユーザー行動に基づいて一般的なパターンを識別するアルゴリズムを使用します (依存ではなく学習を目的としているため、学習されたモデルはソース データを保存しません)。モデルはパターン認識を通じてユーザーによって取られる可能性のある将来的な行動を予測する機能を開発して、その予測を将来の類似したシナリオに適用するためのルールに変換します。
アクション
モデルはこれらのルールをアトラシアン製品のインスタンスに適用して、チームの力を引き出すためにすべての Cloud 製品全体に適用されます。
例
あるモデルでは、無作為に選ばれた Jira ユーザーが課題について、最近一緒に仕事をした人を挙げる可能性がもっとも高いことがわかります。このモデルは Jira ユーザー間のこの一般的な行動パターンを抽出して、シグナル (ユーザーが以前にある課題で誰かをタグ付けして、また誰かをタグ付けしようとしているなど) を確立することによってそれを適用し、その重み (以前と同じ人物である可能性が高いなど) を割り当てます。これによって、モデルはユーザーのチームワークをより簡単にできます (過去にメンションされた人物を @mention のピック リストの一番上に表示するなど)。
モデルはどのように学習されますか? 私のデータは利用されますか?
今日、インテリジェントな検索、予測的コラボレーション、ワークフローの高速化を実現するモデルは、次のようないくつかの異なるデータ セットから構成されています。
データ セット | 機能 | データの例 |
---|---|---|
匿名化および集計された使用状況データ | 機能 予測メンション/フィールド | データの例
|
匿名化された一方向のベクトル化コンテンツ | 機能 課題のクラスタリング | データの例
|
匿名化された検索用語 | 機能 インテリジェントな検索 | データの例
|
インテリジェントな検索、予測的コラボレーション、ワークフローの高速化は、どのようにデータ プライバシーを尊重しますか?
アトラシアンで働くメリットの 1 つに、自社開発のツールを使用できることが挙げられます。あらゆる種類の作業に活用されています。株式公開企業であるアトラシアンは、機密情報の適切な管理が持つ重要性を理解しています。ML モデルが学習対象のソース データに関する情報を意図せずに公開することを防ぐ方法については熟考してきましたので、ご安心ください。
プライバシー制御を組織内 (組織内の人が見てはいけない情報を見ることを防ぐ) と組織外 (組織外に何かが出ることを防ぐ) の両方でセットアップしました。
- アトラシアンは製品のプライバシー制御を尊重するエクスペリエンスを構築しています。たとえば、ユーザーは閲覧権限のないコンテンツを推奨されません。
- お客様のデータからパターンを学習するモデルを構築する場合 (お客様のインスタンス上でお客様のユーザーが行った検索クエリなど)、そのデータはより広範なモデル学習のためにお客様のグループの権限から離れることはありません。匿名化された検索クエリ文字列は自動化されたジョブによってのみアクセスされて、個人が読むことはありません (制限付きページは決して使用されません)。
- 顧客全体の傾向を学習するモデルを構築する場面では (たとえば、ユーザーは通常、最近作業したものを検索します)、アトラシアンは匿名化された行動分析 (いいね! の数など) やクラウドの顧客全体で集計された一方向のベクトル化コンテンツなどの情報からのみデータを調達します。
- (顧客データを含まないなど) 公開データ セットで学習させたモデルを可能な限り使用します。
- すべてのデータは、アトラシアンのプライバシー ポリシーに則って収集、処理、伝送、保管されます。
例 1
Confluence ページの視認性設定など、企業内でプライバシーが重要であることをアトラシアンは理解しています。インテリジェントな検索はユーザー レベルの権限を含むすべてのグループ権限設定を監視するため、プライベートとマークされた Confluence ページはページにアクセスできない社内のユーザーに推奨される検索結果に表示されません。
例 2
機密情報に基づいて提案された検索結果を他の企業に明け渡す訳にはいきません。他のタイプの検索エンジンと異なり、インテリジェントな検索は機能を向上させるために顧客全体の上位検索を集計することはありません (個人の検索傾向を学習します)。そのため、機械学習モデルは常にグループ権限を監視して顧客間における情報の流出を防ぎます。つまり、Confluence のプライベート スペースがあってチームの共同作業が「新規共同買収」という Confluence ページで行われている場合は、Confluence によって「新規共同」と検索した他のアトラシアンのお客様に「新規共同買収」のページやユーザーの検索クエリに基づいた提案結果が表示されることはありません。
インテリジェントなエクスペリエンスに対して、どのように制御できますか? 機能はオフにできますか?
このページには、インテリジェントな検索、予測的コラボレーション、ワークフローの高速化に関するアトラシアンの慣行が反映されています (2020 年 12 月時点)。現時点では、ページの検索やチームメイトへのメンションなど、インテリジェントなエクスペリエンスはアトラシアン製品の中核と考える機能を強化するものであり、それらを無効にするとパフォーマンスが大幅に低下します。それに加えてお客様のプライバシー保護の観点から「オフ スイッチ」は現在提供しておりません。
アトラシアンはリスクを最小化する戦略に自信を持っています。機械学習機能が発展するにつれて、新しい機能を成長させるためにプライバシー強化技術の研究と適用を継続していきます。皆様のご意見はアトラシアンが進化するために不可欠です。今後の展望についてクラウド ロードマップをご覧いただき、アトラシアンの公開課題トラッカーで機能の提案を作成 (または既存の提案に対して投票、フォロー、コメント) することにで、アトラシアンのプランをお客様のプライバシー ニーズに合わせる方法についてアイデアをお寄せください。
また、アトラシアンのコミュニティ グループでは、インテリジェントなエクスペリエンスにまつわる会話に参加できます。
