DevOps チーム向けのマイクロサービスの設計パターン
マイクロサービスの設計パターンは、マイクロサービス・アーキテクチャを構築して維持するための日常的な問題を解決する戦略です。このアプローチでは、大規模なアプリケーションを小さな独立したサービスに分割します。これらのパターンは、DevOps では非常に重要です。DevOps は、迅速で信頼性の高いソフトウェアの提供に重点を置きます。
このガイドでは、API ゲートウェイ、サーキット・ブレーカー、イベント・ソーシングなど、マイクロサービスの重要な設計パターンについてご説明します。マイクロサービスの役割、主なメリットや、新しいマイクロサービス戦略を企業の DevOps 環境に統合する方法を詳しく見ていきます。
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マイクロサービスとは?
マイクロサービスは、開発者が小規模で独立した一連のサービスからアプリケーションを作成するアーキテクチャ・アプローチです。各サービスは、軽量なメカニズム(多くの場合、HTTP ベースの API)を介して実行され、通信します。
マイクロサービスのメリットは多数あります。マイクロサービスにより、チームはアプリケーションの小さな要素を独立して更新・デプロイできるため、プロセスがよりアジャイルになり、リスクが軽減されます。
このモジュール性により、チームはアプリケーション全体が壊れることを恐れずに、1 つのマイクロサービスを調整できます。マイクロサービスは、頻繁に段階的な変更を行う CI/CD(継続的インテグレーションと継続的デプロイ)の原則に完全に一致しており、Open DevOps プロジェクトの継続的なイノベーションと安定性を確保できます。
マイクロサービスの設計パターンの役割
マイクロサービス・アーキテクチャの設計パターンは、チームがマイクロサービス・アーキテクチャを構築する際の一般的な課題に対処する場合に役立ち、実証済みのソリューションを提供し、アプリ開発と設計を簡素化します。
マイクロサービスの設計パターンがあれば、チームは最初から共通の問題に何度も取り組むのではなく、独自機能の構築に集中できます。そしてこれをベスト・プラクティスとして、より効率的かつ回復力のあるマイクロサービスを作成するための指針にできます。
一般的なマイクロサービスの設計パターン
マイクロサービスにはコアの設計パターンがいくつかあり、DevOps を理解すれば、このようなパターンに内在するメリットを把握できます。これらの実証済みの方法によって、API ゲートウェイ経由でのトラフィック誘導や、サーキット・ブレーカーでの過負荷の回避など、一般的な課題に対する解決策が得られます。それぞれのパターンには、マイクロサービスに関する課題を解決する方法があります。
最も一般的なマイクロサービスの設計パターンには、次のものがあります。
API ゲートウェイ
API ゲートウェイは、すべてのクライアントがマイクロサービスとやり取りするための出入り口です。さまざまなクライアントからの要求を集約して適切なマイクロサービスに誘導し、応答をまとめます。このパターンによってクライアント側のエクスペリエンスが簡素化され、個々のサービスとのインタフェースが統一されます。
認証、ロギング、SSL 終端処理など、分野を横断する懸念事項の管理に役立ちます。
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サーキット・ブレーカー
サーキット・ブレーカー・パターンは、ネットワークの安全スイッチとして機能します。サービス・コールに繰り返し失敗するとサーキット・ブレーカーが作動し、システム全体でそれ以上の負担や障害が発生する可能性を防ぎます。その後、定期的に解決策がチェックされ、復旧のコントロールが可能になります。このパターンは、サービス中断に適切に対処することによってシステムのレジリエンスを高めます。
イベント・ソーシング
イベント・ソーシングは、システムの状態の変化を一連のイベントとして記録します。このパターンでは、現在の状態を保存するだけでなく、そこに至るまでの一連のアクション全体を記録します。このアプローチによって信頼できる監査証跡が得られ、複雑なトランザクションやエラー復旧を簡素化できます。イベントを再生すれば、過去の状態を再構築することもできます。
CQRS
CQRS(コマンド・クエリ責務分離)とは、データベース操作をコマンド(データの変更)とクエリ(データの読み取り)に分割することです。
この分離では、読み取りと書き込みのワークロードを個別にスケーリングすることによって、データ・ストレージとパフォーマンスを最適化します。これは、読み取りと書き込みの性質と量が大きく異なるシステムにはメリットがあります。
Saga
Saga パターンでは、複数のマイクロサービス全体で複雑なトランザクションを、小さく管理しやすい操作に分割して対処します。それぞれのサービスが、トランザクションを部分ごとに処理します。ステップが失敗すると、Saga が補正アクションを実行し、それまでの操作への失敗による影響が緩和されます。
この方法では、それぞれのマイクロサービスの自律性を維持しながら分散型トランザクションが可能になるため、密結合でなくてもデータの一貫性が保たれます。
バルクヘッド
船の仕切りにちなんで名付けられたバルクヘッド・パターンは、障害を単一サービス、またはサービスの 1 グループに限定します。アプリの各部が分離されるため、ある部分に過負荷が生じても他の部分は機能し続けます。この分離により、システムのフォールト・トレランスとレジリエンスが向上します。
サービスごとのデータベース
サービスごとのデータベースでは、マイクロサービスにそれぞれ専用のデータベースがあり、あるサービスからのデータベース呼び出しが他のサービスに影響しないようになっています。そのため、疎結合と高凝集が保証され、サービスの変化に対するレジリエンスが高まり、拡張と保守が容易になります。
マイクロサービスの設計パターンを実装する方法
マイクロサービスに設計パターンを実装するには、戦略的なアーキテクチャに関する意思決定と特定のコーディング・プラクティスを組み合わせる必要があります。これらのパターンをアーキテクチャに統合する実践的な方法は次のとおりです。
- 小さく始める。管理しやすいスコープから始めて、分散型システムの技術要件を理解します。これには障害を適切に処理し、個々のコンポーネントを効果的に拡張する方法を学ぶことも含まれます。
- それぞれのパターンを理解する。パターンを調べ、それぞれがアーキテクチャのどこに最も適しているかを理解します。
- イテレーティブ開発を活用する。マイクロサービスの構築を 1 つのプロセスとして扱います。パターンを 1 つずつ実装し、その影響を評価してから実装を繰り返します。
- ツールを効果的に使用する。アトラシアンの Compass などのツールを利用して、マイクロサービス・アーキテクチャの複雑な部分を 1 つの統合プラットフォームにまとめ、サービスの監視、整理、保守を可能にします。
- 実績を重ねて拡大する。パターンやツールに慣れてきたら、さらに多くのサービスを抽出し、既存のサービスに改良を重ね、マイクロサービス環境を徐々に拡大していきます。
Compass によるマイクロサービスの設計パターンのナビゲート
これらの設計パターンの実装は、DevOps チームがマイクロサービス・アーキテクチャの構築、拡張、維持を行うのに最適な方法です。特定のコーディング・プラクティスと戦略的なアーキテクチャに関する決定によって、マイクロサービス・アーキテクチャの構築に関連する一般的な課題に対処しながら、アプリの開発と設計を簡素化できます。
そのための便利な方法として、Compass のようなツールを使用し、エンジニアリングの成果とチーム・コラボレーションの詳細を 1 つのまとまったプラットフォームに統合し、マイクロサービス・アーキテクチャの管理を合理化します。Compass は拡張可能な開発者エクスペリエンス・プラットフォームであり、エンジニアリング成果とチーム・コラボレーションに関して分断された情報を一元化された検索可能な場所にまとめます。適応性に優れ、さまざまな情報を 1 つのアクセス可能な場所に簡単に収集します。
マイクロサービスの設計パターン:よくある質問
DevOps チームのマイクロサービスの設計パターンにはどのようなトレンドがありますか?
新たなトレンドとしては、マイクロサービスとサーバーレス・コンピューティングの統合、コンテナー化、エッジ・コンピューティングの影響などがあります。このようなトレンドに合わせていけば、DevOps プロジェクトにアジャイル・プラクティスを取り入れ、費用対効果を高め、将来の課題に備えることができるでしょう。
マイクロサービスの設計パターンを実装する際の一般的な課題には何がありますか?
設計パターンを実装する際の一般的な課題には、分散型システムにおける複雑さ、テストの難しさ、一貫性の維持などがありますが、いくつかの戦略を採り入れれば、大きな効果が得られます。
- プロセスを、小さく管理しやすいパーツに分割します。マイクロサービス開発を簡素化するツールとフレームワークを使用し、一度に 1 つのパターンに集中して、徐々にアーキテクチャを構築していきます。
- 自動テストを実装して、各マイクロサービスが想定どおりに機能することを確認します。
分散型システム全体で標準化されたプロトコルとツールを使用します。
DevOps チームはどのようにしてマイクロサービスの設計パターンを CI/CD パイプラインに統合できますか?
マイクロサービス・アーキテクチャ設計パターンの CI/CD パイプラインへの統合は、DevOps チームの戦略の 1 つです。これはマイクロサービスの本質である、頻繁かつ段階的な更新をスムーズに処理するための自動デプロイから始まります。
徹底的なテストでは、各マイクロサービスの機能を個別に確認し、統合時にはすべてが連携して機能することを確認します。各マイクロサービスの健全性とパフォーマンスを慎重に観察するには、監視と可観測性が不可欠です。
統合プロセスでは、DevOps プラクティスとマイクロサービス・アーキテクチャを緊密に連携させる必要があります。これらの要素が連携すれば、より効率的でレジリエンスに優れ、応答性の高い開発とデプロイのワークフローが完成します。
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