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『シン・エヴァンゲリオン 劇場版』の制作にも貢献

スタジオカラーのDX推進を支える情報共有基盤


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業界

映像制作事業

場所

日本、東京都

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課題

  • これまで培われてきた膨大なナレッジの蓄積、共有化による、作品制作のDX促進
  • 機密性の高い作品情報に対するアクセス管理の実現
  • 高い検索性による、各種情報の視認性の向上

効果

  • Confluenceの導入により、膨大なナレッジの効率的な蓄積・管理・共有化を実現
  • 権限設定と、ID基盤との連携による柔軟なコンテンツへのアクセス管理が可能に
  • Confluenceの優れた検索機能により迅速な情報へのアクセスを実現

作品の完成に貢献するためのIT基盤の増強を推進

監督・プロデューサーの庵野秀明氏が代表取締役を務める、映像企画・製作会社カラー。アニメ等を手掛ける制作スタジオの「スタジオカラー」を擁し、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズをはじめとした数々の作品を世に送り出し続けています。2017年には、株式会社カラー、株式会社ドワンゴ、学校法人 麻生塾の3社共同により、アニメーション制作スタジオ、プロジェクトスタジオQを福岡に設立。3DCGアニメーションを主とした人材育成や、デジタル制作にも取り組んでいます。

カラーは、「作品の完成に貢献する」ためのIT基盤の強化も進めてきました。2017年より、「クリエイティブに専念できる環境」と「継続性あるシステムの計画と実行」を掲げ、インフラの増強や各種コミュニケーションツールの導入により、デジタル変革(DX)を加速させています。

その一環として実施されたのが、ツールの活用による膨大なナレッジの管理と共有でした。カラーのDXを主導してきた執行役員 技術管理統括の鈴木慎之介氏は、「一般にアニメ業界では継続的なプロジェクトが少なく、カラーでも作品ごとに培われ、蓄積されてきた膨大なナレッジが管理・共有されておらず、その後の作品作りに十分に活用しきれていないと感じていました」と振り返ります。

そうした課題の解決に向けて導入されたのが、アトラシアンのコラボレーションツール「Confluence」です。「私は以前からConfluenceを利用および導入を行なっており、認証によるコンテンツへのアクセス制御が可能であることをはじめ、多様なフォーマットに対応していること、ソースコード管理のシステムとの連携がスムーズにできることなど、数々の優位性を評価し採用しました」と鈴木氏は説明します。

「シン・エヴァンゲリオンの設定資料等は、プロジェクトに関わっているスタッフしか閲覧できないようConfluenceでアクセス権の管理を行っています。」

Headshot

株式会社カラー 執行役員 技術管理統括 兼 株式会社プロジェクトスタジオQ 取締役 副社長 技術管理統括
鈴木慎之介氏

作品の各種設定から社内連絡まで約10万ページにわたる膨大な情報を管理

2017年のプロジェクトスタジオQ への導入に続き、2018年にカラーにも展開されたConfluenceは、全社員向けの連絡や申請書の提出方法、制作アプリケーションの検証結果といった全社共通ページをはじめ、制作やシステム等の部門ごと、さらには作品別にもページが作成され、情報共有が行われています。制作部門のConfluenceの利用シーンについてシステムエンジニアの阿部湧人氏は、「例えば、2021年3月に公開された『シン・エヴァンゲリオン劇場版』についても、様々な設定情報や制作に関するドキュメントの管理や共有が行われています。登場するキャラクターの資料のほか、劇中に登場する車両やメカ類の初期案からブラッシュアップされていった過程のすべて、毎週のCGチェック結果の議事録など、あらゆる情報が変更履歴とともに残されています」と説明します。

「Bitbucketは、社内のソースコードをはじめ、プロジェクトスタジオQと共同開発しているツールの共有リポジトリとして利用しています。」

Headshot

株式会社カラー システムエンジニア
阿部湧人氏

制作時のやり取りでは、Slackとの連携も行われています。「例えば、バーチャルカメラによる撮影のやり取りでは『次の撮影はこのシーンを使います』『最新バージョンはこれです』といった連絡が、シーン情報が登録されているConfluenceのリンクをSlackに貼ってやり取りされることも多く、Confluenceベースで作業が進められています」と阿部氏は話します。

公開前の作品の情報が外部に漏れないよう、機密保護についてもConfluenceの機能が有効活用されています。「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の設定資料等は、プロジェクトに関わっているスタッフしか閲覧できないようConfluenceでアクセス権の管理を行っています。加えて、アニメスタジオはプロジェクトごとにスタッフが入れ替わるケースも多いのですが、クラウドID基盤とのSAML連携により、Confluenceのアカウント追加・削除も簡単に行えることもメリットですね」(鈴木氏)

そして、鈴木氏が最も評価しているのが検索機能です。「入力したキーワードで全文検索すればほしい情報がすぐに表示される検索性の高さとレスポンス性は最高ですね。過去の記録の網羅性と情報の視認性が向上したと考えています」(鈴木氏)

検索機能は、システム部門の問い合わせ対応の迅速化にも貢献しています。阿部氏は、「例えば、制作に利用するソフトウェアパッケージについて、構成情報の問い合わせを受けることが多々あるのですが、単にプラグインの名前だけを言われても検索機能を使えば即座にそれが何のパッケージに該当するのか表示されるので、素早い対応が実現されています」と話します。

このほか、システム部門でも各種ドキュメントや作業マニュアル、見積りやシステム調達に関する情報がConfluence上で管理されており、全社共通ページを含め、カラー全体で利用しているページ数は約10万ページにまで達しているといいます。

引き続き今後も業務とデジタル制作のDXに邁進

さらにカラー、およびプロジェクトスタジオQでは、Gitコード管理ツール「Bitbucket」も採用しています。「社内のソースコードをはじめ、プロジェクトスタジオQと共同開発しているツールの共有リポジトリとして利用しています。各ツールからファイルサーバの特定リポジトリを参照することで、統一された最新版の環境を入手するという利用ケースが多いですね」と阿部氏は話します。

Confluenceの導入により、作品づくりに貢献する情報共有と活用を実現したカラー。

「Confluenceは今やあって当たり前のインフラになっており、実際、Confluenceありきで業務フローを考えているため、それなしには業務を進められません。」

鈴木氏

鈴木氏は、「デジタル制作における各種情報は、ビジュアル的な要素も含め複雑なものが少なくありません。そうした膨大な情報が、優れた視認性のもとに共有化されたことで、多くの制作スタッフの業務効率が向上しました。結果、作品づくりにも大きく貢献できたと考えています。Confluenceは今やあって当たり前のインフラになっており、実際、Confluenceありきで業務フローを考えているため、それなしには業務を進められません」と話します。

「今後もConfluenceをはじめとした、優れたツールの活用によりDX化をより一層進めていきたいと考えています。そしてカラーは、ともにデジタルを活用した業務改革に取り組んでくれるエンジニアをいつでも募集しています。私たちと一緒に新しい映像制作のしくみを考えていきませんか?」(鈴木氏)

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