アトラシアン、企業人の期待感を調査 ー 従業員は企業が社会的課題に取り組むことを期待


企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するソフトウェア企業のアトラシアンは、最近実施した企業人への調査から、従業員は自らが働く企業が環境、ヘルスケア、生活費など社会が抱える課題に積極的に取り組むことを望んでいることが明らかになったと発表しました。

調査は幅広い地域と業種において様々な属性を持つ、豪州1,200名、米国2,500名を超える企業で働く人々を対象に実施、「The Return on Action Report(アクション・リターン)」と題された調査レポートにまとめました。そこには、企業こそが社会の重要な課題の解決に率先して取り組むべきという従業員の期待が現れています。これは、世代を超えた多くの従業員が企業に対して抱く新たな期待、企業のアカウンタビリティ(説明責任)やモラル(道徳的義務)を示した初めての調査レポートといえます。

調査はPwCオーストラリアに委託して実施しました。調査から社会問題に取り組まない企業は従業員を失う可能性が高いことがわかりました。米国の従業員のほぼ3分の1(32%)は企業が自分の価値観に合わない方法で行動した場合には退職すると回答しました。社会問題意識の高いZ世代については43%がそのように回答し、半分以上(57%)が政治的・社会的課題について従業員が意見を述べることを企業は認めるべきだと考えています。

経済や環境に対する懸念
米国では属性を問わず多くの従業員が、ビジネスが影響を及ぼすことができる2つの大きな要素は経済問題と環境問題であるとしています。企業は適切な賃金と平等な雇用機会を通じて賃金格差問題に対処し、また、地域コミュニティーへの貢献と説明責任を果たすことが期待されています。

また、回答者の大半は、企業活動が環境にもたらす影響については企業が全責任を負う必要があると考えています。また、大多数が廃棄物や汚染問題に対して意義ある変化をもたらすために、持てるリソースを活用すべきとしています。豪州では灼熱と干ばつの夏が終わろうとしていますが、豪州の従業員は水問題を3大課題の1つとみています。

組織の内部から変革
アトラシアンの共同創業者で共同最高経営者のマイク・キャノン=ブルックスは次のように述べています。「あらゆるビジネスが転換期に来ている現在、いかなる企業も社会が抱える課題を見過ごすわけにはいきません。ビジネスリーダーとして私たちはとてつもなく大きな責任を背負っています。従業員は私たちビジネスリーダーがよりよい世界を作りあげていくことを期待しており、そのために意味のある変革を起こすことは企業の使命です」。

同じく共同創業者で共同最高経営者のスコット・ファークァーは、「私たち企業の経営者は従業員の意見にじっくり耳を傾けなければなりません。私たちが社会に与えたインパクトが、結局は自分たちへのインパクトや評価となって返ってくるのです。現在、そして未来の従業員は、企業が社会に与えるインパクトに対して今まで以上に関心を持ち、企業が行動することを望んでいるのです」と述べています。

調査方法について
アトラシアンは豪州と米国の企業で働く人々の優先事項、期待、行動様式を理解するためにPwCオーストラリアに調査実施を委託。特に、従業員がどのような社会問題に最も関心があるのか、どこに責任があると考えているのか、企業が従業員の価値観の変化に応じて社会問題の解決に取り組むことの意味、あるいは取り組まない場合の意味等に重点を置き調査を実施。

まず、2019年10月に豪州の企業で働く人69名と米国の企業で働く人96名を対象に詳細にわたる定性調査を実施。それを基に12月に豪州で1,212名、米国で2,421名の母集団による定量調査を完了。調査サンプルは多様な人種、地域、業種を抽出。定性および定量調査レポートには豪州・米国市場のそれぞれの調査結果がまとめられている。

※上記は3月10日にシドニー・サンフランシスコにて配信したプレスリリースの翻訳版です。


アトラシアンについて
2002年豪州シドニーで創業。あらゆるチームの可能性を解き放つことを企業のミッションとし、チームによる作業の整理、議論、完遂を支援するコラボレーションソフトウェア開発を手掛けています。アトラシアンの顧客はゼネラルモーターズ、ウォールマートラボ、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、リフト、スポティファイ、NASAなど16万4千社を超えています。顧客企業はプロジェクト管理、コンテンツ作成・共有やサービス管理ツールを利用することでチーム・コラボレーションを実現し、期限内に質の高いサービスや製品を提供することがきています。主要製品はソフトウェア開発チーム向けのオンプレミスおよびSaaSプロダクトで、Jira Software(プロジェクト管理)、Confluence(コラボレーション)、Trello(タスク管理)、Bitbucket(ソースコード管理)、Jira Service Desk(ITSM)などがあげられます。日本法人のアトラシアン株式会社は2013年の設立以来、日本語によるお問い合わせ対応や技術サポートの提供、マーケティング等の業務を行っています。https://www.atlassian.com/ja