DevOps 成功の基盤とは?500人のプロの聞きました

本ブログは、こちらに掲載されている英文ブログの翻訳です。万が一内容に相違がある場合は、原文が優先されます。


By SHANA VU
Associate Product Marketing Manager

私たちは、ここ15年の間にDevOpsがアイディアからひとつのムーブメントになるのを目撃してきました。開発と運用の間のサイロを取り除き、より迅速なソフトウェアの提供と信頼性の向上を達成するというDevOpsの約束は、いまや多くの組織にとって現実のものとなっています。

アトラシアンは最前列でこの変化を見守ってきましたが、もっと詳しくDevOpsの現状を把握したいと思いました。そこで、今年の2月に開発者とIT部門の意思決定者500名を対象として、DevOps実践が成功した経緯や、直面した障害、ツールやカルチャーが仕事にもたらした影響など、DevOpsに関する調査を実施しました。

調査結果から、大きく3つのトレンドと1つのテーマが浮き彫りになりました。DevOpsは「やるかやらないか」という問題ではなく「いつやるか」という問題であるものの、その道のりは決して平坦なものではないようです。

トレンドその1: DevOpsはいまや企業用語である

2000年代初頭にアジャイル が一種のバズワードとして始まってから普遍的な働き方へと進化していったように、DevOpsはいまや主流となりました。私たちの調査結果では、回答者の54%が3年以上DevOpsを実践している企業に所属していると回答しています。

そしてアジャイル が変化する市場への対応を支援するように、DevOpsはソフトウェアが世界を飲み込む状況において企業が競争力を維持する支援をしています。また、回答者は一貫してDevOpsはビジネスにポジティブな影響を与えたと回答していて、中でも高品質な成果物を最も大きなメリットとして挙げています。さらに、回答者の49%がDevOpsへシフトした結果、製品やサービスなどの市場投入までの時間短縮とデプロイメント頻度の向上が見られたと回答しています。

またDevOpsは、サイロを取り除きコラボレーションを促進するという約束を果たしているようです。

回答者の半数近くが、DevOpsプラクティスを活用してから非技術チームとのコラボレーションが増したと回答しています。

このことは、DevOpsを実践するチームがエンジニアを超えたコラボレーションを実現するには、適切なツールとプラクティスの存在が不可欠であることを明確に示しています。

トレンドその2: DevOpsの実践は難しい

回答者の80%以上が、DevOpsの実践面においてレガシーなインフラから企業文化までを含む幅広い障害に直面したと回答しています。ツールとプラクティスの導入の両方を任されることの多い開発者、IT運用管理者、SRE(Site Realiability Engineering)で構成されるDevOps実践グループにとっては、特に困難を伴います。

プロジェクトの進捗を把握するといった一見単​​純にみえる作業について、65%が3つ以上のツールを駆使する必要があると回答しました。さらに、回答者の3/4が複数の最適なツールの使用を好むことが分かりました。

このことから私たちは

問題はツールの数ではなく、ツールと利用者同士がお互いにコミュニケーション出来ていないことだ

と考えました。

DevOpsはいまや当たり前のプラクティスとなっており、3つに2つの組織でDevOpsがつくチームや職種があることが分かりました。ただし、新しい働き方を身につけることなく単純に組織名に「DevOps」をつけることやツールを増やすことはアンチパターン(外部英語サイト)として知られています。

DevOps実践者には、ツールや肩書きだけでなく、スキルの習得も求められています。回答者の78%が、組織がDevOps実践に動いた結果新しい技能の習得が必要になったと回答しており、CI/CDGitおよびアジャイルといったコア・コンピテンスに関する知識の会得が重要であることを示しています。

トレンドその3: 意思決定権者と現場の実践者には見解の相違がある

多くの場合、DevOpsへの期待と現実には乖離があります。そして、DevOps実践者の約半数が具体的にどのように組織のDevOpsプラクティスを向上すれば良いか分からないと言っています。

調査から私たちは、DevOpsジャーニーにおいて実践者は強力なコラボレーション文化を構築することに重きを置いている一方で、意思決定権者は個々人の能力に価値を置く傾向にあることを発見しました。意思決定権者は、チームコラボレーションではなく、アジリティとベロシティをDevOps成功の鍵として重要視する将来を見据えたマインドセットを高く評価しています。

しかしながら、回答者の39%がツールよりも適切な人と文化の確保がDevOpsの成功に最も重要な要素であると回答しているように、DevOps実践者の見解に対する理解が組織内で深まるにつれ、そのギャップは徐々に埋まりつつあるようです。

詳細については調査レポートをご覧ください

私たちは、この調査結果の見識がみなさんの組織やチームにおいてDevOpsジャーニーを上手い方法で進んで行くための建設的な議論のきっかけになることを願っています。いつの時代にも導入可能な新しいテクニックやツールは存在しますが、DevOps実践者のコラボレーションや仕事のやり方は、パフォーマンスの高いDevOps組織を構築の土台となります。

そしてアトラシアンにとって、この調査結果は単に議論を促進しただけではなく、そこから明らかになったいくつかの問題を解決するための12の新機能を提供し、チームのDevOps業務と統一しコラボレーションにかかる余計な負荷を削減することに繋がっています。