【Team ’23】最新情報総括:ファウンダー基調講演

【Team '23】Day 1 – 会場の様子とオープニングキーノートレポートに続き、アトラシアン最大の年次カンファレンス「Team '23」 の日本語ブログ第3弾を、会場のラスベガスからお届けします!本ブログでは、イベント2日目(Day 2)に実施された、アトラシアンのファウンダー(創業者)の基調講演の内容を要約します!

基調講演会場の舞台デザイン
  1. 会社の現在とメッセージ
  2. この1年の総括と製品情報
  3. 製品を支えるプラットフォーム最新情報
  4. プラットフォームの最新機能、Atlassian Intelligence

1. 会社の現在とメッセージ

共同創業者兼CEO、スコット・ファークァー

ファウンダーキーノート、トップバッターは共同創業者兼CEOのスコット・ファークァー、創業当時から今に至る歴史を振り返ります。20年と少し前、共同創業者2人がアトラシアンを創業した当時は、この規模のイベントをラスベガスで開催し、オンラインでストリーミングするなんて、まず「不可能」だと思われた、と語り始めます。

「会社よりも、個人よりも、大切なのは『チーム』である。チームこそが最高の投資であり、アトラシアンはその可能性を解き放つために在る。かつてないほど、弊社が信じるミッションが大切と言えるのではないか」と強調したのが印象的でした。

アトラシアンはwork differently, together(異なる方法で一緒に働く)という考え方で、リモートワークのメリットを享受でき、ソフトウェアビジネスの成功を実現するべく、ユーザーの皆さまと共に歩んでいます。チームの力で、今までも不可能と思われてきたことを可能にしてきました。この経緯と想いを言語化したのが、「Impossible Alone. Possible Together」という今回のイベントの展示ホール入り口上部にも大きく張り出されていたメッセージでもあります。

現在、アトラシアンの社員は1万人、そして25万社を超えるお客様に製品をご利用いただくまでになり、多くのお客様に助けられて、この「不可能を可能に」できた、と振り返ります。ここで、会場中から盛大な拍手が起こり、Atlassianの成長をお客様からも祝福して頂いている、というとてもありがたい気持ちをダイレクトに感じることができました。

ユーザー企業数が25万社に達した現在

デジタル化により全ての会社がテック企業になりつつあり、特にここ数ヶ月のAIの進化により、長年言われ続けた「Software が世界を飲み込んでいく」スピードはかつてないほど加速的にインパクトを増している。この重要性の高まりを受けて、昨年のTeam ’22イベント以降、アトラシアンの3つのソリューション領域に特化したグローバルイベントをそれぞれ実施する初めての試みに取り組んできました。

2. この1年の総括と製品情報

3つのイベントとそれぞれの領域のトピックを、以下のように振り返りつつ、最新情報にも触れていきました。

  • Agile & Dev Ops領域 : 今年2月にベルリンでUnleashというイベントを開催。プロダクト開発におけるアイディアのコラボレーションを促進し、機能開発の優先順位付けなどを行う「プロダクトディスカバリー」と呼ばれるフェーズに特化した「Jira Product Discovery」を発表。現在ベータ版として提供されているこの製品、アトラシアン製品の中でも最高の満足度評価をユーザー様から頂いているとのこと。他にも、昨年だけでもJiraのロード時間が18%も高速化している、Jira内の課題検索のユーザー体験改善施策などにも触れました。
  • ITサービス管理領域:Unleashの前に、イギリスはロンドンでHigh Velocityというイベントを開催。ガートナーによると、10社に8社がITサービス管理のために、契約額の50%もの過剰な支出をしているとの事。アトラシアンの「Jira Service Management」は300以上の検証済みテンプレートを提供し、フォームやワークフローを簡単に作ることができよう引き続き開発を進めています。Jira Service Managementのリリースから数年経ちますが、現在45,000社のお客様にご活用いただいており、フォレスターリサーチ社とガートナー社からITサービス管理の領域でリーダーとの評価をいただくまでになりました。
  • ビジネスプロセス管理領域: さらにその前に、サンフランシスコでWork Lifeというイベントを開催し、タスク管理、プランニングの文書化、コラボレーションといった領域について話をしました。当社製品では、Trello、Confluence,Jira Work Management、Atlas等が該当します。この製品群は世界で15万社にご利用いただいており、フォーチュン500社の86%がその中に含まれる点も見逃せません。このイベントではベスト・オブ・ブリードな製品群の大規模展開を容易にするための新しいサブスクリプション「Atlassian Together」を発表し、提供を始めています。
    そしてコラボレーションを更に促進するため、新しくConfluence Whiteboardを発表しました。デジタルキャンパスとも言えるこの機能で、柔軟にアイディアを視覚化し、ビジュアルなコラボレーションが可能になります。アトラシアンならではの連携方法として、Whiteboardにある付箋から、直接Jiraのチケットを起票するといったことも紹介されました。ここでも、Whiteboardの発表と、「直接Jiraチケットの起票」のところで会場から非常に大きな拍手が起こり、直感的なインプットや共同作業へのお客様の期待の高さを感じたのが印象的でした。Confluence Whiteboardは現在、早期アクセスプログラムとして、すべてのConfluenceユーザーに無料でお使いいただくことができます。ぜひ、皆さまのサインアップをお待ちしております。

Confluence Whiteboard

3. 製品を支えるプラットフォームの総括

アトラシアンのプレジデント、アヌー・バラドワージ

次に、アトラシアンのプレジデント、アヌー・バラドワージが登壇し、Atlassian Cloudの製品群を支える基盤であるプラットフォーム領域の最新情報を総括しました。

スケールとパフォーマンスの強化:Jira SoftwareとConfluenceでは最大50,000ユーザーをサポート可能となることや、それぞれビューやページロードが1.5倍、3倍高速化されたことなどが紹介されました。

Beacon:Atlassian Platformには、エンタープライズクラスの要求に応えていくためのさまざまな機能追加が継続される予定ですが、その1つとして今回ベータ版で発表するのがBeaconです。Beaconは悪意のある挙動や平常時と異なるユーザーの行動を検知するエンジンです。悪意のある検索、異常なユーザーの行動、認証、サードパーティーのアプリの行動やインストールなどが対象となります。Beaconは全てのクラウドユーザーに対してオープンベータとして提供を開始します。

管理機能:管理機能の強化、Atlassian Admin Hubからのユーザー、製品、サブスクリプションの集中管理など。

コラボレーション:別のツールに移動せずともステータスなどから情報を確認できるスマートリンク機能の強化。

自動化:2020年にJiraのAutomation機能が提供開始されて以来、100億の自動化されたアクションがアトラシアンのプラットフォームで実行される、という驚くべき利用状況です。この価値を更に広げるため、さらなる自動化の機能をConfluenceにも提供します。

Atlassian Analytics:Atlassian Analyticsが正式に提供開始となりました。Jira Software、Jira Service Management、Confluence Cloudの、Enterpriseエディションでお使いいただくことができます。

4. プラットフォームの最新機能、Atlassian Intelligence

共同創業者兼CEO、マイク・キャノン・ブルックス

アヌーの発表が終わると、今度は共同創業者兼CEO、マイク・キャノン・ブルックスが登壇しました。そして、同じくプラットフォームの最新機能として、Atlassian Intelligenceが発表されました!もちろん、会場内は拍手が起こりますが、実はこの後の具体的なユースケースのほうでも同じぐらいの反応があったのが印象的でした。やはり新しい機能というだけでなく、皆さま実際の現場でどう活用できるのか、という点のほうがイメージしやすい、というのは国内・海外問わず同じ感覚なのだな、と感じさせられる一幕でした。

Atlassian Intelligenceは、「あなたのチームに新しく加わるバーチャル・チームメイト」と位置づけられ、アトラシアンが何年も前から、パーソナライズされた検索機能や、コラボレーションに最適な人やチームの提案機能など、製品体験を強化するために活用してきた機械学習技術の独自モデルとOpenAI社とのコラボレーションによるAIを活用し、当社のクラウド製品共通のテクノロジー基盤であるAtlassian Platformに組み込まれます。大規模言語モデルを用いて、特定の企業におけるチームがどのように協働するかを推測し、行われている作業の種類と、それらの関係性を表示するカスタムなチームワーク・グラフを構築します。チームワーク・グラフは、Atlassian Platformのオープンな仕様により、チームが他に活用しているサードパーティーアプリからのデータと合わせて、さらに強化されます。

Atlassian Intelligenceの詳細はこちらのブログにもまとめられていますので、ぜひ御覧ください!

また、プラットフォームならではのポイントとして、同日Day2の他の各種キーノートにおいてもその利便性があらゆる製品へ波及していったのが印象深いところでした。Atlassian Intelligenceを活用したJira Service Managementのバーチャルエージェント機能が発表されたり、Confluenceのページ内容を一瞬で手短に要約する、分からない略語をConfluence内から解析して解説してもらう、などなど。様々な具体例が示されるたびに会場のあちこちから歓声や隣の人と互いに耳打ちしながら「あれはどうなんだろ?」「こんな事できるのかな?」といったニュアンスのリアクションが耳を澄ますと聞こえてきたのは興味深いところでした。

プラットフォームの強力な新機能ゆえに、すべての製品へこれから新機能や新しいユースケースをもたらす、その第一歩がここから始まるのかと考えると、アトラシアン製品の新しい価値創造の始まりに現地から立ち会えた事をとても光栄に思います。これから、日本のユーザー様の反応や、活用にあたってのアイディアをお聞きしていくのが楽しみでなりません。

一方、発表後から展示会場ではAtlassian Intelligenceのブースが解禁となり、基調講演を聞き終えた来場者の皆さまが早速質問や話を聞きに来ており、とても賑わっていました。当然ながら注目度は高く、じっくりと話を聞ける余裕はなかったのですが、そんな中でもブースの様子だけでもお伝えできればと思います!

また、最後になりましたが、今年のTeam ’23で発表された主要なトピックを60秒にまとめた動画(英語)も公開されていますので、ぜひこちらもご覧ください!