BitbucketでのMercurialサポート終了について

2008年のBitbucket登場以来、バージョン管理ソフトウェアの市場は大きく発展してきました。Bitbucketの提供開始当初は、業界では集中型バージョン管理が主流で、Mercurialのリポジトリのみサポートしていました。その後、Gitの採用が伸びて標準のシステムとなり、チームの形態が分散するにつれ、あらゆる規模の作業を効率化するのに貢献しました。

昨年、Bitbucket Cloudの登録ユーザーが1000万人を超えた際、改めて市場の状況を見直し、今後いかにより良いユーザーサポートを提供するかを熟考した末、Bitbucket CloudとそのAPIからMercurialのサポートを終了することを決定しました。

当初2020年6月1日にMercurial関連の機能とリポジトリを削除することを予定していましたが、新型コロナウイルスによる影響を鑑み、1か月延長して7月1日に実施することとなりました。なお、既に2020年2月1日の段階で、新規にMercurialのリポジトリを作成することはできなくなっています。

なぜGitに注力するのか

過去10年でDevOpsの導入は急増し、飛躍的にこの新しい働き方へのシフトが起こっています。こうした中、Bitbucketは単なるバージョン管理ツールから、ソフトウェア開発のライフサイクル全体を管理する場へと進化してきました。Bitbucketチームは今年、自動化とコラボレーションを強化するために、より密な統合の構築に注力する予定です。計画からコーディング、テスト、デプロイまでの全工程をより簡単に、そして安全にBitbucket内で行えるような機能向上に取り組みます。

高品質な機能の構築には徹底的な集中が必要で、2つのバージョン管理システムをサポートするには、その集中も分散しなければなりません。リリースまでの時間やコストも2倍必要です。Gitがより広く使われているがゆえ、Mercurialでの問題が見落とされるリスクもあります。

Stack Overflowによる開発者への調査によると、約90%がGitを使用する一方でMercurialは約3%と最も低い利用度となっています。実際にBitbucket上でのMercurialの使用も減っており、新規BitbucketユーザーのうちMercurialを選択する割合は1%にも満ちません。

こうした背景から、Mercurialのサポートを終了することに決定しました。この度の決定は苦渋の決断でしたが、今後BitbucketがよりGitに注力することで、ユーザーにとって最高のエクスペリエンスを構築することに最善を尽くします。

7月1日まで:Gitへの変換または移行のお願い

ユーザーの皆様には、Bitbucket内にお持ちのMercurialのリポジトリをGitに変換するか、他サービスへの移行をお願いします。

アトラシアンでは、Gitに変換することをお勧めしています。変換には、hg-fast-exporthg-git mercurial pluginをはじめとする、さまざまなツールが用意されています。変換に関する詳細やご質問については、Atlassian Communityのスレッド(英語)をご覧いただくか、サポート窓口までお問い合わせください。なお、Bitbucket CloudでGitを使用するためのチュートリアルも公開されているので、お役立てください。

もし、引き続きMercurialの使用を希望される場合は、無償および有償のMercurialホスティングサービスが数多くありますので、そちらへの移行をお願いします。

最後になりましたが、これまでBitbucket Cloudを利用し、ここまで育ててくださったユーザーの皆様にお礼を申し上げます。引き続き、新たなロードマップを元にユーザーの皆様を支援する新機能を提供してまいります。