この記事は、What 5M+ daily MCP tool calls taught us about the future of AI at work – Inside Atlassian の抄訳です。
エージェントは実際どう使われ、誰が価値を得ているのか
約6か月前、Atlassian Rovo MCPサーバーが一般提供となり、Claude、Cursor、そしてあらゆる主要なAIエージェントに、私たちのお客様のためにアトラシアンへの直接アクセスを提供しました。今日では、100万人を超えるユーザーがエージェントを通じて実際の業務をこなしています。
しかし、その数字が本題ではありません。本題は、そうしたやり取りの中で起きていることです。つまり、AIエージェントがエンタープライズ規模で実際にどう使われているのか、そして誰が最も大きな価値を得ているのか、ということです。その答えは、Teamwork Graphにたどり着きます。Teamwork Graphは、アトラシアンとお気に入りのあらゆるSaaSアプリにわたって、作業・人・ナレッジ・コードをつなぐ、生きたコンテキストレイヤです。
エージェントが、仕事をこなしている
私たちのMCPサーバーでは、毎日500万回を超えるコールが発生しており、その数は増え続けています。これはつまり、エージェントがJiraの作業項目を作成し、ステータスを更新し、意思決定を記録し、そして作業を「なぜそれが重要なのか」を説明する会話に結びつけている、ということです。
これらのエージェントは、単に仕事のシステムを観察しているだけではありません。全面的に参加しているのです。彼らは、コミット権限を持つチームメイトです。
最もヘビーに使っているのは、必ずしもあなたが思い浮かべる人たちではない
驚くかもしれない事実があります。MCPユーザー全体の44%は、ソフトウェアチームに属していません。しかも、その割合は毎月増え続けています。さらに、Cレベルの経営幹部やプロダクトマネージャーは、エンジニアと同じくらいヘビーにMCPを使っています。
なぜでしょうか。それは、複数のツール・チーム・意思決定をまたいで統合することが仕事である人たちこそ、最も大きなワークフローの分断に直面しているからです。そして、彼らはそれを手放せなくなります。もともとはパワーユーザーのエンジニア向けのツールとして始まったものが、瞬く間に、あらゆるナレッジワーカーが自らのコンテキストをエージェントにつなぎ、根本的に異なるレベルで働くための手段になったのです。
ここにTeamwork Graphの価値があります。それは、1つの作業項目やページを表示するだけにとどまりません。Teamwork Graphは、あなたの組織の共有された頭脳であり、SaaSアプリのエコシステム全体の集合知です。しかもそれに、どんなエージェントも人も、たった1回のやり取りでアクセスできるのです。
エージェントのあらゆる操作が、システム全体を賢くする
私たちがついつい夢中で語ってしまうのが、MCPツールコールのおよそ3分の1が書き込みだという事実です。これはつまり、エージェントがデータをただ消費するのではなく、構造化されたデータを生み出しているということです。これは実に大きな意味を持ち、私たちがこれまで見てきたどんな連携とも異なるパターンです。
書き込みが行われるたびに、構造化されたコンテキストがアトラシアンに戻され、次のエージェントとのやり取りに向けて、より多くの関係性と、より多くの組織的な記憶が積み上がっていきます。
これは、複利のように増していく価値を生み出します。利用がより豊かなコンテキストを生み、より豊かなコンテキストがより良い回答を生み、より良い回答がさらなる利用を促す——という循環です。つまりエージェントは、あなたのチームの記録システム(system of record)を、リアルタイムに、そして仕事の流れの一部として、利用すると同時に、それに貢献しているのです。
エンタープライズは、遅れるどころか、先頭を走っている
私たちの月間アクティブユーザーの50%超は、エンタープライズのお客様です。テック業界に長くいる人なら、これが異例だとわかるはずです。エンタープライズは、往々にしてより長い助走期間を必要とします。
しかし今回に関しては、理にかなっています。組織が大きいほど、ツールは分断され、調整コストは高くなり、つながったコンテキストレイヤの価値はいっそう高まります。それこそが、Teamwork Graphが提供するものです。しかもJiraやConfluenceだけでなく、Googleドライブ、Slack、そしてあなたのツールスタック全体にまたがって、です。だからこそ、最大規模の組織ほど、MCPの導入に素早く動いているのです。
さらに、Atlassian Rovo MCPサーバーが設計段階からエンタープライズ対応である点も後押しになっています。アトラシアンがホストし、OAuthで保護され、既存の権限を尊重し、どのAIクライアントが接続できるかを管理者が制御でき、それらが何をしているかを完全に監査・可視化できます。
より豊かなコンテキストは、より良く、より費用対効果の高い結果につながる
MCPについてよくある誤解は、それが次のJiraチケットを取ってくるための小洒落た手段にすぎない、というものです。しかし実態は、それとはまったくかけ離れています。エージェントが作業項目を引き出すとき、それはしばしばひも付けすらされていない関連コンテキストを一緒に浮かび上がらせます。たとえば、当初のブリーフが書かれたGoogleドキュメント、背景となるリサーチが載ったConfluenceページ、そしてスコープが変わったSlackスレッド、といったものです。
良くも悪くも、私たち人間はリンクづけを怠りがちです。物事がつながっていると分かってはいても、それをいつも明示するわけではありません。Teamwork Graphは、それを常に行います。だからこそ、Teamwork Graphのコンテキストに基づいたエージェントは、48%少ないトークンで、44%正確な回答を返すのです。
AIエージェントが、企業が実際にどう動いているかについて持つコンテキストが多いほど、成し遂げられることも多くなります。アトラシアンのTeamwork Graphは、ほとんどのシステムが見落としているもの——人・プロジェクト・作業のあいだのつながりを捉えています。MCPを通じて、Claudeはその構造を手がかりに、ある情報が、進行中の他のあらゆる物事の中でどう位置づけられるかを理解し、それに基づいて行動できるのです。
Lee Blackwell
Applied AIリーダー、Anthropic
すべてのAIのやり取りにコストが伴う世界では、これは重要です。人・プロジェクト・意思決定・ツールのあいだの関係性について、あらかじめマッピングされた組織のコンテキストは、エージェントがそうした関係性をその場で、API呼び出しを1回ずつ重ねながら見つけ出すのに比べて、圧倒的に低コストで、より正確です。
AIの利用が組織全体へと広がるにつれて、構造化されたコンテキストがもたらすコスト面の優位性は、いっそう大きくなっていきます。
人々は戻ってくる。そして、新しい使い道を見つけ続ける
リテンション(継続利用率)は、どのコホートでも上昇しています。これこそ、一過性の流行と本物のトレンドを分ける類いの指標です。お客様は、MCPを自分たちの働き方そのものに、しっかりと組み込んでいます。
Figmaにおけるコネクタは、チーム全体のプロダクト開発ワークフローの中核をなす存在になっています。プロダクトマネージャーがConfluenceドキュメントを取り込んでFigma Makeでプロトタイプを立ち上げるにせよ、デザイナーがJiraチケットを参照しながらFigmaのデザインエージェントとアイデアを探るにせよ、チームはマルチプレイヤーキャンバス上で共有コンテンツを使ってものづくりを進めながら、更新内容をアトラシアンのツールと同期させ続けることができます。
Anna Kohnen
VP of Partnerships、Figma
さらに、ユーザーはFigmaであれChatGPTであれ、自分が使いたいAIエージェントを通じて、すでに働いている場所からそのまま接続しています。組織のコンテキストが、ツールセット全体のあらゆるエージェントにより良く届くようになると、活用はおのずと後からついてきます。
エージェントの実際の働き方に合わせてつくる
データは、どこに投資すべきかを的確に教えてくれました。そして本日、私たちはこれらのパターンをもとに、新しいMCP機能の一式をリリースしました。ツールコール全体の3分の1が書き込みであることを踏まえ、私たちは複数ステップの作業をネイティブに扱えるようにしました。エージェントは、作業項目を作成し、関連ファイルを添付し、適切な担当者を見つけ、以前のコメントを編集し、その新しいチケットを、原因となったインシデントに結びつける——これらすべてを、1つの流れの中で行えます。さらに、コードと作業のあいだのより深いつながりや、利用が拡大してもトークンコストを低く保つ、精密にスコープを絞った取得機能も追加しました。これらの機能強化について、詳しくはこちらをご覧ください。
今後の展望
MCPの活用は加速し続けており、私たちが目にしているパターンもまた、勢いを緩めていません。ソフトウェアチーム以外のユーザーは、毎月増え続けています。エンタープライズのお客様は、導入に後れをとるどころか、先頭を走っています。そしてエージェントは、意思決定と実行を、コンテキストと行動を、そして人と本当に重要な仕事を結びつける層になりつつあります。
ユーザーから寄せられるこの1日500万回のコールは、つながった組織のコンテキストが確かな価値を生み出していることを、そして、それが私たちのものづくりを形づくっていることを教えてくれます。これからは、アトラシアンとあなたのツールスタック全体にまたがるより深いコンテキスト、複数ステップの作業をただ実行するだけでなく、自ら着手し、能動的に組み立てていくエージェント、そしてあなたの成長に合わせて拡張していくエンタープライズ向けガバナンス機能を、目にすることになるでしょう。
Rovo MCPサーバーをぜひチェックし、ドキュメントを開いて使い始めてください。Teamwork Graphについて詳しくは、teamworkgraph.comをご覧ください。