Atlassian Remote Summit 2020 – Day.2 Keynote レポート(その2)

アトラシアンの1年で最大の基幹イベント “Atlassian Summit”。今年は4/2-3の2日間で、初めてリモートでの開催となりました。これまで、Day.1とDay.2 前編のKeynoteを日本語でのまとめとしてお伝えしてきましたが、本ブログではDay.2(その2)としてDay.2のKeynoteの後半部分で発表された内容についてお伝えします。

クラウドの未来をスケールする

お客様事例としてアトラシアン製品とともにクラウド化という変革への道のりを語ったIntuitのササン・グダルジさんからバトンを受けたのは、アトラシアンでプロダクトを統括するアヌ・バラドワジ。アトラシアンのクラウド製品についてのアップデートを伝えます。アトラシアンは約10年前にクラウド製品を発表してから、様々な新製品や機能を発表してきました。その中で、注力していたポイントは3つだと言います。よりインテリジェントな製品、大規模データやユーザーへ対応可能なプラットフォーム、そして高度なカスタマイズ性です。

まずは、インテリジェントな製品について。クラウド製品を利用することで、仕事を進める中で関係する人と仕事をスマートに繋げる、と言います。その例として、まず機能が向上してパーソナライズ化された検索機能を紹介。グローバルサーチバーで検索を開始すると、これまで携わったプロジェクトや人、作成したチケット、閲覧したページまでを考慮したその人独自の検索結果が表示され、検索の体験が格段に向上しました。また、多くのユーザーの方々よりフィードバックをいただいているのが、Jiraからのメール通知が多すぎるということ。これも、 “Smart Notifications” 機能で解決します。複数の通知を1つにマージし、最も優先度の高い情報のみをメールで通知するということを可能に。メール量の30%削減を実現します。また、Confluenceページ上で@メンションをする際に候補として表示されるメンバーや、Jiraの課題上でのメンバーのアサイン、またラベルやコンポーネントを設定する際も、スマートエンジンの力でより最適な選択肢を候補として表示させ、膨大な数の候補から選択するといった手間と時間を省くことができます。アヌは、このように新しく生まれるスマートな機能によって、チームがより質とスピードを高めて仕事を進めることができると強調しました。

次に、高度なカスタマイズ性。今日のモダンな世界では、チームは市場に続々と誕生しているSaaSプロバイダーの製品の中から、それぞれのチームに最適なツールを選びベンダーの縛りなく自由に活用していくべきであると伝えます。アトラシアンも様々なSaaSツールとの連携を強めることで、お客様が柔軟に製品を選び最適な業務環境を構築することに貢献してきたと言います。加えて、アトラシアンのマーケットプレイス上にはクラウド製品用のアプリが1000以上あると紹介します。そして、このマーケットプレイス上のアプリの信頼性を高めるための活動として、セキュリティを担保するためのチーム配備や、セキュリティ認定の取得が必須基準となった新たなマーケットプレイスプログラムを開始したことも伝えました。また、アトラシアンのクラウド製品と連携可能なアプリの開発と運用を容易にするアトラシアン独自の開発プラットフォーム “Atlassian Forge” を発表。開発者やサードパーティーベンダーは、アトラシアン製品をカスタマイズして新たなソリューションを構築することができます。

そして、スケーラビリティについて。まずアヌはFortuneトップ500カンパニーの80%以上の企業から、急成長段階にある何千ものスタートアップ企業までがアトラシアンのお客様である点を例に挙げ、拡張性を重視している点を強調。そして、ユーザー数だけでなく地理的、業種的な視点も含めたスケーラビリティに関連する様々な新情報を発表していきます。まずは、昨年のサミットで発表したCloud Premiumのラインナップに、Jira Service Deskが仲間入りしたことを紹介。Jira Software、Confluenceに加えて、Premiumの恩恵である、無制限のストレージ容量、保証されたSLA、拡張サポートをJira Service Deskをお使いのお客様へも提供できるようになりました。

続けてセキュリティを増強させた新機能も紹介します。ユーザーから要望の多かった、IPアドレスをキーとしてクラウドサイトへのアクセスを制限する機能 “IP Allowlisting”。社内外の承認されたデバイスやネットワークのみがJiraとConfluenceにアクセスできる管理を可能にします。また、Jira Software Premiumでは、 “Advanced Roadmap” が登場。複数のチームのロードマップを1つのロードマップ上に掲載することができ、マクロビューから詳細のタスクの状況までを1つの場所で管理可能。依存関係や阻害要因の把握ができ、キャパシティ管理もできるようになります。更に、プロジェクトのアーカイブ機能もリリース。こちらの機能についても多くの要望をいただいておりました。利用しなくなったJiraのプロジェクトや課題を、アーカイブできるようになります。これでインスタンスの煩雑さを軽減しながら、必要な時はアーカイブの中から必要なデータを検索して探し出せるようになりました。そして、 “Jira Automation” の発表。Jira Software Premiumでは追加のアプリ不要でデフォルトで利用できます。これにより、Jiraに搭載されたノーコードのルールビルダーにより、Jiraイベントでワークフローをトリガーするルールを記述でき、頻繁に発生するタスクなどを自動化することができ、時間を大幅に節約することができます。これらのPremiumに新たに追加される機能を是非試して欲しいとアヌは伝えます。

次にJira Alignの新機能について。チームの枠を越えた大きな組織として舵をきっていくためには洗練された方法が必要だとし、そのためにJira Alignがあると伝えます。まず発表されたのは “OKR in Jira Align” 。OKRを採用している組織において大切なことである、「全ての階層のチームの戦略と実践の連携」が可能になりました。全てのチームが所属する組織の大きな目標を知ることができ、それぞれのチームがどのように組織の成功へ貢献できるかを可視化できます。更に、Trelloを使って進捗管理しているチームもJira Alignでの管理を可能とする "Jira Align Trello Connecor" も発表。JiraだけでなくTrelloを使っているチームも組織全体で可視化することができるようになります。

"Atlassian Cloud Enterprise" の発表

そして、ここでアヌからの今年のサミットでの最も大きなニュースが発表されます。Jira SoftwareとConfluence、そしてJira Service Deskを対象としたAtlassian Cloud Enterpriseのリリース。現在EAP(早期アクセスプログラム)受付中です。このクラウド製品の新エディションは、グローバルなエンタープライズ企業のニーズをカバーする目的で作られています。このエディションでは、ユーザー数上限の排除、組織のインスタンス、ユーザー、製品を一元管理し、セキュリティ、信頼性、変更管理が可能な管理コンソール、データの格納場所を指定可能なデータレジデンシー、新機能のロールアウトを調整し、まとめて展開可能とするリリーストラック、テスト環境のサンドボックス、99.95%のアップタイムを保証など、これまでアトラシアンのクラウド製品にエンタープライズ企業が求めていたものが数多くあります。詳細はAtlassian Cloud Enterprseページをご覧ください。この発表により、クラウド製品のエディションが全4種類となり、あらゆるユーザーのニーズに対応することが可能になったと自信を持って表明しました。

"Cloud Migration Center" の発表

更に、できるだけたくさんのお客様にクラウド製品を利用いただき、お客様自身のビジネスの成果を最大化してもらいたい、と強く訴え、そのためにクラウドへの移行を支援する "Cloud Migration Center" を発表。クラウド化の全てのステップに必要なツールやリソース、サポートが用意されています。昨年発表された "Confluence Migration Assisntant" に加え、Jiraの移行を支援する "Jira Cloud Migration Assistant" を発表。Jiraのどのプロジェクトをいつ移行するかを選択できるようになりました。加えて利用中のアプリの移行も支援するツールも紹介します。

もう1つ、現在サーバーなどのオンプレミス製品を利用いただいているお客様に必見の情報が発表されました。アプリのフットプリントを精査することで利用されているアプリを診断し、クラウドへの最も簡易なアップグレードパスを評価するツールをリリース。マイグレーション支援を行っているパートナーも紹介しました。さらに、移行に向けてクラウド製品を評価またはテストし、十分な移行計画を立てられるように、このトライアル期間を無料で延長することが可能に。アヌは、自信を持っておすすめするクラウド製品を十分な時間をかけて是非試してみてくださいという強い言葉とともに、自身のセッションを締め括りました。

データセンター製品

そしてDay2 keynoteの最後のセッションとして、データセンター製品についてのアップデートをオンプレミス製品を統括するアリソン・フセリッドとオンプレミス製品のマーケティング担当であるジュニー・ディンダが紹介します。まず、アリソンからはデータセンターのプラットフォームのアップデートについて。冒頭に、今私たちが生きているのは大きな変化の時代であり、今後もこのような変化に適応していくための製品やツール、そしてプロセスが成功のために必要不可欠であり、アトラシアンはこれを提供すると表明します。

そしてアトラシアンのオンプレミスのエンタープライズ企業向け製品であるデータセンターの歴史を振り返ります。2014年にリリースされたデータセンター製品は、サーバー製品がミッションクリティカルと化したチームに向けて、冗長化構成が可能なデプロイメント方式としてスタートし、パフォーマンスのスケールと高可用性を提供しました。2年後、SAMLサポート、ゼロダウンタイムアップグレード、リード・オンリーモードなどの機能を利用可能としました。昨年は更に多くのリクエストに応えるべく、分散チームのパフォーマンス向上のためのミラー・ファームやCDNのサポート、APIレートリミットによる信頼性の向上、Aurora DB とAWS等のクラスターDBのサポートなど、多様な新機能をリリースしました。その結果、例えばCDNをサポートした結果、ページローディングの時間が半分になるというパフォーマンス向上を実現。そして今回の最新のパフォーマンス関連の機能アップデートの効果として得られた各製品の結果を紹介します。

  • Jira Sofware 8.5(7.13との比較):①ボードの表示が34%高速化・②バックログの表示が70%高速化
  • Confluence:全体的な動作待ち時間が50%減少
  • Jira Service Desk:①ダッシュボードの表示が35%高速化・②ページのローディングが24%高速化
  • Bitbucket:大規模リポジトリーのクローニングとフェッチが2〜5倍高速化
  • Crowd:全ユーザーの表示が11〜254倍高速化

今後もそれぞれの組織の要求に対応できるツールとリソース、そして将来のさらなる拡張へのニーズに対応するプラットフォームへの投資を続けることを改めて約束しました。

製品への投資に加えて、データセンター製品のためのアプリベンダーとも連携し、エンタープライズ企業のビジネスの成功を支援するとアリソンは続けます。現時点で820以上のデータセンター認定アプリが誕生しており、サーバー製品で人気のあるアプリトップ100のうち97%をカバー。この数は昨年のサミットの時から500以上増えているとのこと。また、提供されているAPIを活用してサードパーティーベンダーが様々な拡張機能を提供していると言います。人気のあるアプリとして、利用されなくなった課題をメンテナンスダウンタイムの際など最適なタイミングで自動でアーカイブするようにあらかじめ設定できるアプリを紹介しました。

そして、データセンター製品の最も大きな投資領域であるセキュリティとコンプライアンスに関しての紹介へと移ります。80%以上のITおよびセキュリティ管理者が、昨年1年間でサイバーセキュリティ関連のインシデントを1回以上経験しているという調査データを引き合いに、改めてセキュリティの重要性とこの課題が、全ての組織にとっての大きな課題であるということを強調します。そこでこれまでアトラシアンが投資を続けてきたユーザー管理に関連する4つの領域、認可と認証、柔軟性、そしてプロビジョニングについて説明しました。

  • ユーザー認可:データ共有の最も安全な技術標準として知られる "OAuth 2.0" をまもなくサポート
  • ユーザー認証:エンタープライズ企業で採用が広がってきている "OpenID connect" をサポート
  • 柔軟性:複数IdP連携機能
  • ユーザープロビジョニング:ジャストインタイムプロビジョニングとSCIMにより、ユーザープロビジョニングを合理化

また、アトラシアンはモバイル端末での製品利用も想定しています。JiraとConfluenceサーバーのモバイルアプリ向けにMDM(モバイル端末管理)をサポートしたことで、アトラシアン製品のAndroidおよびiOSアプリを、組織の承認されたデバイスへMDMプロバイダーを通して配布し、インスタンスのサイトURLをあらかじめ生成しておくことが可能になりました。

続けて、より高度な監査を可能とする "Advanced Auditing" もリリース予定と発表。情報セキュリティに関するポリシーに則して自身の組織で何が起こっているか等のインサイトを取得でき、状況を常に把握することができます。これには、イベントカバレッジの拡張、ファイルの外部化(SplunkやSumoLogicとの統合)、監査委任などの様々な新機能が含まれており、エンタープライズ企業が自社のコンプライアンスに則しながらリスクを防ぎ、インシデントが起きた際に最短で解決へと導くための強力な単一ツールになるとアピールしました。

更に、多くのConfluence管理者がそれぞれのページやスペースごとのユーザー権限の状況を確認するために手間を要しているという課題を解決するため、Confluenceの個々のユーザーの権限状況を一覧で確認することができる機能をリリース。管理者にとっては非常に重宝する機能となるに違いありません。

最後にアリソンは、これまで紹介してきたデータセンターの機能をすぐに試せる方法を紹介します。サーバー製品のユーザーであれば、利用中のサーバー製品のインスタンス管理画面でデータセンターのライセンスキーを入力するだけで、すぐにデータセンター機能を利用できるようになるとのこと。既存で利用中のサーバー製品の環境や設定のまま、複雑な初期設定等が不要な形で移行をすることができ、非常に便利な機能です。

チームをスケールし、次の時代へ備える

Day2 Keynoteの最後のスピーカーとして登場したジュニーは、予測不可能な今の時代を生き抜くチームが変化に適応しながら進化、そして成長していくためには、信頼できるコラボレーションの基盤が必要であると話を始め、3つ領域(大規模アジャイル、ITSM&IT運用、開発者の生産性)でアトラシアンがチームに提供する製品のアップデートを紹介していきます。

1つ目に大規模アジャイルについて。チーム全体でアジャイルを実践すると、イノベーションを推進し、競争力の高い差別化ポイントを生み出し、市場へ投入するスピードがより早くなります。更にこのアジャイルの実践とDX促進による成果を達成するためには、可視性、連携、適応力、この3つの主要なポイントに上手く取り組む必要があるということを強調し、アトラシアンは組織の全てのレベルにおいてこれらのポイントをおさえたアジャイルを実践するツールを持っていることを表明。Jira Software、Portfolio for Jira、そしてJira Alignです。

まず、Jira Softwareが、組織内のあらゆるチームのアジャイル変革を促進する基盤になると話し、これを実現する新たな機能の紹介を続けます。今までは難しかった複数のチームで複数のスプリントを管理し、正確に予定を計画・管理していくといったことが、新機能「Plan Dates」で複数の将来のスプリントを予定したスケジュールとともに作成できるようになり、スクラムマスターとプロダクトオーナーが複数のチームの仕事について連携し、共同で進めていく仕事を正確に予測できるようになりました。もう1つの課題として、各チームのメンバーが組織全体としてのゴールと自分たちの仕事の結びつきを認識しながら日々仕事を進めていくのが難しいということ。これを、 "Jira Software and Jira Align connector" により解決すると言います。Jira AlignとJira Softwareの連携をよりシームレスにし、セットアップと日常のメンテナンスも負荷の軽いものにすると話します。更に将来の投資エリアとしてリリース管理を紹介。大規模でのリリース管理は非常に困難であると認識しており、この負担をできる限り軽くしていくと表明しました。また、同じ種類の作業には同じ名称を利用することで、関係者が同期を取りやすくなるような更新を検討しているといいます。例えば、SAFeフレームワークを実装したことで、エピックをフィーチャーと改名したい場合、Jira Softwareで簡単に変更可能にすることなどを目標としているといいます。

そして、前半のアヌの話でクラウド製品でも利用できるようになる言及されていたPortfolio for Jiraに話は移ります。複数のチームが利用するJira Softwareでのプロジェクト状況を、視覚的にわかりやすく一元管理できる単一のツールとなるPortfolio for Jiraですが、昨年リリースしたPortfolio for Jira 3.0をリリース以来、新しい機能を体験し、高評価を頂いたため、クラウド製品にも、Jira Premiumの機能として提供することにしたと話ました。更に最近、主要スプリントの詳細スナップショットが確認できる機能をリリースしたと紹介。過去のチームのベロシティ状況を確認し、それを基に今後のスプリントのベロシティを調整できるようになり、より正確に計画を組むことができるようになりました。更に、Portfolio for Jiraのロードマップをマクロを利用してConfluenceのページ上に常に最新の形で掲載することができるようになったことについても紹介。Confluence上のロードマップを関連する全てのチームが参照する1つの情報として利用できるようになります。

3つ目にJira Alignについても改めて紹介します。まずアヌのセッションでも触れたTrelloとの連携について。追加情報として、チームのTrelloボードをJira Alignインスタンスにリンクする新しいPower-Upをリリースしました。これにより、チームボードのバーンアップチャートや累積フローレポートを作成することができます。Jira AlignでTrelloからの作業を追跡することで、四半期ごとの進捗状況を確認でき、Trelloでの作業が会社の戦略的目標や方向性にどのように反映されているかを確認することが可能となります。また、OKRのリアルタイムのスコアを把握できるダッシュボードを作成。各チームの仕事が組織のOKRにどのように貢献しているかが明確になります。そして、新たなステップとしてAIをJira Alignに導入し、ユーザー体験の向上を図ろうとしていることを発表。データを正しい方向に導き、よりスマートにデータを提示する方法を見出し、お客様がビジネスに適した意思決定を行うために必要な全てのデータを確実に入手できるよう検討を進めています。

2つ目の領域として、ITSM&IT運用について。市場がソウトウェアサービスを中心とする世界になってきている現代においては、お客様の期待値はより高いものとなっており、ITチームはこの変化の中心を担っていると言います。そして、あらゆる組織のITチームは、古くからの伝統的な手法で動くチームとクラウド化への変革を背景にモダンな手法で動くチームの2種類が見られるという現状を示唆し、モダンなITチームは協調的かつ反復的、そしてお客様を中心に考えたアプローチを取っていて、Jira Service DeskのようなモダンなIT管理ソリューションを採用していると伝えます。

そして、インシデント管理を円滑に進めるために、Jira Service DeskとOpsgenieの連携を更に向上させたことを紹介。インシデントが発生した際に、Jira Service Deskでインシデントのチケットを起票すると同時にOpsgenie上へエスカレーションをあげることができるようになると言います。更に、過去のインシデントも含めて全てのインシデントの情報をJira Service Desk上にて管理でき、ITSMソリューションと監視システムの間を行ったり来たりせずとも、ITサポートと運用部門が共有できる単一のプラットフォームを手に入れることができると言います。さらに、従来の変更管理を再創造するような更新を検討しているとのこと。そして、より円滑なビジネスをサポートすべく、エージェントとエンドユーザー、双方に対する機能改善に取り組んでいるとし、エージェント向けの機能としてより使いやすくしたキューを紹介。並べ替えの改善や、インラインで課題のバルク編集ができるようになりました。そしてエンドユーザー向けには、 "AWS Service Catalog Connector for Jira Service Desk" をマーケットプレイスにて無料でリリース。ユーザーはJira Service Desk上でセルフサービスを行い、管理者が承認したAWSカタログ製品をリクエストすることができ、リスクとセキュリティも考慮した形でAWSのクラウドサービスを活用することができます。更に、セルフーサービスでの活用を促進するためカスタマーポータルの多言語化を実現。各ユーザーの設定によってローカル言語での利用ができるようになります。日本のお客様にとっても非常に有意義なアップデートになるのではないでしょうか。

最後に3つ目の領域として、開発者の生産性。ジュニーは最終的にイノベーションの促進を左右するのは開発チームであると言い、BitbucketとBambooについてのアップデートについて紹介します。まず、BitbucketでBambooやJenkinsなどのCI/CDツールとの連携を強化し、CI/CDのパイプラインのビルドとメンテナンスを容易にしました。ソフトウェア開発ライフサイクルの各段階で状況に即してフィードバックを得ることができるため、製品を切り替える必要がなくなり、ソフトウェアのリリースプロセスが合理化されます。また、Bambooにおいてブランチ構成を強化し、マスターブランチとは異なるブランチ構成を定義して維持する機能を追加しました。これにより、開発者は対応するコードに合わせて必要な頻度でビルド構成を更新するといった柔軟性を得られます。更に、ユーザーから多くのリクエストのあった、Bitbucketのプルリクエスト体験の強化と新機能の追加を紹介。まず、主要なページとインタラクションのパフォーマンスが50%向上しました。また統合されたシンタックスハイライトやDiff、差分内の任意の場所でコンテキストを展開してコメントする機能などのツールを使用することで、コラボレーションが更に向上。加えてレビュー担当者は、必要な場所で変更を提案できる柔軟性とコントロール性を持つようになりました。また、ファイルツリーにフィルタリング機能を追加しました。

ジュニーは最後に、大規模チームの永続的な変化を支援する製品として、データセンター製品についてのページを紹介。そしてあらゆるチームの今後の拡張を支援するためのアップデートについて紹介してきた本Keynoteが皆さんにとって有意義な内容であったことを祈念するとともに、参加いただいた視聴者の方々へ感謝の意を述べてDay2のKeynoteを締め括りました。

アトラシアンリモートサミットの全てのセッションは、現在アトラシアンの公式Youtubeチャンネルにて公開されております。是非チェックしてみてください!

Atlassian Remote Summit セッションプレイリスト