この記事は、Transforming Service Management for the AI Era の抄訳です。
あまりにも長い間、チームはサービスの現状維持という状態に閉じ込められてきました。それは、問題が起きてから修復するという後手に回った対応の繰り返しであり、分断されたツール、失われたコンテキスト、そして宙に浮いたチケットの数々です。
その代償は現実のものです。フォレスター コンサルティングの調査によると、エンタープライズのリーダーの97%がサービスへの期待に応えることに苦労しており、生産性の損失が最大のビジネスコストとなっています。その一方で、導入は急速に進んでいます。現在エージェント型AIを活用している組織はわずか21%にとどまりますが、80%が今後12か月以内の導入を計画しています。
アトラシアンが描くサービスマネジメントの未来像とは、ワークフローの中で直接提供されるサービス、プロアクティブに解決される問題、そして組織の深いコンテキストに支えられたAIです。
本日、Team ’26 Europe において、私たちはこのビジョンを実現し、AI時代のサービスマネジメントに向けてチームを準備させるために設計された、Service Collection 全体にわたる数々のイノベーションを発表します。
ワークフローに組み込まれたサービス
最高のサービスとは、開発・IT・ビジネス・カスタマーサービスの各チームが最高の仕事をできるよう、その妨げを取り除くものです。
すぐに立ち上げて使い始められるよう、Solution Composer(オープンベータ)を使えば、チームはわずか数分で自分たちに合わせたサービスデスクを構築できます。何十もの設定画面を操作する必要はなく、必要なものを自然言語で説明するだけです。Rovo が、リクエストタイプ、ワークフロー、SLA、ポータルを舞台裏で組み立て、チームをゼロから数分で運用可能な状態へと導きます。
しかし、サービスデスクを立ち上げて稼働させることは、まだ道半ばにすぎません。それを運用する適切な人材を確実に確保する必要があります。Jira Service Magementの Workforce Management(一般提供開始)により、こうした業務の連携と調整はこれまで以上に容易になります。スケジュール管理、リアルタイムの稼働状況の把握、チームのキャパシティ、スキルベースのルーティングを一元化することで、JSM は受信した業務を、適切なタイミングで適切な担当者に自動的に割り当てます。
プロアクティブな問題解決
AIはあらゆるものを高速化します——システムが壊れる速さも例外ではありません。AI時代に卓越した従業員サポートを提供するということは、そのスピードに遅れずついていき、誰かが痛みを感じる前に問題を解決することを意味します。
Proactive Service Management(クローズドEAP)は、表には出てこない摩擦を、自動化された解決へと変えます。Rovoを基盤とするJSMは、エンドポイントデバイスの健全性を継続的に監視し、パフォーマンスの低下を早期に検知して、バックグラウンドで問題を修復したり、リクエストを適切なサービスチームに振り分けたりします。これにより、デジタル従業員体験(DEX)は、後手に回ったチケット処理の繰り返しから、途切れることのないプロアクティブな流れへと変わります。
運用チームにとって、プロアクティブであることは、効果的な変更管理から始まります。結局のところ、最良のインシデントとは、そもそも起こらないインシデントなのです。新しいAI Change Risk Assessment(AIによる変更リスク評価)ワークフローがJSMで一般提供開始となりました。これはTeamwork Graphからコンテキストを取り込み、ビジネス・技術・運用・コンプライアンス・財務の各要素に関するリスクスコアに反映します。さらにRovoは、運用チームがワンクリックで実行できるリスク軽減策まで提案します。
コンテキストこそが最大の課題
フォレスター コンサルティングの新たな調査が明らかにしているのは、サービス分野でエージェント型AIの導入を目指すチームにとって、コンテキストこそが最大の課題であるということです。自社のナレッジがより広範なコンテキストグラフに接続されている、あるいはその一部となっていると回答した組織は、わずか18%にとどまります。人・ナレッジ・サービス・物理的アセットの間に、深く双方向につながる関係が築かれていなければ、AIは表層的なレベルにとどまってしまいます。そしてそれが、サービス体験のスピード・正確性・関連性を制限してしまうのです。
Service Collection では、Assets が Teamwork Graph に直接つながります。つまり、すべてのアセット、構成アイテム(CI)、カスタムオブジェクトが、その周囲にある人・チーム・変更と結びつくということです。
ハードウェア資産全体をより可視化し、コンテキストを与えるために、私たちは Hardware Asset Management(HAM/ハードウェア資産管理) モジュールを Jira Service Management に直接組み込み、物理的なIT資産をサービスワークフローの中心へと引き入れました。新しいHAMコンソール内のAIインサイトは、保証期限切れやデバイス不足といったトレンドを浮き彫りにし、管理者が業務に支障が出る前に、自動補充ワークフローを即座に起動できるようにします。
すぐに使える共通データモデルと、Atlassian・Flexera・Lansweeper が提供する柔軟なDiscovery(検出)オプションに支えられ、ハードウェアのレコードはネイティブに Teamwork Graph へと接続されます。

さらに私たちは、service and operations context where you work(業務の場でのサービス・運用コンテキスト/クローズドEAP)によって、どこでもコンテキストを利用できるようにしています。チームは、Slack、Teams、Claude といった、普段業務を行っているツールの中から、インシデントのエンドツーエンドの解決やサービスリクエストの管理をそのまま実行できます。JSM と Teamwork Graph をオーケストレーション(連携制御)とコンテキストのエンジンとして活用することで、AIエージェントは、ツールを切り替えたり情報を失ったりすることなく、インシデント調査やリクエスト解決といった専門的なワークフローを起動します。これらのエージェントは権限を認識し続け、JSMで設定されたガバナンスのガードレール(統制上の制約)を維持します。
AI時代に卓越したサービスを提供する
AI時代に卓越したサービスを提供するには、単に応答を速くするだけでは足りません。人・ナレッジ・ツールの間に、よりスマートなつながりを築くことが求められます。アクション可能なAIエージェント、プロアクティブな監視、そして業務に溶け込むワークフロー——これらすべてを Teamwork Graph が支える——にわたる Service Collection の強化によって、私たちはサービスを、孤立したボトルネックから、生産性を生み出すAIネイティブなエンジンへと変革しつつあります。宙に浮いたチケットの時代を抜け出し、旧来のやり方を過去のものとするサービス体験を築くときが来ています。
Team ’26 Europe でさらに探求
これらのアップデートは、当社の年次ユーザーカンファレンスである Team ’26 Europe で、今年のその他のニュースとあわせて発表しました。セッションはライブおよびオンデマンドでご視聴いただけますので、さらに深く知りたい方はぜひご覧ください。
