コーディングを支援するAIエージェントの普及に伴い、ソフトウェア開発は一変しましたが、ソフトウェアのデリバリーに関してはいまだ多くの課題を抱えています。
AIが普及しても、ソフトウェアチームは何を構築すべきか、そしてなぜそれが必要なのかを決定しなければなりません。また、変更対象となるシステムや、どの制約が重要かを理解する必要があります。さらに、「完了」とは何を意味するのか、そしてその成果物を安全にリリースできるかどうかを把握しなければなりません。
これこそが、AIの生産性ギャップの背後にある現実です。エンジニアリングチームを対象にDXと共同で実施した調査によると、AIの利用率は65%増加しましたが、開発者の全体的な生産性は向上しませんでした。生産性の伸びは最大でも15%にとどまり、多くの組織では平均10%の向上にとどまっています。
このギャップは、ソフトウェア開発が単にコードを書くことだけではないからです。それは、組織の中で、ビジネス目標、戦略、そして文脈を、実際に動作するソフトウェアに変えることなのです。
20年以上にわたり、Jiraはあらゆるソフトウェアチームを支援するために進化してきました。Jiraは、何を構築するか、誰が担当するか、進捗状況はどうか、何がリリースされたかに関する信頼できる唯一の情報源となるのです。
今日、ソフトウェアチームのあり方は急速に変化しています。
AIネイティブなソフトウェア開発チームには、エージェントのコンテキストが最優先事項として扱われ、人間が舵取りとレビューを行う一方で、タスクがエージェントに委任されるような新しいシステムが必要です。エンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナー、セキュリティチームが、判断力とコンテキストを業務にもたらします。
これは、人間とエージェントが協働するための新しいやり方です。計画は明確で、コンテキストは共有され、そして返ってきた成果物がチームとして胸を張って送り出せるものかどうかがきちんと検証される——そんな働き方です。
私たちは、その変化に対応して作られた、Jira の新しいエージェント型プロダクト開発機能を発表します。チームは、AI とともに作業を計画し、意図をエージェントがすぐに使える仕様書へと変換し、コーディングエージェントに作業を割り当て、セッションを監視し、エンジニアリングのループを自動化し、そして AI コストを成果に対して測定することができます。
Jira はバグトラッカーとして始まり、今では何百万ものチームの作業を管理する記録システム(system of record)として使われています。私たちは、これからの AI ネイティブなチームに応えるべく、進化を続けていきます。
AIネイティブなソフトウェア開発とは
実用的な観点から言えば、SDLCは、人間に対する説明責任を損なうことなく、エージェントにとって理解しやすいものになる必要があるということです。
これには3つの意味があります。
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作業を開始する前に、意図を構造化する必要があるー エージェントには、プロンプトやJiraの要約以上の情報が必要です。要件、関連するアーキテクチャ、意思決定の履歴、そしてチームがすでに把握している制約条件などが必要です。
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適切なエージェントを選択してもプロセスが分岐してはならないーチームは、Web開発にはCursor IDEを、複雑なバックエンドタスクにはClaude Codeを、独自のコードベースにはクラウドサンドボックス上で動作するカスタムエージェントを、そして低コストで日常的な修正を自動化するにはJira Coding Agentを使用するかもしれません。ランタイムが変わるたびにワークフローが分岐してはなりません。
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自律性は常に可視化されなければならないーエージェントのセッションが、ターミナルやタブ、あるいは接続されていないログの中に埋もれてしまい、重要なコンテキストがローカルデバイスに閉じ込められたままになってはなりません。チームは、何が起こったのか、誰がレビューしたのか、どのワークアイテムがきっかけとなったのかを確認できる必要があります。
これら3つの要素を組み合わせて実践すれば、システムは変化します。エージェントは孤立した副操縦士のように動作することをやめ、チームの他のメンバーと同じSDLCに参加し始めるのです。
そこで重要になるのがTeamwork Graphです。これはアトラシアンのコンテキストレイヤであり、作業、コード、人、意思決定、依存関係を可視化した生きた地図です。これにより、エージェントは単なるタスクだけでなく、その周囲のシステム全体を理解できるようになります。
なぜJiraがこの変革に最適な場所なのか
コーディング作業の大部分がエージェントに移行するにつれ、エージェントは、トークンコストを効率的に管理しつつ高品質なコードをデリバリーする上で、明確かつ詳細なコンテキストを備えた、明確に定義されたタスクを必要としています。そして、コンテキストが1か所に集約されていることはほとんどありません。そのため、アトラシアンはTeamwork Graphを構築しました。これは、Jira上の基本的タスク、Confluence上の要件、Slack上の会話、GitHubからのコードコンテキスト、そしてJira Product Discoveryからの顧客インサイトを統合するためのものです。
JiraはTeamwork Graphのコンテキストを活用し、大きなアイデアをエージェントが処理できる最小単位のタスクに分解し、作業時に活用できるようコンテキストをパッケージ化します。
コンテキストがなければ、エージェントが作成するコードは、後々生産性のボトルネックとなります。エージェントは、意図をくまずチケットの記述どおりに機械的に対応し、アーキテクチャ上の制約を見落とします。エージェントは一見もっともらしいプルリクエストを作成しますが、上級エンジニアが1時間かけてその内容を精査すると、その矛盾が明らかになります。今回のローンチが目指すのは、単に「より多くのエージェントを、より多くの場所に置く」ことではありません。狙いは、チームがすでに日々頼りにしている組織の記憶に、エージェントがアクセスできるようにすることです。
Teamwork Graph がコンテキストを供給し、Jira がそのコンテキストを実際のワークフローへと変える場になります。つまり、意図(インテント)は Jira で生まれ、エージェントへの作業割り当ても Jira で行われ、セッション履歴も Jira に記録され、成果物もレビューのために Jira に戻ってくる、というわけです。
今回の発表内容
エージェントによる作業は、いつも決まったところでつまずきます。計画が曖昧だったり、引き継ぎで情報が抜け落ちたり、出てきた成果物をチームが信頼していいのか判断できなかったり——。私たちは、こうした「破綻ポイント」を解決するために新機能を開発しました。
1. より豊かなコンテキストに基づいた計画立案
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Jira Plannerは、Jiraに仕様駆動型開発をもたらします。複雑なプロジェクトにおいて、Jira Plannerはコードベース、JiraおよびConfluenceの履歴、チームのコンテキストから情報を抽出し、要件を定義して、Confluence上で構造化された技術仕様書を生成します。生成された成果物は、人間には読みやすく、エージェントにも有用なものとなります。
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Jira for Slackは、仕事が生まれる場である会話を、コンテキスト豊富な Jira の作業アイテムに変換します。チームは @Jira に依頼して作業を作成し、スレッドのニュアンスを取り込み、会話の更新をコメントとして同期し、コーディングエージェントに作業を割り当てることができます。しかも、その意思決定を形づくった議論を失うことがありません。また、Microsoft Teams向けの機能拡張も近日中にリリース予定です。
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Loomの動画プロンプトは、あなたが見せて語った内容を、エージェントがタスク実行に使える構造化された指示へと変換します。画面を録画しながら、タスクについて話すだけです。Loom があなたの画面、クリック、リンク、音声による指示をキャプチャし、アクションプランを生成します。それを数クリックで、エージェントがすぐに使える Jira の作業アイテムに変換できます。
2. 適切なエージェントに作業を委任する
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Agents in Jira (Jira内のエージェント)を使えば、チームは作業アイテムを Claude Code、Cursor、GitHub Copilot に直接割り当てることができます(Codex も近日対応予定)。作業は信頼できる唯一の情報源である Jira にしっかりと紐づいたまま、コンテキストは作業を担うエージェントへと流れていきます。
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Jira Coding Agent は、すべての有料 Jira プランに標準搭載されています。適切にスコープが定められた作業アイテムを受け取り、Teamwork Graph を通じてエンタープライズのコンテキストとコードインテリジェンスを活用し、変更を加え、レビュー可能な状態のプルリクエストとして返します。日常的な修正のために、開発者がわざわざローカル環境へ切り替える必要はありません。
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Agent sessions in Jira(Jira内のエージェントセッション):どの AI コーディングエージェントが行き詰まっているか、何がレビュー待ちか、何が完了したかを一目で把握できます。Jira で作業するすべてのエンジニアが、自分のスペースやリポジトリをまたいで動いているエージェントセッションを、対応が必要なものから順にグループ化された一つのビューで確認できます。
3. 統制を保ちながらエージェント型エンジニアリングを拡大
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コーディングエージェント自動化を使えば、バグ修正、脆弱性の修復、テスト生成、ドキュメント更新といった定型作業を、Jira の自動化ルールビルダーでエージェントに振り分けることができます。プルリクエストの準備が整うとエンジニアに通知が届き、あらゆるステップが元の依頼と紐づいたまま保たれます。
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エージェント型エンジニアリング プロジェクトテンプレート は、ワークフロー、ステータス、トラッキング、各種連携があらかじめ設定された、エージェント対応の Jira プロジェクトを数分で立ち上げるのに役立ちます。
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DXによるAI コスト管理 は、エンジニアリングリーダーが AI 開発の経済性を把握するための手段を提供します。Claude、Cursor、GitHub Copilot、Jira といったツールをまたいで支出データとトークンデータを一元化し、その投資をチームやプロジェクトに対応づけ、DX 上でプルリクエストあたりのコストを見積もります。
人間とエージェントのためのシステム
アトラシアンでは、自社のエンジニアリングチームでこれらのパターンを実践してきました。そこで分かったのは、Teamwork Graphが、こうした数多くの機能を支えるエンタープライズのコンテキストを提供しているということです。Teamwork Graphは、ソフトウェア開発ライフサイクル全体にわたって、作業・チーム・ゴール・コード・ナレッジをつなぎ合わせ、エージェントがより的確かつ正確に動けるようにします。社内のベンチマークでは、Teamwork Graphによって強化されたエージェントは、そのコンテキストなしで動作するエージェントと比べて、44% 高精度な結果を、48% 少ないトークンで実現しました。それだけでなく、プルリクエストのサイクルタイムの短縮や、定型作業に費やす時間の削減も確認されています。
エージェントは、ソフトウェアの作り方を変えていきます。とはいえ、判断力・コンテキスト・説明責任の必要性がなくなるわけではありません。だからこそ、Jira は進化しなければなりません。Jira の次の章は、単にソフトウェア開発の作業を追跡することではありません。人間とエージェントが、その作業を一緒に進められるよう支援することです。
今すぐjira.devにアクセスして、お試しください。