みなさん、こんにちは。アトラシアンでコミュニティマーケティングを担当している新村です。今回は5月25日にBIPROGYさんに会場をお借りして開催された第80回 ACE Tokyo Online Meetup Team ’26報告会の様子をレポートしたいと思います。ACE Tokyoはアトラシアンの公式コミュニティで、アトラシアンに関心を持つ皆様の交流の場として多くの参加者にお集まりいただいています。東京を中心に活動していますが、今後はオンライン、オフラインを交えつつ、多くの方にご参加いただける形を作っていきたいと思っています。
今回はTeam ’26報告会ということで、アトラシアン渡辺からTeam ’26での発表内容の共有や、現地参加されたお客様を招いてのパネルディスカッション、そしてアトラシアン社員が回答するライブQ&Aと盛りだくさんでお届けしました。また、今回は初めてご参加いただいた方も多く、いつもとはまた少し違った盛り上がりでした。
それでは早速今回のイベントの内容をレポートしていきたいと思います。
Team ’26報告セッション
アトラシアン株式会社 渡辺

まずはアトラシアンの渡辺からTeam ’26での発表内容を共有しました。
5月5日〜7日に米国アナハイムで開催されたAtlassian Team ’26より、主要な発表のハイライトをお届けします。今回のテーマは「Human + AI Collaboration」。広大なExpo会場には多くのスポンサーが出展し、デモやブレイクアウトセッションが連日行われる大規模なイベントとなりました。
中核メッセージ:モデルではなくコンテキストが競争力の源泉
今回のイベントで繰り返し語られたのは「ビジネスの加速 = インテリジェンス × コンテキスト」という方程式です。2026年の今、AIモデルそのものはコモディティ化しており、もはや差別化要素ではありません。組織が日々の業務を通じて蓄積してきた「コンテキスト(文脈)」――誰が何に取り組み、どのような意思決定がなされ、どんなナレッジが生まれてきたか――こそが、AIを真に活用するための燃料であり、競争力の源泉であるという考え方が示されました。
Teamwork Graph:コンテキストを一元管理する基盤
このコンテキストを構築・管理する基盤として位置づけられているのが「Teamwork Graph」です。Teamwork Graphは単なるデータベースではなく、仕事・人・ツールの関係性を結びつける「結合組織」として機能します。
- Jiraでワークアイテムを作成すれば、それがグラフに入る
- 誰かにアサインすれば、その人との関係が生まれる
- Confluenceページにリンクを貼れば、ドキュメントとの接続が生まれる
- Loomの録画を追加すれば、その会話のトランスクリプトもグラフの一部になる
アトラシアン製品だけでなく、Figma、Google、Workday、Microsoft製品など、サードパーティのデータも取り込むことで、組織全体のコンテキストが日々拡大していきます。さらに今回、プログラムコードもコンテキストとして取り込まれるようになりました。これを受けて複数のコードリポジトリに対してセマンティックな検索や質問を可能にする「Code Intelligence in Rovo」が発表されました。
Teamwork Graphをあらゆる場所で活用する
これまでTeamwork Graphはアトラシアン製品内からのみ利用可能でしたが、今回の発表でその活用範囲が大きく広がりました。
- MCP(Model Context Protocol):サードパーティのAIツールやエージェントからTeamwork Graphのコンテキストを直接利用可能に
- CLI(コマンドラインインターフェース):20以上のアプリサーフェスにまたがる360以上のコマンドで、AIコーディングエージェントがグラフに直接アクセス
- Dia(ブラウザ):アトラシアンが買収したThe Browser Companyが開発するAIブラウザ。開いているタブやブラウジング履歴とTeamwork Graphを組み合わせ、今日やるべきことの整理やページの要約などを実現
- Atlassian Teamwork Graph:自分の組織でどのようなコンテキストが形成されているかを可視化できるポータル
Jiraが人間とAIエージェントのコントロールタワーに
もうひとつの大きなメッセージが、Jiraの進化です。「Agents in Jira」が一般提供(GA)となり、MCP経由で任意のAIエージェントをJiraに接続できるようになりました。GitHub Copilot、Claude Code、Cursor、OpenAI Codexなどのエージェントと連携し、人間とAIエージェントのワークフローを同一ボード上で管理できます。さらに「AI Planner in Jira」(Coming Soon)では、人間との対話に基づいてAIエージェントが既存のコードベースに対して作業を行うといった、より高度なコラボレーションの姿が示されました。
今回のTeam ’26は、アトラシアンが「ツールベンダー」から「チームワークの構造を設計する企業」へと自らを再定義したことを強く印象づけるイベントでした。
パネルディスカッション
右から
- 相原さん(パナソニックコネクト)
- 小林さん(BIPROGY)
- 高橋さん(ACE Tokyo リーダー)
- 渡辺(アトラシアン)

パネルディスカッションでは、Team ’26に参加した理由や印象に残ったテーマについて、皆さんが率直にお話しくださいました。今回のTeam ’26は人間とAIのコラボレーションをテーマにしており、先ほどの渡辺の発表でも触れられていたように、大きな変化を感じさせるイベントでした。現地での発表に触れて、多くの刺激を受けた一方で、Teamwork GraphをはじめとするAI活用をどのように日々の仕事に活かしていくか、じっくり考える必要があるというお話も印象に残りました。また、高橋さんからはコミュニティリーダーの立場として、Teamに参加することで得られる世界との繋がりや、そこから湧き上がるモチベーションについてもお話しいただきました。
Live Q&A
続いてのLive Q&Aでは、報告セッションから参加している渡辺に加え、ソリューションエンジニアである植草にも登壇してもらい、皆様の疑問に回答させていただきました。
下記のQ&Aは当日の回答に加え、当日回答できなかった質問に関しても回答を追記させていただいています。
質問に関しては原文ママとなっておりますので、ご了承ください。
| ご質問 | 回答 |
| ROVOでTeam work graphを辿って、人の繋がりと、ソースコードを調べて、まとめられるのを初めて知りました。すごい便利で使いたいと感じたのですが、誰にはどこまで見せていいとか、セキュリティの管理は、どんな感じで対応できるのですか | 大前提として、Rovoを含む弊社のAI機能はすべて共通で、ユーザーの権限を尊重する作りになっていますので、Rovoに指示を出したユーザーの権限を超えた情報が回答に含まれることはありません。これは、Rovoコネクタでつながっている外部ツールのデータについても同様です。 How Teamwork Graph connector permissions are kept in sync | Atlassian Support また、一部コネクタについては、取り込む対象のデータを許可/制限できる機能もあります。 ブロックリストと許可リストを管理する | アトラシアン サポート |
| 最近のaiプロダクトだと、全員に使って欲しいところではありますが、pocの為に別サイトでやったりするのですが、rovoの利用を特定グループに制限できる機能があると聞きました。また別のプロダクトだと特定の個人がクレジットを使いすぎた場合、しばらく制限をかける機能とかあるのですが、rovo回りでそういう機能が実装された、という話を聞いてたりしますか。 | Cloud Enterpriseプラン限定になってしまいますが、Rovoの利用を一部のアプリもしくはユーザーグループのみに制限できる機能がリリースされています。 Manage Rovo access for Enterprise | Atlassian Support Rovoの利用量(消費クレジット)に基づく追加課金について、かねてより適用の計画があることはお伝えしてまいりましたが、 2026年5月25日 時点で未だ適用開始時期や具体的な料金等の詳細は明らかになっておりません。なお、使いすぎ防止の仕組みは課金開始前に実装される見込みです。(ただし、詳細は後日の正式発表をお待ちください。) |
| ソリューションの複数組織横断での導入を可能にしている要素には何がありますでしょうか?(組織構造自体、意思決定やカルチャー?)組織のサイロ化に対してアトラシアン社さんで横軸で業務設計をしているという話が印象的でした。私はオープンな形でのデータ共有や業務進行を経験した後、今の職場でクローズな形に直面しており、当たり前だったものをまだ言語化できず、ゆっくり進行でもどかしさを感じています。 | Atlassianの例では、"Open Company, No Bullshit"というCore Valueが示す通り、情報をオープンにすることが組織内の共通認識になっていることが大前提としてあります。そのうえでAI等の新たな技術・ソリューションをリーダー層自らが率先して利用し、その姿をメンバーに示すことで、メンバーが新たな技術・ソリューションに触れる意欲を増進させています。Atlassianに限らず、リーダー層自らが率先して取り組む効果については、最近実施された弊社のState of Teamsなどの調査でも示唆されています。 |
| ROVOを使うことで、社内の各種のツールや情報をコンテキストとして活用することは素晴らしいと感じてます。しかし、これを使うためのハードルも痛感しております。本日小林様が仰られたような情シスなどの壁です。何故MSやGoogleではなくアトラシアンに投資するのか?連携する際のセキュリティの担保は?と言った壁があります。アトラシアン社は、そういった意見や抵抗勢力に対してどのように説明をすることを推奨しますか?Teamwork Graphの概念はイメージ出来るのですが、イメージが高次元のため、相手に説明するための言語化やROIの説明をどのように分かりやすくすれば良いか、アドバイスが欲しいです。 | 弊社としては、Atlassian Cloud Platformは決してMicrosoft社やGoogle社が提供するベーシックなオフィス環境を代替するものとは考えておりません。むしろ、そういった既存ツールの組織資産を活かしながら、現代の組織のナレッジワーカーに求められるより業務の高度化に貢献するためのソリューションであると考えています。セキュリティに関して言えば、Atlassian CloudはISO/IEC 27001をはじめとする様々なセキュリティ認証を取得しております。また、全世界の30万社以上のお客様にご利用いただいており、各国の厳しいIT関連規制に準拠しています。更に、弊社のお客様には、政府関係組織や、規制の厳しい軍事・医療・金融・教育等の様々な業界のお客様がいらっしゃり、そうしたお客様の非常に高いセキュリティ要件を満たす様々な対策を実施しておりますので、ご安心してご利用いただければと思います。 |
| Teamwork Graph や Rovo をまだ触っていない既存ユーザーにとって、 一番わかりやすい '最初の一歩' の使い方はどこから始めるのがよいでしょうか? (例:Rovo Chat Max Mode / Rovo Memory / Daily Brief など) | JiraやConfluenceの検索機能は既にRovoサーチの機能を取り込んで動いていますので、JiraやConfluenceをご利用であれば、意識して「Teamwork Graph や Rovoを使おう」としなくても既にご利用になっている可能性が大いにあります。そのうえで、更にRovoを活用する一歩目としてはJiraやConfluenceの画面の右上に常に表示されている「Rovoに質問する」をクリックいただいて、Rovoチャットを開き、何でも良いので、思いついた質問をしてみていただくというのが良いかと思います。(割と雑な質問や無茶振りでもRovoは答えてくれると思います。) |
| ROVOが各個人の権限状況によりコンテキストが異なるということは、ROVOの回答に再現性(一貫性)がなくなるということになりそうですね。サードパーティ連携されたTeamworkグラフもコンテキストに入ってくると、なぜ聞く人によって回答が分かれるのか?がトレースしにくくなるリスクは有ると思いますが、混乱はありませんか? | おっしゃる通り、Rovo(に限らず生成AI一般)の回答と「一貫性」というテーマは非常に相性が悪いと考えます。そういった特性を認識していただいて、回答の一貫性や再現性を前提としない作業にRovoを組み込んでいただくことをおすすめいたします。 |
| team’26の文脈とはそれてしまいますが、現在、社内で週報をConfluenceに移行を事業部内で協議を進めております。アトラシアン様の中で週報はどのようなスキームで対応されているでしょうか。また、週報作成の意義をどのように定義されているかをご教授頂けると助かります。 | Atlassian社内では、週報(に限らず、個々の状況を定期的に報告・共有する取り組み)のルールは、チームによって大きく異なります。プロダクトチームが多く採用している方法としては、Atlassianクラウドのプラットフォームエクスペリエンスの「プロジェクト」アプリを利用し、週次で簡潔な状況報告を共有する方法です。 プロジェクトとは? | プラットフォーム エクスペリエンス | アトラシアン サポート |
| 「JIRAがAIエージェントを含むタスクのコントロールタワーへと進化」という点について教えてください。RovoエージェントがJiraを経由して、他のRovoエージェントやサードパーティAIをオーケストレート(調整・指示)できるのでしょうか?それとも、あくまでJiraがタスクの「見える化」の場であり、実際のエージェント間の調整はRovo側で行うのでしょうか? たとえば「AIエージェントがこなしたタスクがJiraチケットとして自動記録される」「Jiraから指示を出してAIエージェントが動く」のどちら(あるいは両方)のユースケースを想定していますか? | JiraがRovoエージェントやサードパーティのAIエージェントをオーケストレート(調整・指示)し、それら全てのタスクの「見える化」の役割も担う、というイメージです。どちらかと言えば、「Jiraから指示を出してAIエージェントが動く」ユースケースを想定しています。 |
| Rovoを使いこなせてる人のテクニックを社内でうまく公開する方法や仕組みなどありましたら教えていただきたいです。アトラシアン様内ではこういった工夫をしてるなどありましたらぜひ知りたいです。 | 弊社内では、AIの活用方法を社内で共有する様々なSlackチャンネルが作られ、そこで「こんな便利な使い方が出来た」とか、「◯◯さんの使い方が秀逸だったので共有させてもらいます」といった投稿が、日々共有されています。(なお、共有の際は、テキストでの説明よりもわかりやすいので、主にLoomが活用されています。)リーダー層もそういった取り組みを強く奨励し、組織内でAIの活用が「当たり前」になる状態を作ろうとしています。 |
| Team work graphにログインしたが結果に納得できない。これは過去どのくらいのデータを参照してくれるのか??ぜんぜんチームじゃない人がチームとされている。 | 恐縮ながら、teamworkgraph.com はつい先日リリースされたばかりのベータ版のため、表示内容が正確でないおそれがあります。ぜひフィードバックフォームからご意見をいただけますと幸いです。 |
懇親会

懇親会ではフード&ドリンクスポンサーのリックソフト大薗さんより乾杯のご挨拶をいただきました。懇親会でもディスカッションや相談が絶えず、おおいに盛り上がっていました。

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