第78回 ACE Tokyo Online イベントレポート

みなさん、こんにちは。アトラシアンでコミュニティマーケティングを担当している新村です。今回は3月12日にオンラインで開催された第78回 ACE Tokyo Online Meetupの様子をレポートしたいと思います。ACE Tokyoはアトラシアンの公式コミュニティで、アトラシアンに関心を持つ皆様の交流の場として多くの参加者にお集まりいただいています。東京を中心に活動していますが、今後はこう言ったオンラインでのイベントも増やしていきたいと思っています。

今回は2月に開催されたDevelopers Summit 2026でたくさんの方に参加いただいた、アトラシアンのセッション「Rovo Dev 〜AIでソフトウェア開発ライフサイクルはどう変わるのか〜」の再演ということで、アトラシアンの古川がお話させていただきました。Rovo Devだけではなく、Rovoも使ってソフトウェア開発のライフサイクルにどのようにAIを組み込んでいくかのお話をしました。


ACE Tokyoの紹介

まずはDev分科会のリーダー長阪さんから、ご挨拶とACE Tokyoの紹介がありました。ACE Tokyoはユーザーの事例や意見を交換する場となるコミュニティで、ここで意見交換をすることでツールの使い方が成熟していくと嬉しいとおっしゃっていました。今回はオンラインですが、オフラインでも開催していて、直接顔を合わせたネットワーキングもできるので、そちらもぜひ参加してくださいとのことでした。


Rovo Dev 〜AIでソフトウェア開発ライフサイクルはどう変わるのか〜

今回はアトラシアンの古川から「AIでソフトウェア開発のライフサイクルはどう変わるか」をテーマに、AIコード生成エージェント「Rovo Dev」と、Jira・Confluenceを中心にナレッジ活用を支援するAI「Rovo」の最新デモやユースケースを紹介させていただきました。今回は、Jiraチケットの丸ごと実装デモや、ふんわりした要件をAIと一緒にブラッシュアップするワークフローを中心に、セッションのポイントを振り返りました。

セッションの要約はこちらになります。 

ソフトウェア開発ライフサイクルとAIの入りどころ

冒頭では、DevOpsループにおけるAI活用の位置づけを整理しました。多くの方が「コードを書く」部分での生成AI活用をイメージしがちですが、実際には要件定義やチケット整理、レビューなど、コーディングの前後にも多くの改善余地があります。私自身も「バリバリのプログラマーでも、1日の仕事の100%が"コードを書く"ではない」と感じています。こうした「コードの前後」にある作業こそ、アトラシアンが長年フォーカスしてきた領域であり、ここにAIを組み込むことで開発ライフサイクル全体を変えていけると考えています。

Rovo Dev CLIとRovoの役割

Rovo Dev CLIは、コマンドラインから操作できるAIコード生成エージェントです。コード生成だけでなく、ブランチ作成やコミット、プルリク作成、Bitbucket上での自動レビューまで対応します。一方、JiraやConfluenceなど開発の周辺業務を支えるのがRovoです。要件のブラッシュアップやチケット説明の改善、関連ドキュメントの参照など、ナレッジワークをサポートします。両者は同じ「Rovoファミリー」ですが、ユースケースが異なるため、セッションでも意識的に切り分けて紹介しました。

ユースケース1:面倒なタスクをAIに任せる

例えば、JavaScriptからTypeScriptへの変換や、型定義・設定ファイルの更新など、やるべきことは分かっていても機械的で面倒な作業はRovo Devに任せられます。ターミナルから「KAN-9を実装してプルリクを出しておいて」と指示すれば、チケット内容の理解からブランチ作成、変換、プルリク作成、進捗反映まで自動で進みます。

また、ログ追加や大量のログ修正もAIにアウトソース可能です。プロジェクトのルールに従い、適切な箇所へのログ追加やセンシティブな値のマスク、フォーマット統一までまとめて対応できます。

コードレビューもAIに任せられる代表的な仕事です。Bitbucketと連携したRovo Devのレビューエージェントは、プロジェクトのルールや過去の課題・ドキュメントを参照しながら、冷静かつ的確な指摘を自動で行います。時には「設計を全部やり直した方がいい」といった言いづらい指摘もAIが適切な表現で伝えてくれるので、レビューする側・される側双方にとってプラスになると感じています。

ユースケース2:AIを「チームメイト」としてコラボレーション

AIをチームメイトとして、要件定義から実装まで一緒に進めるスタイルも有効です。例えば、「Doneにしたときに派手な演出を入れる」といったふんわりした要件も、Jiraの「説明を改善」機能を使えば、AIがより具体的な要件に書き換えてくれます。エンジニアはAIが生成した内容をレビューし、チームの事情に合わせて修正や条件追加を行いながら、要件定義をブラッシュアップできます。

詳細化した要件はRovo Devに渡して実装を進めてもらい、必要に応じて自分のクリエイティブも加えられます。AIは大量の知識やパターンを統合し、繰り返しのやり直しにも柔軟に対応してくれますが、最終的なクリエイティブやチーム固有の知見は人間が担います。私は「AIをチームメイトとして迎え入れる」という表現をよく使っています。

ナレッジとルールをAIに教える

プロジェクトのリポジトリ内に.rovodevフォルダを置き、コーディング規約やレビュー基準、命名ルールなどを記述しておくことで、Rovo Devは自社ローカルのルールを優先して参照できます。JiraやConfluence、Bitbucketとの連携により、過去の課題や設計書、リポジトリ設定などもAIが活用できるため、チームの実際の履歴に基づいた回答やコード生成が可能です。

まとめ

Rovo DevとRovoを通じて、コーディングの一部をAIに任せることはゴールではなくスタート地点です。要件定義やチケット整理、レビュー、ナレッジ活用など、開発ライフサイクル全体にAIを組み込むことで、開発者が「人間にしかできない仕事」に集中できる環境を目指しています。AIは完全自動化の魔法ではなく、チームの一員として役割分担を再設計するためのパートナーです。AIができることはAIに任せ、開発者は創造性や暗黙知が必要な仕事に時間を使う――そのための具体的な選択肢として、Rovo DevとRovoはすでにJira・Confluence・Bitbucketと深くつながり始めています。

デモの内容を含め当日の様子はこちらの動画からご確認いただけます。


Q&A

セッション中ではデモを動画ベースで行っていましたが、Q&Aでは実際にRovo Devを動かしながら参加者の疑問に答えていっていました。AIツールは必ずしも毎回同じような答えが返ってくるわけではないので、スピーカー側もどんな内容が返ってくるのかを楽しみにながらQ&Aを行っていました。


ACE Tokyoではこのようにさまざまなテーマで情報の共有や議論を行っています。一人で悩むよりACE Tokyoでみんなと相談すれば、皆さんのナレッジを活用してより良い解決策を見つけることができます。

イベントはこちらのサイトで告知していますので、「Join」ボタンからご登録をお願いします。

みなさんのご参加をお待ちしております。