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IT 指標: 成功のための 4 つのベスト プラクティス

IT では測定とレポート作成が重要になりますが、可能なあらゆる統計を追跡する取り組みの中で IT チームはまとまりがつかなくなる場合があります。

無限の可能性を秘めているため、IT の効率性を測定するのに最適な IT 指標を知ることは困難を伴う場合があります。今日は、IT パフォーマンスを測定して報告し、最初から適切な目標を設定するための 4 つの実用的なガイドラインを見てみましょう。

IT 指標とは

始める前に、まず IT 指標を定義することが賢明です。それらの指標の目的を理解することによって、追跡対象を特定できるようになります。

では、それらの指標とは何でしょうか? IT 指標は、IT リーダーが IT ビジネスの管理をサポートするために使用する定量測定法です。これらの指標によって CIO や IT 責任者はテクノロジーの価値を理解して、IT の価値を他のビジネスに実証できるようになります。

一般的な IT 指標

IT の価値を示す上で指標が重要であることを考えると、追跡対象として適切なものを選択することが重要になります。「これで決まり!」と言えるような、注目に値する最適な単独の指標は存在しません。顧客にとって適切な指標は、顧客の IT チームとビジネスに大きく左右します。このことを念頭に置いて、次のように一般的に使用される指標をいくつか見ていきましょう。

  • MTTR: MTTR については、単一の意味を持つ単一の指標であると簡単に想定できますが、実際は潜在的に 4 つの異なる測定値を表しています。R は、解決、応答、修復、リカバリを表します。4 つの指標は重複していますが、それぞれ独自の意味とニュアンスがあります。こちらで MTTR 指標の詳細を参照してください。ここでは、次の 3 つに焦点を当てます。
    • 平均解決時間: この指標では、チケットが発行された時点から終了する (課題が解決される) までの平均経過時間を追跡します。
    • 平均対応時間: この指標により、IT チームは新たに発行されたチケットに対する平均対応時間を追跡できます。
    • 平均回復時間 (または解決時間): 問題の検出、軽減、解決にかかる時間です。これは DevOps and Research Assessment (DORA) 調査プログラムが示すように、DevOps チームの安定性を測定するため、主要な DevOps 指標です。
  • アップタイム: この指標は、システムが使用可能で機能している時間 (パーセンテージで表示) です。
  • チケットあたりのコスト: この指標は、サービス デスクの運用コストをチケットの量で除算して測定されます。サービス デスクの効率性に対する評価を提供して、顧客満足度に関連付けられます。
  • 顧客満足度: 顧客満足度を測定することで、顧客をよりよく理解してカスタマー エクスペリエンスを向上させられます。
  • サービス レベル アグリーメント (SLA): ユーザーとユーザーの顧客間 (IT 部門とビジネス間など) で交わされた分かりやすい言葉で認められている契約であり、ここで説明するその他の指標を 1 つ以上含んでいる場合があります。SLA の約束 (アップタイム、平均解決時間など) は、IT チームがこれらの指標を追跡する必要がある理由の 1 つです。IT チームは、満たされている SLA の割合を追跡できます。

これらの指標は出発点を表すだけで、追跡できる指標の過多は問われません。留意するべき重要なことは、各チームの追跡と報告のニーズが異なることです。インシデント管理に関連する指標と KPI について、さらに詳しく説明していきます。

IT 指標とレポートを成功させるためのベスト プラクティス

IT 指標のオプションは多数あるため、どの指標を追跡するかを判断することは困難です。一度選択したら、それらの指標を関係者へどのように報告するかについて考えることも重要です。以下では、IT 指標の選択とレポートの作成の両方に役立ついくつかのベスト プラクティスを概説します。

IT パフォーマンス目標をビジネス目標に合わせる

追跡する IT 指標を決定する際には、IT 部門とビジネスへの影響を慎重に検討する必要があります。

たとえば、解決に要する平均時間オープン チケットの割合は、IT チームによる追跡に確実に役立つ指標です。しかしながらこれらの指標に大きく依存すると、チームに望ましくない結果がもたらされる可能性があります。第 1 レベルのサポート チームがチケットを迅速に終了するように動機付けられている場合は、顧客の課題を満足に解決することなく済ませてしまう可能性があります。低レベルのサポート チームにチケットを迅速に終了するかエスカレーションするように動機付けると、実際には企業のコストが高まります。HDI にはそれを実証する次の数字があります。

コストが 0 に近いレベル 0 のサポート レベルに基づいて、サポート コールを終了するためのコストのチャート

組織内でこのような誤りを回避するには、会社全体と組織全体の各目標に沿った行動を促進する意味のある目標と測定値を設定する方法を探してください。

異なる関係者と異なる指標を共有する

すでに認識しているように、IT 指標は IT の価値を組織の他の部分に対して実証するための優れた方法です。しかしその情報を他の人と共有するときは、対象者を交えてその対象者がどのようなものを確認したいかについて考えてください。自明の理として、関係者の利害はそれぞれ異なります。最前線の IT マネージャーは技術的パフォーマンス データを非常に重視する一方で、CTO は遥かに大きな全体像を重視します。多数の対象者へ一般的ですべてを伝えるレポートを配布するのではなく、主要な関係者に会って、目標を達成できるようにする適切な測定基準に関して合意します。

レポートを理解しやすいようにビジュアルを使用する

多くの生データが記載された Excel スプレッドシートによるチームメンバー、同僚、経営陣へのレポートは、データを解釈するためにビューアーを必要になるため、あまり効果的ではありません。

幸いなことに、すでに強力なレポート作成ダッシュボードをご利用の方は、コンテキストをデータに追加することはそんなに難しくはありません。目標、ベンチマーク、過去の業績に対して、現在どのように成果を上げているかを迅速に伝達するのに十分なコンテキストを提供する、明確かつ端的でわかりやすいレポートを提出する必要があります。アトラシアンのサービス管理ソリューションである Jira Service Management には、一般的なサービス指標機能用に最適化された既定のダッシュボードが用意されています。ただし、レポートのニーズが既定のレポートのスコープを超えている場合、ユーザーはコンテキストの全スコープを把握するために新しいレポートを編集して作成できます。

トレンド レポートまたは作成済みチケットと解決済みチケット

トレンド レポートは、一定期間におけるパフォーマンスを比較してそこから調査すべき異常を探せるため、特に便利な場面があります。解決までの時間を各月別個に見ても、発行された課題の数が 7 月と 8 月に急増していることには気が付けないでしょう。レポートを共有して結果について話し合う前に、全体像を見てそれらのデータ (可能であれば、課題を引き起こした原因) を理解することが重要です。

スコアカードを維持する

スコアカードはチームのパフォーマンスを評価して伝えるための、シンプルで大まかな方法です。効果的なスコアカードには、自己評価をしている目標または測定指標と現在の進捗状況を示す簡単な「信号機」システムである赤色 (リスク)、黄色 (注意)、または緑色 (良好) が含まれます。

スコアカードに関して最も重要なことは、正直に申告することです。誰も常に完璧なパフォーマンスはできません。そのため、毎回のレポートですべてのカテゴリーで緑色の笑顔を獲得した場合、賞賛よりも警告や不信感を引き起こす可能性が高いです。さらに、パフォーマンスを率直に評価し、リスクのある領域にフラグを設定していた場合、何か本当に問題が発生したときに、サポートと理解が得られる可能性が高くなります。

運用パフォーマンスの基本的なスコアカードは、不要な技術的データで関係者を圧倒せずに、最新情報を迅速に報告できる素晴らしい方法です。バランス スコアカードなどのより高度なスコアカードは、さらに大きなビジネス目標への IT 部門の貢献を測定できるため、組織および企業全体のパフォーマンスを追跡する際に効果的です。

概要

先ほど説明したものは、レポートする内容とその方法を絞り込むのに役立つ指針に過ぎません。重要なのは、指標が組織固有の目標に合わせて調整されていることです。

Jira Service Management が堅牢なレポート機能と動的チャートによって、チームが主要指標に関するコンテキストを取得して顧客サービスの目標を達成するのにどのように役立つかをご覧ください。